Thread by @influenzer3

●ブレイクスルー感染者はワクチン未接種者よりも他者への感染性が低い
→未査読論文を取り上げたnatureの記事です。
ブレイクスルー感染の場合、ワクチン未接種者と比較して鼻腔内ウイルス量は同等であるという複数の報告があり、当初は感染性は同等であると考えられていました。

しかし、その後に複数の検討により、ブレイクスルー感染者ではその後のウイルス量減少速度が速いという報告が出ているようです。

今回イギリスから出された検討の結果の概要は以下です。
・ブレイクスルー感染のリスクはアルファ株よりもデルタ株が高い。
・ブレイクスルー感染後の近親者の感染伝播も、デルタ株のほうがアルファ株の2倍リスクが高い。

・ブレイクスルー感染者はワクチン未接種感染者よりも感染性の低下が見られるが、その効果は経時的に減弱する。

ワクチン接種者のウイルス量減少速度が速いのは、感染後にメモリーB細胞による抗体産生誘導が急速に起こるためかもしれません。
結果的に二次感染者が減少するのは、ウイルス排泄期間の短縮で説明可能なのでしょう。

booster接種後もいずれ抗体価が減弱するのは、検討するまでもなくほぼ確実かと思われます。
今後想定される反復投与を考えると、mRNAワクチンでは短期的有害事象が強すぎ、未知の長期的有害事象の点でもリスクがあるように思います。

安全性がある程度高いと想定されるサブユニットワクチンでのbooster効果の研究を早く進めて欲しいところです。
COVID vaccines cut the risk of transmitting Delta — but not for long
nature.com/articles/d4158…

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・COVID-19ワクチンを2回接種した後にデルタ株に感染した人は、ワクチン未接種でデルタ株に感染した人よりも周囲への感染伝播が少ない。ワクチンがデルタ株の感染拡大をどの程度抑制できるかを調べた最初の研究結果は、良いニュースと悪いニュースの両者を含んでいた。

・この研究で、ワクチン接種完了後にデルタ株に感染した人は、ワクチン未接種の感染者と比較して周囲への感染性が低い事が示された。しかし、その予防効果は比較的小さく、接種終了後3か月目には大きく減少していた。

カリフォルニア大学の感染症研究者であるMarm Kilpatrick氏は｢今回の結果は、デルタ株拡大抑制におけるワクチン効果についての理解を深めるものだ｣、｢勇気づけられる結果であるとも言えるし、そうでもないとも言える(both more and less encouraging)｣と述べた。

・これまでの研究で、デルタ株感染者ではワクチン接種の有無に関係なく、鼻腔内のウイルス量(RNA量)は同レベルである事が分かっていた。これはワクチン接種の有無に関わらず、感染すれば両者は同等の感染性を持っている事を示唆していた。

しかし、複数の検討において、ワクチン接種者がデルタ株に感染した場合、周囲への感染させる確率が低下する(less likely to spread the virus)事が示されている。鼻腔内のウイルス量がワクチン未接種者よりも急速に減少するのだ(drop faster)。

・今回の検討はワクチンの感染伝播に与える影響をより直接的に検討したものだった。これは、2021年1月から8月の期間にイギリスにおいてSARS-CoV-2に感染した95,716人とその近親者139,164人のデータを解析したものである。この期間においては、アルファ株とデルタ株の両者が優勢株として流行していた。

・その結果、ワクチン接種は感染阻止およびそれに続く感染伝播の抑制効果をもっていたが、デルタ株ではその効果が減弱している事が判明した。

ワクチン接種完了者がブレイクスルー感染を起こした場合、デルタ株感染ではアルファ株感染に比べて約2倍の確率で近親者に感染させていた。加えて、ブレイクスルー感染のリスクも、デルタ株のほうがアルファ株よりも高かった。

・残念な事に、ワクチンのデルタ株感染伝播阻止効果は時間経過とともに減弱し、ほぼ無視できるレベルまで低下していた。

アストラゼネカワクチンで接種後2週間にブレイクスルー感染を起こした場合、そのワクチン未接種近親者への感染確率は57%だったが、3か月後のブレイクスルー感染では67%に上昇していた。これはワクチン未接種者の近親者の感染確率と同程度である。

ファイザーワクチンでも同様であり、ワクチン接種終了直後では42%であったのが、時間とともに58%まで増加していた。

・共著者であるオックスフォード大学のDavid Eyre氏は、｢アルファ株からデルタ株への段階的変化が見られたが、それは経時的な変化でもあった｣、｢もしかしたら今回の結果は、ワクチン接種拡大にもかかわらずデルタ株が感染拡大を持続した理由を説明できるかもしれない｣と述べた。

今回の結果は、｢接種者個人を守るために行われるbooster接種は、この効果を介して社会への感染拡大抑制効果を発揮する可能性があるかもしれない｣とも述べた。

・感染症研究者のStephen Riley氏は、｢booster接種を行っても、その後にまた感染防御能の減弱が起こるのかという新たな不確実性をもたらしている｣と述べた。
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