カナダも同じだと思うけど、日本からアメリカに来て、まず「クレジットヒストリーがない」ってあたりで、ひっかかるんだよ。

「クレジットヒストリーがない」
=「この国で社会人として生きてた形跡がない」
=「あんた、どこの誰?」

ってことなんだから。
わたしも、ニューヨークで社会人になって、初めてクレジットカード(安い服を売る店のストアカードw)を申請したとき、審査で落とされました・・・(遠い目)
覚えておきましょう。クレジット審査、というのはだね、なにはともあれ、

【フロー】

があるってことが何より重要なんですよ。

たとえば、①5億円相当の不動産をもっているが無職の人と、②安い賃貸アパートに住んでるけど毎月確実に手取りで20万円ある人とでは、①の人より②のほうがいいんだよ。
だから、アメリカに急に来たばかりのひとで、米国内でクレジットヒストリーがない場合は、日本に貯金を1千万円もっていたとしても、アメリカ国内で給料のようなキャッシュフローがないと、日本でもってる貯金1千万円を必要とあらば返済に即座に充てることができます、といった証明が必要になるんだよ。
【とりんちの常識金融講座】

資産には、次の二種類があります。
A)流動資産(Current Assets)
B)固定資産(Fixed Assets)

流動資産というのは現金、あるいは、市場性のある株・債券のようにすぐに現金に換金できるものです。

固定資産というのは→
(つづき)
固定資産というのはいま即座に現金に替えられない財産です。不動産というのは、固定資産の代表みたいなもんです。

また固定資産は、2千万円で買った家でも売ったときに1500万円にしかならないかもしれない、つまり、当初突っ込んだ額が現金にしてみたら価値が変わるかもしれないのです。
(つづき)
なので、クレジットヒストリーを作ってゆく過程で、いくら「ワシは1億円のマンションもってるで~!」と言っても、それが現金になったときに1億円のキャッシュを叩きだせるかわからないから、借金を返すためのお金(返済原資という)としては、地位は低いのです。わかるね。
(つづき)
現金化したときの価値がいくらになるかわからない、その不確実性のことを、投資用語で「リスク」と呼ぶのです。

フロー、というのは、お金の流れのことです。フローを作る、と言ったときは、その流れを作ること。毎月給料が入ってくる、それは【フロー】に他ならないのです。
(つづき)
私も社会人なりたての頃は、クレジットヒストリーもない上に、給料も低かったから、クレカ申請落とされたんですけどさ(笑)

毎月の給料の中から忘れずに賃貸料や電気代電話代などをチマチマ払い続ける、その「入金と出金のフロー」を繰り返すうちにヒストリーが積み上がってゆくのです。
がんばりましょう。アメリカで賃貸をする際は、クレジットヒストリーは最重要ポイントのひとつです。

過去に支払い延滞ばっかやってたひとのスコアはどうしても低くなり、スコアが低いと、アパート借りられないこと、あるよ。

ましてやヒストリーそのものがないなんて、保証人立てないと門前払いな。
いま、私が一番最初に申し込んで見事に蹴られたストアカードって、どこのだったかなあ。。。と考えてて、NYグランドセントラル駅のすぐ近くにある「ストロベリー」という安物の服ばかり売る店だったことを思い出した🤣 ストロベリーですらクレジットで買い物できないぐらい信用力のなかった私🤣🤣🤣
ああ、青春のストロベリー🍓🤣🤣🤣🤣

あの当時のわたしの給料じゃ、こういう店でしか買えなかったよw
これはそのとおりで、米国でクレジットスコアの点数をよくしたいひとは、クレカを使ったほうがいいです。大きな額でなくてもいいですからクレジットカードにチャージして、カード残高を【毎月キッチリと延滞せずに全額返済する】の作業を繰り返すとスコアは向上するのです。

ポイントはさっきからシツコク言っていますが、

“入金と出金のフローが滞りなく流れている”

という、その【フロー/Flow】の部分が重要なのです。

クレジットカードの利用残高を月末に残し続けると、それは借金ですから、返済能力が低いとみなされあなたのクレジットスコアはむしろ悪化するのです。
クレカには一枚一枚に利用額の上限が決められていて、そのうち何%を借金してるか見張られています。

[月末の残高]÷[利用限度額]で計算されるレシオはUtilization Rate(利用率)と呼ばれ、完済するとゼロになる。

この比率が継続的に上昇し3割を超えてくると要注意のフラッグが立つよ。
重要なので、まとめます。

1.クレジットスコア(信用力)というのは「借金が多いか少ないか」ではないのです。

2.「借金を返済する能力があるか」なのです。

3.返済能力はストックよりもフローで測られる。※

4.返済能力の有無を判断する材料としてクレジットヒストリーが参照される。
※ここでいう「ストック stock」とは、株券のことではありません。Stock vs. Flow という文脈におけるStockとは、資産の『塊』を指します。あなたが1億円の別荘を海外にもっていたら、それはあなたの資産の塊、つまりストックです。

でもその別荘は今すぐ現金のフローに換えることはできない。

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