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Jun 16, 2021 32 tweets 6 min read Read on X
Novavax…

P3レポートが早くもPreprintに!と思ったらn=4000のサブ解析かよ…そっちじゃねぇよ…紹介するよするけどさぁ…

と第一印象。
早くもお酒飲んだのでテキトーに行きます。
doi.org/10.1101/2021.0…
早くも間違えたN=400ね。
インフルワクチンと同時接種で安全性見たよと。
副反応・副作用から。

NVAX+インフル、NVAXのみ、placebo+インフル、Placeboのみの順で、
投与部位副反応は70.1%、57.6%、39.4%、17.9%。多くが投与部位の痛み。
全身性副反応は60.1%、45.7%、47.2%、36.3%。
意外にもPlacebo+インフルワクチンの方がNVAXのみよりちょい副反応多い結果。 ImageImage
主なものは倦怠感、筋肉痛。

1回目接種時でみると、今度は両ワクチン、Placebo+インフル、NVAXのみ、Placeboのみの順で
18.4、14.5、17.6、14.0とほぼ変わらず。
やっぱ2回目接種時が副反応ね。

抗体価測定でインフルワクチンへの反応性に対し影響なし。 Image
なんでサプリにしたし。めんど…

少し不思議だったのはインフルワクチンと同時接種した群は、コロナS蛋白への抗体価が30%減?

ま、コロナでインフル流行ってないけど(全ちゃぶ台返しw) ImageImage
ワクチン効果はほぼ90%。
なお、英国で行われた先日の治験なので多くはB117への効果を見ていると思っていい。 Image
このプレプリントから分かることは、NVAXワクチンの副反応はインフルワクチン+αぐらいじゃね?ということと、でもワクチン効果の維持に少し不安の残る抗体価だったので同時接種はインフル流行ってなければやらんな…という個人的な感想。

副反応を図で見るとこんな感じ。 Image
あと、変異株への臨床試験やってるのもNVAXだけなら、インフルワクチンとの同時投与もやってるのもNVAXだけ。
臨床試験好きね。いい姿勢だけど。

(でもインフル流行ってないよ…ボソボソ)
あ、ちなみに先日の素晴らしいNVAXのP3結果を受けて、インドの製薬企業が製造準備に入りました。ロイターだったかな。リンク失念
NVAXのさっきのサブ解析はLancet掲載待ちのPrepri。
いや、コロナで一番変わったのってPreprintが広く拡散されまた使用されることかもしれん。

次の論文紹介は苦手分野なので実験手技の質問には答えれないです。他の人に任せるスタイル。
ファクターXに迫る。
biorxiv.org/content/10.110…
ファクターXに迫るとか言ったけど、欧米人がコロナにかかりやすいのは当初から知られてて、リスク遺伝子座を見つけたよ。こっから関連しそうな遺伝子調べていくよ。というところ。
CCR1,CCR5(炎症サイトカインのレセプター)の誘導調節してそうな辺りのハプロタイプとコロナの重症化リスクが高く相関していたとのこと。

まだこれらのハプロタイプの生物学的意義は分かっていないが、まぁ研究待ちです。 Image
今回、ヨーロッパ人のコロナ重症化と関連性の高いハプロタイプが複数見つかったわけだけど、その内の1つのハプロタイプ(親から受け継ぐ遺伝的性質くらいに思って下さ)は、それを持っている人の入院リスクを88%上げるというからまぁ統計上凄い。
SARS-CoV-2はSARS-CoVよりも細胞間伝達を感染経路にしている。
そしてB117はより細胞間伝達系、B1351はより侵入感染系だろう。

よく考えたらこういうVitro系の手を動かして積み上げる系論文久しぶりに読んだ。癒やし

biorxiv.org/content/10.110…
用語の定義から。
面倒なんで、この図の細胞のcell-free外から感染してるのを「外から感染」。
cell-to-cell、お隣に渡してるのを「手渡し感染」と呼ぶわ。 Image
これのどっちがメインなのか調べたい。
え?両方起こるから無理じゃね?

ってことで下の図の上2つの様に、「一緒のプレートで育てる(外と隣)」「一緒の培養液だけどソーシャルディスタンスする(外のみ)」の2つを作って、引き算するよ。
一番下はベースラインくらいに思って無視しておけ Image
じゃあ新コロはどっち?
どっちも何も何を基準にするか、ということで、SARS-CoV(昔の新コロ)を基準にする。

お隣感染は?
Sars-CoVの方が強いが、3日後には同一位に。
外から感染は?
Sars-CoVの圧勝。

旧世代つええ!で、終わりじゃなくて、強いのはあくまでこの実験系での話だし、他の要素も影響 ImageImage
するので、割合を見る。
どうも、新コロは昔の新コロよりお隣感染系である。 Image
んで、今度は細胞にゲル的なやつ(1%メチルセルロース)で蓋して、お隣感染しか出来なくして観察する。

お隣感染した結果できた巨細胞(細胞膜がウイルスのせいで融合したもの)の数は変わらない。
でもSARS-CoV-2の方が明らかに光ってて、巨細胞がでかい。
つまり、膜融合能の増加。 Image
膜融合能が増加してるのは、まぁS2蛋白ある時点で想定通りの結果ではある。

ああ、前提を説明してなかった。
2号には1号に無かったSpike蛋白2があり、膜融合に働く。そして「お隣感染」は「外から感染」と違い細胞外にウイルス晒される機会がないので中和抗体は効きにくいだろう。
実際、低中和抗体
価感染者や低1型IFN感染者は報告があった。なので、「お隣感染が強いのでは?」から筆者らの検討が始まる。
今度はACE2が必要か、寄与率を見る。
ACE2発現量を上げていくと外から系の1号も隣組系2号も感染効率上がっていく(最高用量ACE2で2号だけ急に隣組系感染効率が落ちたのは巨細胞が巨大になり過ぎて死んだから)
つまりACE2の存在は外系感染、隣系感染どっちも手伝う。

そしてACE2を低発現のH520、 Image
ACE2発現ないPBMCでも隣系感染は成立。

つまり、ACE2は外系感染に必要だが、隣系感染に必須ではない。あった方がもちろん有利だけど。 Image
エンドソーム阻害剤で落ちる。まあ当たり前よね。というところ Image
膜融合能はSARS-CoV-2スパイク蛋白で強く、膜融合阻害剤で落ちる。 Image
そしてやはりワクチン血漿(中和抗体)が、外から系感染を抑制するがお隣感染は抑制しない。 Image
変異株の検討。筆者らの実験系ではウイルス増加スピードは、強い順にB1351,B117,B15,WT。
お隣系感染が40%程度なのは変わらず。 Image
その中で、隣系感染はワクチン接種者血漿の影響を受けないが、外から系感染はやはりワクチンの効果がある。【ただしB1351を除く】
左図。これはシンプルに南アつえええ!って話。
(なお、使われたワクチン血漿はPfizer/Modernaだけど低濃度?低力価のもの)

右それぞれの感染形態に対する抵抗性を比較 ImageImage
B117はお隣系感染。B1351は外から系感染(あれだけ中和抗体避ければそうだろう)

という訳で、
B117の免疫回避効果はおそらくお隣系感染能力の増強によるもの。
B1351の免疫回避効果はまぁシンプルに中和抗体回避だね。と Image
紹介終わり。

さて、δ株のT417K(だっけ?)がどういう効果かまだ分からないけど、インド系共通のP681Rは膜融合能増強だろうと考えられている。

ということは、P681Rを持つとB117以上にお隣系感染(中和抗体関係ない経路)になったということで、生体内での広がりに対しワクチン効果が落ちるだろう。
体の局所でも侵入を許せば中和抗体あっても感染は広がる。みたいなイメージか。

一方B1351はシンプルに中和抗体回避なので、これはこれで怖い。

両方合わさるとやっかいだろうね。
「手渡し感染」と呼ぶわ。

とか言いながらずっと「お隣感染」で説明してしまいました…
すいませんです。

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Jul 17
免疫性肺炎?←は?って話

正直、関わりたくなくて。
はいはい炎症自体免疫反応ですが?と最上段に構えて無視するつもりだったんですけど。
ふと休憩時間にこれ見かけて、おいおいおい、待て待てと。

news.ntv.co.jp/category/life/…
大手メディアもまるでそれが普通に医学用語として存在するかのように語りだした『免疫性肺炎』
うーん。きっかけはとある呼吸器内科医のyahooニュース記事?っぽく、そこでも既に医学的にふつーに存在する概念かのように語られている。

どうも免疫反応の過熱が主体の肺炎と言いたいらしい図 Image
さて、この人が根拠にしたらしい参考資料3とやらの元図を見ると?


ふつーに新型コロナ肺炎の重症化タイムラインを解説しているだけである。
それを軽症例と訳すのもミスリーディングでは。
発症後5日まで(中央値)の「中〜軽度症状」をウイルス性肺炎と訳している。んー? bmj.com/content/371/bm…
Image
Read 14 tweets
Mar 28
製薬企業のこと

変な時間に目が冷めてしまったので、少し製薬企業について思うことを書きます。
厚労省・PMDAは、製薬の上流工程を規制しないと決めています。表向きの言い訳は、創薬を法規制すると自由な競争力が失われるからです。
なので、創薬研究の信頼性は各社に委ねられていて結構自由です。
僕の様に早々に(或いは遅かれ早かれ)創薬研究に見切りをつけ、その後のビジネス工程(治験薬製造委託だとか、治験だとか、或いは営業販売・学術資料作成とか)を色々見て各部門調整しだす様になると、ある部門だけコストの観点や独特の文化で目立ちます。それは生産部隊、GMPの異常な厳しさです。
国によっては『製造機器まで全部電子システムに繋げてログを取れ』と言ってるくらい、全行動監視します。
(なお、各機械メーカーが内部のBlackBoxに溜めてる情報と暗号を公開する訳がないのでクソコストかけて解読・収集する訳です。少なくともその国の工場では)
Read 16 tweets
Feb 6
チラ裏
なんか忙しくてTwitter携帯開いてもないや。と思ってたけど18日ぶりくらいなのでただのツイ廃でした。
身近なところでとある研究所の職員の累積感染率は50.12%になりました。コロナ禍始まってから年明けまでに。職業上、営業職の人たちほどリスクない&隠れ感染者(会社に別に報告しない人)も
考えると実世界ではもう少し割合高いでしょう。みんな結局生ワクチンも打ったね(違う

弱者に厳しい社会
皆が感染し、そのたびに別にPCR陰性でも体外に出てないだけで、体内に9ヶ月くらい残ってて、更に1ヶ月で体内で優位性変異を獲得したりするから、とても嫌な感じ。その個人体内での強毒化再燃
リスクっていかほど?が見えなくて、コロナ初期に獲得したら最悪なものとして上げた2つ『ズーノーシス化』と『猫コロナウイルスみたいになる』の後半も懸念度合い上がる感じが気持ち悪い。

ボヤき
ジェネリックが悪いのか?
コロナ禍にMRと呼ばれる人達が不要になりました。病院から来んな!と言われ
Read 22 tweets
Oct 29, 2023
もうこれ以上見てられないとスマホを閉じる自分の安全地帯ぶりの偽善者面に吐き気がしつつ、でも無理なものは無理だなと。酷過ぎる。これが遮断された通信を掻い潜れた情報たちだと思うと見えないところでどれだけ酷いか。元イスラエル兵が僕たちは虐殺をしてきたよ。力が与えられれば人はそうなる。と
自己正当化と諦めと後悔を語るスペインのTV番組の映像があったが。
とりあえず今日色々見ていて分かったことは「正義の戦争なんかない」という当たり前のことだ。
元イスラエル兵が『だいたい逆だ』と言った通り、イラク戦争で大量破壊兵器を使ったのはイラクではなく米軍だったし、今回の戦争も
「許されない残虐テロ行為」をよっぽど多くやるのはイスラエル兵達だろう。ハマスもびっくりだ。
そしてそれは復讐でもなんでもなく、何かを考えてした訳でもなく、「ただそうなった」のだ。その恐ろしさが現実らしい。

「でもハマスが」「歴史が」と語る馬鹿たちの何がバカなのかというとガキなんだ
Read 19 tweets
Oct 29, 2023
イスラエル軍がアラビア語の主語も拙い脚本で「全病院の地下にハマスがいる」プロパガンダビデオを今日公開したということは、テロ組織イスラエル軍は、「これからまず病院を襲い医者を殺す」ということだ。

病院から襲う。

つまり、本当の目的はハマスではなく明らかに市民虐殺、民族浄化にある。
それ以外にこのタイミングであのプロパガンダビデオを流す必要はない。ガザからジャーナリストを締め出し通信を遮断する理由も。

イラク戦争のとき、米国は「イラクに大量破壊兵器がある」と正当化した。
戦争前も戦争中も戦争後も、国連もジャーナリストも血眼で「大量破壊兵器」を探したが
見つからなかった。

イラク戦争で僕らが分かったことは1つだ。
「大量破壊兵器は無かったし、大量破壊兵器をイラク『は』、使わなかった。もちろん米軍は使ったが」

これから人を殺して回るテロ組織イスラエル軍は病院の地下に興味なんかないだろう。そこにハマスがいないことは彼ら自身がよく
Read 130 tweets
Oct 14, 2023
モルヌピラビルさん、米国政府のコロナ対策による支給品ではなくなる。
コマーシャルマーケットに以降するとはそういうこと。

reuters.com/business/healt…
モルヌピラビルは臨床試験について色々言われた。また内部告発の問題もあった。特に50%有効性と出た中間解析速報が後で数値が下がったのは大きかった。
米国、日本は使い続けたが、今年2月P3で「感染者の同居家族が飲んでいた場合の予防効果」を示せなかったことも大きいだろう。
最近では、前から指摘されていたモルヌピラビルによる変異誘発リスクについて、より真剣に語られる様になった。
まだモルヌピラビル誘発変異株がヤバい株となって流行したことはなく、仮に生まれてもほぼ孤発例で終わっているが、リスクがあるという事実は変わらない。
nature.com/articles/s4158…
Read 31 tweets

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