Thread by @YOSH_ueda

反ワクチン論文を巡って研究者界隈でひと騒動起こっていて、面白いので記録用にまとめておく。

MDPIという学術論文出版社がある。正直に言って研究者間の評判が良い会社ではなく、MDPIとググると、予測ワードに「ハゲタカ」と出る。これは粗悪な論文でも掲載料欲しさに掲載する出版社を指す言葉だ。

そんなMDPIが出している雑誌の１つに、Vaccines誌がある。名前の通り、ワクチンや免疫に関連した内容を扱う雑誌。そこに件の論文が掲載された。doi.org/10.3390/vaccin…

論旨は「ワクチンで減らせる死者数と同じくらい、ワクチンによる死者数が出ると試算される！接種を考え直すべき」というもの。

この論文、過激な主張もさることながら

・試算の方法に様々な問題点がある。
・ワクチンによる死者数の計算に、誰でも登録できる有害事象報告システムの数を用いている

など学術的な問題点が多く、研究者達からクソ論文という批判が続出。
さらにその批判は出版社や査読のシステムにまで及ぶ。

おまけに、この論文が掲載されたことに反発し、Vaccines誌の編集委員であるオックスフォード大学のEwer博士と、マウントサイナイ医科大学のKrammer教授が辞意を表明！論文を取り下げるべきとの声が高まる。

6月28日、編集部から論文に対して「重大な疑義あり。調査する」という声明が出る←（今ここ）

本件で改めてMDPIは評判を下げたし、ハゲタカジャーナル的実態が浮き彫りになった（お金を払えば掲載されると揶揄する声もある）。

あまり馴染みのない人も論文に触れる機会が出てきた今、こういう雑誌の「査読付き」のまやかしはもっと周知されるべきだなーと思う。