Novavax…
P3レポートが早くもPreprintに!と思ったらn=4000のサブ解析かよ…そっちじゃねぇよ…紹介するよするけどさぁ…
と第一印象。
早くもお酒飲んだのでテキトーに行きます。
doi.org/10.1101/2021.0…
早くも間違えたN=400ね。
インフルワクチンと同時接種で安全性見たよと。
副反応・副作用から。
NVAX+インフル、NVAXのみ、placebo+インフル、Placeboのみの順で、
投与部位副反応は70.1%、57.6%、39.4%、17.9%。多くが投与部位の痛み。
全身性副反応は60.1%、45.7%、47.2%、36.3%。
意外にもPlacebo+インフルワクチンの方がNVAXのみよりちょい副反応多い結果。
主なものは倦怠感、筋肉痛。
1回目接種時でみると、今度は両ワクチン、Placebo+インフル、NVAXのみ、Placeboのみの順で
18.4、14.5、17.6、14.0とほぼ変わらず。
やっぱ2回目接種時が副反応ね。
抗体価測定でインフルワクチンへの反応性に対し影響なし。
なんでサプリにしたし。めんど…
少し不思議だったのはインフルワクチンと同時接種した群は、コロナS蛋白への抗体価が30%減?
ま、コロナでインフル流行ってないけど(全ちゃぶ台返しw)
ワクチン効果はほぼ90%。
なお、英国で行われた先日の治験なので多くはB117への効果を見ていると思っていい。
このプレプリントから分かることは、NVAXワクチンの副反応はインフルワクチン+αぐらいじゃね?ということと、でもワクチン効果の維持に少し不安の残る抗体価だったので同時接種はインフル流行ってなければやらんな…という個人的な感想。
副反応を図で見るとこんな感じ。
あと、変異株への臨床試験やってるのもNVAXだけなら、インフルワクチンとの同時投与もやってるのもNVAXだけ。
臨床試験好きね。いい姿勢だけど。
(でもインフル流行ってないよ…ボソボソ)
あ、ちなみに先日の素晴らしいNVAXのP3結果を受けて、インドの製薬企業が製造準備に入りました。ロイターだったかな。リンク失念
NVAXのさっきのサブ解析はLancet掲載待ちのPrepri。
いや、コロナで一番変わったのってPreprintが広く拡散されまた使用されることかもしれん。
次の論文紹介は苦手分野なので実験手技の質問には答えれないです。他の人に任せるスタイル。
ファクターXに迫る。
biorxiv.org/content/10.110…
ファクターXに迫るとか言ったけど、欧米人がコロナにかかりやすいのは当初から知られてて、リスク遺伝子座を見つけたよ。こっから関連しそうな遺伝子調べていくよ。というところ。
CCR1,CCR5(炎症サイトカインのレセプター)の誘導調節してそうな辺りのハプロタイプとコロナの重症化リスクが高く相関していたとのこと。
まだこれらのハプロタイプの生物学的意義は分かっていないが、まぁ研究待ちです。
今回、ヨーロッパ人のコロナ重症化と関連性の高いハプロタイプが複数見つかったわけだけど、その内の1つのハプロタイプ(親から受け継ぐ遺伝的性質くらいに思って下さ)は、それを持っている人の入院リスクを88%上げるというからまぁ統計上凄い。
SARS-CoV-2はSARS-CoVよりも細胞間伝達を感染経路にしている。
そしてB117はより細胞間伝達系、B1351はより侵入感染系だろう。
よく考えたらこういうVitro系の手を動かして積み上げる系論文久しぶりに読んだ。癒やし
biorxiv.org/content/10.110…
用語の定義から。
面倒なんで、この図の細胞のcell-free外から感染してるのを「外から感染」。
cell-to-cell、お隣に渡してるのを「手渡し感染」と呼ぶわ。
これのどっちがメインなのか調べたい。
え?両方起こるから無理じゃね?
ってことで下の図の上2つの様に、「一緒のプレートで育てる(外と隣)」「一緒の培養液だけどソーシャルディスタンスする(外のみ)」の2つを作って、引き算するよ。
一番下はベースラインくらいに思って無視しておけ
じゃあ新コロはどっち?
どっちも何も何を基準にするか、ということで、SARS-CoV(昔の新コロ)を基準にする。
お隣感染は?
Sars-CoVの方が強いが、3日後には同一位に。
外から感染は?
Sars-CoVの圧勝。
旧世代つええ!で、終わりじゃなくて、強いのはあくまでこの実験系での話だし、他の要素も影響
するので、割合を見る。
どうも、新コロは昔の新コロよりお隣感染系である。
んで、今度は細胞にゲル的なやつ(1%メチルセルロース)で蓋して、お隣感染しか出来なくして観察する。
お隣感染した結果できた巨細胞(細胞膜がウイルスのせいで融合したもの)の数は変わらない。
でもSARS-CoV-2の方が明らかに光ってて、巨細胞がでかい。
つまり、膜融合能の増加。
膜融合能が増加してるのは、まぁS2蛋白ある時点で想定通りの結果ではある。
ああ、前提を説明してなかった。
2号には1号に無かったSpike蛋白2があり、膜融合に働く。そして「お隣感染」は「外から感染」と違い細胞外にウイルス晒される機会がないので中和抗体は効きにくいだろう。
実際、低中和抗体
価感染者や低1型IFN感染者は報告があった。なので、「お隣感染が強いのでは?」から筆者らの検討が始まる。
今度はACE2が必要か、寄与率を見る。
ACE2発現量を上げていくと外から系の1号も隣組系2号も感染効率上がっていく(最高用量ACE2で2号だけ急に隣組系感染効率が落ちたのは巨細胞が巨大になり過ぎて死んだから)
つまりACE2の存在は外系感染、隣系感染どっちも手伝う。
そしてACE2を低発現のH520、
ACE2発現ないPBMCでも隣系感染は成立。
つまり、ACE2は外系感染に必要だが、隣系感染に必須ではない。あった方がもちろん有利だけど。
エンドソーム阻害剤で落ちる。まあ当たり前よね。というところ
膜融合能はSARS-CoV-2スパイク蛋白で強く、膜融合阻害剤で落ちる。
そしてやはりワクチン血漿(中和抗体)が、外から系感染を抑制するがお隣感染は抑制しない。
変異株の検討。筆者らの実験系ではウイルス増加スピードは、強い順にB1351,B117,B15,WT。
お隣系感染が40%程度なのは変わらず。
その中で、隣系感染はワクチン接種者血漿の影響を受けないが、外から系感染はやはりワクチンの効果がある。【ただしB1351を除く】
左図。これはシンプルに南アつえええ!って話。
(なお、使われたワクチン血漿はPfizer/Modernaだけど低濃度?低力価のもの)
右それぞれの感染形態に対する抵抗性を比較
B117はお隣系感染。B1351は外から系感染(あれだけ中和抗体避ければそうだろう)
という訳で、
B117の免疫回避効果はおそらくお隣系感染能力の増強によるもの。
B1351の免疫回避効果はまぁシンプルに中和抗体回避だね。と
紹介終わり。
さて、δ株のT417K(だっけ?)がどういう効果かまだ分からないけど、インド系共通のP681Rは膜融合能増強だろうと考えられている。
ということは、P681Rを持つとB117以上にお隣系感染(中和抗体関係ない経路)になったということで、生体内での広がりに対しワクチン効果が落ちるだろう。
体の局所でも侵入を許せば中和抗体あっても感染は広がる。みたいなイメージか。
一方B1351はシンプルに中和抗体回避なので、これはこれで怖い。
両方合わさるとやっかいだろうね。
「手渡し感染」と呼ぶわ。
とか言いながらずっと「お隣感染」で説明してしまいました…
すいませんです。
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