ざっくりとした感想ですが…。実際に患者というものになってみて、日本のCOVID-19対策の輪郭が見えてきたような気がします。
医療としては入院加療が基本になっています。危険な感染症ですから、患者を守るためにも、感染を広めないためにも専門の病院に収容して治療します。
入院に至るルートはおそらく二つが想定されています。

1.重篤な症状を呈し、救急搬送された患者→専門病院に
2.無症状、または軽症の感染疑い例の患者→行政検査ののち、陽性ならば病院に
このルート上以外には患者がいない、というのがどうやら制度設計の大前提です。なので、検査や治療に当たる専門医以外はCOVID-19の治療には関わりません。
さて、病気の認知から1年がたち、今起こっているのは上記の前提の大規模な崩壊です。想定をはるかに上回る患者が生じたため、特に2のルートがあふれあらゆるところに患者が停滞しています。感染疑い例の認定待ち、行政検査の順番待ち、行政検査の結果待ち、入院の順番待ち…すごい行列になっています。
で、こういう患者はどうなっているかというと、他にどうしようもないので、自宅待機しているわけです。
そして、この自宅待機組にはなんの医療的支援もありません。一般の医師は既定方針通り「私たちには何もできない」というだけです。専門病院はフル稼働していて、もちろん、入院していない患者の支援はできません。
結果として、結果として何が起こっているかというと、「未知の部分が多い致死性の感染症に、患者本人が、自宅で、何の体系的知識も薬も医療機器もないまま立ち向かう」という事態です。
行政的には、もちろん、名前は何とでも付くでしょう。待機していただきます、順番が来たら入院していただきます、熱が下がればもう心配はありません。何でも言えます。

でも、そんなのは言い訳にすぎません。「ちゃんとやってますよ!」と逆切れしているだけです。
当事者の目から見えるのは「できることはありません。運がよければ直ります」と宣言しておられる医療体制の姿です。率直に言って、これなら、まだ、祈祷師さんが家に来て力の限り祈ってくださる平安時代の医療の方がマシです。

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11 Apr
ちょっとすぎるかもしれないけど、ネタです。

たとえばですね、骨折のことを考えます。うちで脚立から落ちて、どうも足が痛いわけです。医者に行きます。
お医者さん:「うーん、骨折かもしれないなあ。検査しないといけないから、保健所に相談してよ」
保健所:「あ、骨折ですねー。で、診断書ないですよね。痛そうで大変だと思うんですが、確実に骨折だとわからないとレントゲンは取れないんですよ」
仕方がない、接骨院に行きます。
接骨院の先生:「うーん、やっぱり折れてますね。診断書書きますよ。保健所でレントゲン取ってください」

再び保健所:「いやー、外科医の診断がないとねー」

仕方がない、骨折外来のあるクリニックに行きましょう。
Read 6 tweets
10 Apr
この点、自分の経験から言えることがあると思うので、すこし。

ここまでの経験では、症状は軽めの風邪です。自分がいつもひく風邪と同じで、まず喉の痛みがあり、次第に鼻つまりに移りました。熱はありません。

つまり、症状からでは判明しようがないのです。
今でも僕の中には「検査はなにかの間違いで、ただの風邪なのではないか」という思いがあります。

厄介なのは、「ただの風邪だったら大げさに騒いで恥ずかしい」という思いがあることです。実は一度かかりつけの医院で風邪薬を処方されていますが、その時点で「これは風邪だ」という結論に半分なりまし
た。

にも関わらず、しつこく民間検査を受けに行ったのは、時分が接触した環境で陽性者が出たという情報をたまたま得たからですが、それがなかったら今も「軽い風邪だけど、しつこいなあ」と思っているとおもいます。
Read 8 tweets
9 Apr
ここまでの経緯を簡単に書きます。

4月1日 おそらく感染
4月2日 筋肉痛を感じる。特に肩こり。
4月3日 引き続き筋肉痛。特に腰痛
4月4日 倦怠感を感じる。風邪っぽいと思い始める。熱はない。喉の痛みを感じる。空咳が出る。
4月5日 風邪っぽい。熱はない。喋ると結構喉が痛い。
4月6日 医院を受診。喉を中心に薬を処方される。のどの痛みはましに。
4月7日 症状がやや改善
4月8日 鼻汁を感じる。民間検査を受検。倦怠感やや強く、外出してけっこう疲れる。帰宅後、やや深く呼吸していることが多いのに気付く
4月9日 朝、コーヒーの匂いがしなくなっている。
4月9日(続き) 嗅覚異常がコロナのせいかどうかは不明。保健所に連絡がつく。
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