Thread by @Beyond_Climate

米保守系ケーブルテレビ局FOXニュースを使って散々気候変動否定論を垂れ流してきた豪のメディア王ルパート・マードックの息がかかったウォールストリート・ジャーナル紙が通常運転。読む価値なし。⇒ 【社説】気候変動はそれほど壊滅的か｜WSJ
jp.wsj.com/articles/a-cli…

WSJ紙の社説は、IPCCの最新の報告書を政治的文書としていますが、これはうそで、科学者が最新の科学文献を元につくったもっとも科学的な報告書です。唯一政治的文書であると主張できるとすれば、それは「政策決定者向け要約」でしょうか。なぜなら、各国政府が一言一句すべてに同意しているから。→

→ どういうことかというと、「政策決定者向け要約」を元にして、国際的な気候変動対策は話し合われます。その共通した科学的根拠として、すべての政府が認めた評価報告書が必要になるんです。会議に各国の代表者が集まってから気候変動の科学について議論が始まるようではなにも進みませんから。 →

→ なので「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたこと には疑う余地がない」という表現に至ったことには、大きな意味があります。抵抗を続けてきた石油産出国などを含むすべての国の政府が「疑う余地がない」という文言を受け入れたのですから。これらの経緯はすべて公開されています。→

→ 「政策決定者向け要約」が保守的な内容になるのは、そういった経緯があるからです。なので、科学者にとっては新たな発見はなかったりします。ただし、すべての国の政府が同意しているのは、あくまでも「政策決定者向け要約」だけで、それ以外の文書の内容はその影響下にありません。→

→ そういったことには触れず、ただ報告書の内容に疑いをかけるような、これまでと同じ方法で一般人をミスリードする社説を展開するWSJ紙の記事は読む価値がありません。記事中に出てくるスティーブン・クーニンは、私欲のために反気候科学の本を出版している人物で、本の内容は否定されています。→

→ 気候変動否定論がどのように続けられてきたかを知っている人にとっては、WSJ紙のこのような社説や、他の主要紙のオピニオン記事に出てくる反気候科学で石油産業や保守系シンクタンクから資金を得ている科学者を見分けるのは容易ですが、知らない一般の方は主要紙の記事だからと信じてしまいます。→

→こういう勢力を「ああ、またいつもの面々がいつもと同じことをやってるのね」と軽く見るのは危険なんです。気候変動否定マシーンは、1970年代からずっと「気候変動の科学に疑いをかける」という同じ作業を続けてきました。それを野放しにしてきた結果が、世界各地で起こっている気象災害です。→

→これ以上こういう勢力に邪魔をされて無駄にできる時間はありません。化石燃料によって、毎年800万人ともいわれる人々が亡くなっています。気象災害で多くの人が亡くなり、住む場所を追われています。今後は気候難民も増えてくるでしょう。日本のメディアにも、気候変動否定論の糾弾をしてほしい。→

→ 科学には「～しなければならない」というメッセージは存在しません。科学は、状態をそのまま伝えます。IPCCの報告書の内容が誇張していると感じるなら、それほどまでに気候変動が深刻化してきたということです。誇張する必要がないのは、今年世界で起こった気象災害を見ればわかるでしょう。→

→気候変動の科学は、コンセンサスがとれています。そうじゃないという人は、科学ではない別の動機で気候変動を政治の問題にしたいだけです。でも、悲しいことに、気候変動を止めるには、選挙で投票して政治を動かすしかありません。そのために必要な第一歩は、気候変動を日常会話にすることです。（了