Thread by @AdultSpotDiffer

みんな「なんで第5波が収束したのかわからない」訳ではないよね。

正確に言えば「思ってたより急速に収束したのでびっくりした＋各種対策が収束に寄与した割合がわからない」なんじゃないかな。

１）ワクチン
接種率が高くなった＋打って間もなく抗体価の高い人達が多いことが大きいはず。

フランスと日本は急速な収束傾向だけど、早くからワクチンが進んでたイスラエルと英国では苦戦してるから「打ちたてホヤホヤ」の強さを感じます。

逆に言うと、日本も仏も冬が地獄かもしれない。

２）局所的集団免疫
デルタの感染力の高さ故に、ハイリスク行動をしている人達があらかた感染し、ウイルスから見て「脇の甘い人」が免疫を獲得し、連鎖ができなくなった。

基本的にニンゲンは似た人と集まり、慎重な人たちは慎重な人で、開放的な人は開放的な人で集まりがちなので。

３）行動変容
入院できず自宅療養中に死亡とか、有名芸能人が亡くなったとか、そんなニュースが流れまくった今年の夏。

夜間滞留人口が減ったりテレワークが一層進んだりもありましたが。換気、黙食、マスク素材の向上、宅配利用など、数字で出しにくい変化が重なるように起こったのではないかと。

４）季節変動
不快指数などからグラフを弄ってみた限り夏後半の急速な収束を説明できるものではないです。ただ9月以降は気候が良くなり町中の窓開け率は明らかに向上していて、安定の下支えになってそう。

個人的に１）～３）より影響が小さい気はしますが、ゼロではないかと。

本文でイスラエルに触れておきながらグラフに入れ忘れました。ごめんなさい。
なおイスラエルは苦戦を受けてブースター開始。最近は下がってきています。やっぱりワクチン打ちたてホヤホヤの強さを感じる(´・ω・｀)

寄与度を出せなきゃ意味がない！寄与度の低い対策を止めることが重要！的なご意見も投げられてますが、……各々の対策にそれなりの傍証はあっても正確な寄与度判定は難しいのでは。

いずれにしてもワクチンの寄与が大きいのは、新規感染者数の年齢層の変化などから明らかかと。

最後に。
第5波収束の説明としてエラーカタストロフィ説（ウイルスが増えすぎて自滅した説）が流布しています。

それが正しいなら、日本よりずっとデルタが猛威を奮った英国で、現在も新規感染者数が高止まりしていることが説明できません。

自国だけを見ず、世界を観察しましょう。

追補
累積グラフで新規感染者数の高どまりをお示ししたつもりが伝わらなかったようなので。

累積グラフで縦軸をy（人）横軸をx（日付）としy=ax+bで近似される場合、aの値は平均的な新規感染者数/日に相当します。

つまりaが大きな英国は高止まり、0に近い日本は収束を意味します。

で、ほとんどデルタになったのは英国だと6月中盤、日本だと8月頭くらいで、そこから急勾配になります。急勾配以降の増加分がそのままデルタ株の感染者数とほぼ同じになります。

累積グラフなら日英両国の増加分の差が視覚的に掴みやすいので提示しました。

直上は両国の感染者数の絶対数を比較するために/100万人を取っていて、4倍以上違います。

英国の人口は日本の約半分なので、/100万人で揃えると英国は8倍程度、とても過酷な状況です。

いずれにしろ、エラーカタストロフ（ィ）はどうして英国で起きないの？って話です。