こちらで紹介されている記事、よくあるパターンだが、こういう筋で「女性の能力が高い」という話にするのはジェンダーギャップ解消を目的とするならば有害なやり方と危惧する。
この記事は女性の方が有能であるという事実を提示出来ていないし、彼女たちの有能さは性差によるものではないと考える。
この記事は女性の方が有能であるという事実を提示出来ていないし、彼女たちの有能さは性差によるものではないと考える。
…この結果は興味深いが慎重に読み解くべきだ。この内容は私の経験と一致するが、「女性だから有能」なのではなく、皮肉な事だが、男性優位の組織構造が、女性に「より有能にならざるを得ない」状況を押し付け淘汰した結果であり、リサーチもそれを示唆していると考える。
…これ、裏返しの問題もある。私の観測範囲では、有能な人材の比率に男女で大きな差は無い。なのに、現実として女性の活躍の場は狭い。社会で活躍したい女性の視点から見れば、「有能な女性がスポイルされている」状態に見えるのだが、「有能でない男の生き場所問題」が隠されている事にも注目すべきだ
…有能ではない男性というのは膨大な数存在する。それは普通に考えて当たり前の事なのだが、女性が下に見られる社会において、男性は決して女性より下であってはならないというプレッシャーに晒される事になる。これは本来、男性にとっての不幸なのだが、男性はこれに苦しむ事すら禁じられて育つのだ。
…現在の大半の先進国が抱えているジャンダーギャップ、男性優位社会と言われるものは、実は男性にとっても非常に過酷で、それは失職男性への世間の冷たさによく表れている。ジェンダーギャップを解消していくには、この問題にも真剣に取り組んでいくべきだ。それぞれの辛さが互いを辛くしている。
…男女の別なく、有能な人材は認められ活躍出来る事が望ましい。そして、同時に、特に有能でなくても自身のアイデンティティに危機を感じる事なく生きられる社会が良い。急き立てられた向上心は他者の足を引っ張る方向に向かいやすい。誰からの押しつけも無い中での向上心こそが必要なものだ。
