Thread by @shodamiwa

「どういう人と、合わないのか？」
…を、聞き込むと。特定の相手を指しているかのように、事細かく話してくれる人もいれば。「〇〇な人間はダメだ」のひとことでスパッと言い切る人もいます。印象に残っているのは、何人かが教えてくれた、「話が通じない人は無理」という一文です。
今日はそんな話。

「どんな人がダメですか？」ゲームで、こんな風に聞くことがあります。新しく一緒に遊んでくれる仲間（ギルドメンバー）を、探すときですね。

すると、レベルが離れすぎてるのは困る、このジョブは今は間に合ってる等に混じって、「話が通じない人は、無理だな」と返ってくることがあります。

「話が通じないのは、無理」というのは、リアルの食事会や、映画鑑賞を計画してるときにも、耳にしませんか？

例えば、仲良しの友人たちと遊びに行こうと決まって、「せっかくだから、新しい人も誘ってみない？」となったときにも。

では、「話が通じない」とは、どういう状態でしょうか？

・話していないことを、話したとされる
・伝えた意見と反対のことを、言ったとされる
・人の言葉を、極端に悪い／良い方に受け取る

ざっくり聞き取ったのは、こんな感じです。曲解ですよね。曲解をベースにして、話を進めてしまうので困ってしまう…ということのようです。

以下、どれくらい困るのか？の例です。

曲解例１）

話者
「ゲームは、顔や名前を知らない
　遠くの人たちとも仲良くなれる」

話が通じない人
「顔や名前を知るリアルな人とは、
　友だちになれないらしい」

「リアルの付き合いがある自分とは、
　友だちになりたくないと言われた」

職場で曲解があると、
さらに深刻度が上がります。

曲解例２）

話者
「今度シナリオのベテランが入る。
　君もいろいろ学べるだろう」

話が通じない人
「自分の成長のため、
　ベテランを呼び寄せてくれた」

「自分はかなり期待されてる。
　メインライターに抜擢されたにも等しい」

ゲームのことより、伝える情報（レベルとかジョブとか魔法とか装備とか）が少なくてすむので、リアルのケースをひっぱってきました（加工してます）。

曲解例1は、ネガティブすぎる曲解。
曲解例2は、ポジティブすぎる曲解の例です。

何故こうなってしまうのか？、少し触れてみますね。

先の曲解例のように、人の話を「自分サゲ／自分アゲ」に変換してしまうのは…「聞き手の心の状態」が関与しています。話を聞く前から、自己否定の「くよくよ期」や、万能感に酔う「オレサマ強えええ期」にはまってる可能性です。

そこは、周りがどうにかできるものでもないので、いったん置きますね。

ゲーム／リアルにせよ、ポジティブ／ネガティブにせよ。話した内容が、これくらいズレてしまうことがあるわけです。「人の話を曲解してしまう」だけでなく、「その曲解を元に、自分の中で話を進めてしまう」のです。それで、情報が「何段階か」ねじれてしまうのですね。

ここから、すこし角度を変えまして…
「何故、話が通じないのか？」に、さらに踏み込んでいきます。

そもそもですが、人の話を聞き取るのは、誰にとってもそれなりに難しいことなのです。何故かというと、誰かに話を聞くと、複数の要素がほぼ同時に発生してしまうためです。
詳しく見ていきます。

人の話を聞くと、以下の要素が現れます。

要素1）話者が話したこと（録音可能）
要素2）話者の本当の要望（確認が必要）
要素3）話を聞き、聞き手が感じたこと（感想）
要素4）要望を知り、聞き手が感じたこと（感想）

ざっくりと、この4つの要素が人の話を聞くだけで、現れてきます。

要素1は、録音することで、正確に記録できます。
ですが、仕事でもない限り、人との会話を録音しないものでしょう。要素1以外は、なおさら記録しないでしょうし、そもそも、その必要があるとは考えない人が多いです。

つまり、要素2、3、4については、書こうと思って書き出したりしないと、それぞれの胸の中で終わってしまうものなのです。さらに書き出したものを、話者と、聞き手とで確認しないと、それがあってるかどうかは不明だということです。

さらに、難しいことに。
要素1「話者の話してること」と、要素2「話者の本当の要望」とは、一致していない場合もあります。

話すのが苦手な人もいれば、そもそもが言葉だけでは伝えるのが難しい事柄もあるためです。また、言葉の意味が、話者と聞き手で、微妙に違う場合もありますね。

もう少し噛み砕きますね。
要素3と4「相手の話／要望を聞いて、聞き手がどう感じたか？」は、それだけなら感想です。その感想に意味があるかどうか？…これは実は、「聞き手と話者」で決まることではありません。そうではなく、「聞き手と、さらに周りの人々」との関係性で決まります。

ややこしいので、整理します。
「話者が話をした」「聞き手が感じた感想は、別にある」ここまで、わかると思います。
問題は、ここから…

「聞き手は、感想を別な人に話すことがある」「その感想の信憑性については、話者と聞き手の関係でなく、聞き手とその周囲の人々との関係で決まる」です。

ざっくり言うと、「その聞き手の発言が、どれくらい信じられてるか？」です。ここがややこしいのです。

もし、周りの人が、その聞き手をよく知るなら、「あの子、また変なこと言ってたよー」「勘違いしやすい子なのよ」で、すむかもしれないわけですね。

次、信じられてる部分を、紐解いていきます。

周りからの信頼度

信頼Lv1）人の話を聞くくらいできるはず
信頼Lv2）人と会話くらいできるはず
信頼Lv3）会話して隠れたニーズを探れるはず
信頼Lv4）ニーズに対し良い反応ができるはず

だいたいこんな感じです。

先の、勘違いしやすい子は、レベル1 とか2のところに難があると、周りの人たちが知ってあげてる感じです。

「自分の気持ちで、突っ走っちゃう子なのよね」「でも、そこさえ気をつければ、いろんな話してくれるから、楽しいんだよ」みたいに、対処法も知っていたりします。

一方、信頼度レベルの高い例としては、職場でのケースが考えやすいです。例えば、人柄や思考が好ましいと、一目置かれている人はいませんか？「その人の影響が、周囲の人々に行き渡るようにしたい」と、上司や同僚から頼られるような人です。周りからの信頼レベルが高く、期待も高い例ですね。

話を戻しまして…
「話が通じない人」について、考えていきます。話が通じない人は、レベル1「人の話を聞くくらいはできるはず」が難しく、曲解しがちです。また、高レベルが期待されるような、「相手に影響を与える言動」が、得意だったりします。曲解内容を、広めてしまうわけですね。

話をこじらせないためには話者の立場になったとき、相手の信頼レベルを意識することです。

人の話を曲解せず理解するのは、誰にとっても、そこそこ難しい「特殊スキル」です。話者の隠れた気持ちを聞き出したり、そこで良い返しをできる人は貴重です。知り合いにいたら、だいじにしてください。

いずれにせよ、「人の話を聞くくらい誰にでもできる」なんて思い込みはよくないです。繰り返しますが、そこは「特殊スキル」です。

耳に痛いことを言えば、「人の話くらい聞ける」「理解できて当然だ」みたいな思い込みを持ってる＝話が通じない状態へ理解がない＝自分もしでかしかねない、です。

話が通じない人が情報共有していくには、周りの人々の協力が必要です。それさえできれば、話をするのは得意だったりするので、良い仲間や友人になることもあります。

そして、話を聞く前の心の状態によっては、誰でも、「人の話を曲解する」ことがあります。注意してカバーしあっていきましょう。

以上、「話が通じない人だからといって、わたしがバッサリ、ギルメンや仕事仲間を切れない理由」でした。