北扇千景 Profile picture
なあに? 何よ ウン まあいいわ

Sep 19, 2021, 7 tweets

『原発幻魔大戦』シリーズ、以前もツイートしましたが、十年弱経って読むとある種の時代精神みたいなものがコンパクトに感じられて本当にいいんですよね。どの巻からも読めますが最終巻の「日本発狂編」(amzn.to/3nN9EZe)が一番動きがあるので好きです。

福島第一原発事故で非常に危機感を抱いた人間がTPP、日米同盟強化、そういったものすべてを対米従属・新自由主義への批判として統合し陰謀論的世界観を構築していく。ネットに確かにあった風景なんですよね。

もともと切実な危機感で動かねば、となった人間が、いつしか動かない他人に対して憤り、情報の選別がめちゃくちゃなのに「学習」したことで上から目線になっていくというの、ある意味爽快でもあり複雑な気持ちにもなるんですよね。

もともと「普通の人」という意識でこちらに参加しているので、デモの光景が普通でないことにも気づいているし、レプティリアン陰謀論や地震兵器説は否定するあたりのバランスが残っているところもなんともいえぬ気分にさせます。

それにしても本作が印象的なの、ひたすら日常の中で携帯電話で(たまにPCで)ニュースなりお好みの論客の意見を見て一喜一憂し続けてるんですよね。「スマホを持つ民主主義」というものを想起させるところもいろいろ印象的です。

漫画としてはおもしろいかといえばアレですが、一つの貴重な記録だと思います。あと適当な言葉が思い付かないのですがこのページの感じが好きです。

出てくるキャラクターは確かにある意味愚かなんですが、この本の帯びてる熱量とか閉塞感、いろいろ思い出すものがあります。

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