下降トレンドでの出来高を伴わない株価のにじり上がりは更なる下落の予兆!

ウェッジが発するシグナルを見極めよう。

ウェッジの類型は以下2x2の4種類。発生場所により意味合いが大きく異なるので要留意。

・Rising Wedge(上昇ウェッジ) or Falling Wedge(下降ウェッジ)
・反転型 or トレンド継続型
上昇ウェッジ
1)
・Rising Wedge(上昇ウェッジ)は、株価の上下動が大きい左下部より始まり、株価上昇につれて株価変動の割合が右上側に傾斜・収束し、買い圧力が長く続かずにいずれ失速していくため、上昇の勢いが弱まる弱気パターンとされる。

・株価が傾斜・収束する形は円錐形・くさび型となる。
上昇ウェッジ
2)
・上昇ウェッジには、上昇トレンド終盤に高値圏で現れる反転型と、下落トレンドの戻り調整に現れるトレンド継続型の2通りがある。

・前者は移動平均線の上側で、後者は下側で発生することが多い。RS(Relative Strength)ラインは前者:右肩上がり、後者:右肩下がり。
上昇ウェッジ
3)
・上昇ウェッジが日毎に出来高減を伴って現れた場合は大きなギャップアップを伴い下落する可能性が高いが、出来高を伴う場合は株価下落せずに高値圏で維持または上昇しやすい。

・出来高少の中で上側の移動平均線に跳ね返された場合は移動平均線が抵抗線として機能、悪材料になる。
上昇ウェッジ
4)
・少なくとも2つ以上の高値/安値(3つの高値/安値が理想的)を結んで上側 /下側トレンドライン(上値抵抗線/下値支持線)を引く。各高値は直前の高値よりも高くなる必要がある。
上昇ウェッジ
5)
・反転型の上昇ウェッジは長期的な上昇トレンド後に形成され、高値を更新していく。

・上昇ウェッジの高値は直前高値を日次で上回っていくが、その差はより浅くなっていく。これは買い圧力が弱まっていることを示し、下値支持線よりも傾きが緩い上値抵抗線が形成される。
上昇ウェッジ
6)
・通常、上昇ウェッジのパターンは3~6ヶ月間で形成され、先行する上昇・下降トレンドに至っては少なくとも3ヶ月前には形成されている必要がある。

・上昇ウェッジについては下側トレンドライン(支持線)を出来高を伴って下方にブレイクアウトした時点が売りシグナルとなる。
上昇ウェッジ
7)
・上方ウェッジからの下抜けでは、トレンドラインではなくウェッジ内の直近安値からの下抜けを待つ方が賢明な場合もあり、他のテクニカル分析と組み合わせてシグナルを要確認。

・尚、一旦 下値支持線が破られると、その支持線が上値抵抗線に変わったことを試す調整が行われうる。
上昇ウェッジ
8)
ケーススタディ: $PTON

・下降トレンドでのトレンド継続型上昇ウェッジ。
・下降トレンドラインからの上抜けと21EMA上抜け時に例外的に出来高増となるも、その他では価格増にも拘らず出来高は減少基調。
・50SMAと21EMAを上抜け失敗が需要の弱さを裏付ける決定打となり大きく下落。 Image
上昇ウェッジ
9)
ケーススタディ: $V

・下降トレンドでのトレンド継続型上昇ウェッジ。
・株価が大きく下げた際に出来高増となった他、50SMAと21EMAの前後で株価は大きく増減するも、出来高は一貫して減少傾向。
・決算発表を受けて需給が完全に供給過多となり値崩れ。 Image
上昇ウェッジ
10)
ケーススタディ: $ROKU

・下降トレンドでのトレンド継続型上昇ウェッジ。
・株価はにじり上がるように増加している一方で、出来高は一貫して減少傾向。
・左側では10SMA沿いに動き21EMAの抵抗に、右側では21EMA沿いに動き50SMAの抵抗にあい失速。
・典型的な需要の弱さを示す事例。 Image
上昇ウェッジ
11)
ケーススタディ: $FB

・下降トレンドでのトレンド継続型上昇ウェッジ。
・左右共に主要移動平均線上抜け時に出来高増となるも、その他では株価上昇の一方で出来高は一貫して減少傾向。
・決算発表を受けてGap Down。
・買い需要が弱く、売り圧力に抗しきれない脆弱さが垣間見える。 Image
上昇ウェッジ
12)
ポケットピボットの要件としても、出来高減の傾向にある上昇ウェッジでは失敗しやすいとの但し書きあり。

上昇ウェッジ
13)
ケーススタディ: $PLTR

・これは私の過去の失敗事例。このような典型的なトリックには二度と引っかかるまいと心に誓った。
2021/11/30のIBD LiveにDavid Ryan氏登壇。

添付は $QQQ の15分足チャート。出来高減少した上での上昇ウェッジが随所に見られ、その後に急落している形状に言及、懸念を示していた。

こういった、チャートが発する需給の動きを見極め、売買タイミングを測る参考にしたい。 Image

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$F - 10SMAを奪還。 Image
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一方で、昨日から市場環境がUptrend Under Pressureとなったことから、8週間ルールを優先するか、市場環境の変化を踏まえて売りとするかという問題が出てくる。
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28 Nov
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1)
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2)
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27 Nov
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21 Nov
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Why You Should Add The 10-Week-Line Pullback To Your Trading Playbook
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Pullback時の買い増しタイミング①

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21 Nov
ストキャスティクスを活用した売買タイミングの見極め方:(IBD Live - 2021/11/16 )

保有銘柄の売り時の見極めは難しい。利益を守り損失を未然に防止するために売却タイミングを測ることは重要だ。市場環境が堅調な場合はもとより、弱さの兆しが見え始めたり、調整局面に入れば尚更だ。
ストキャスティクスの使い方はこちら。

IBD LiveのEducational Videoはこちら。

Sell Rules: Using Stochastics To Take Profits
investors.com/videos/sell-ru…
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21 Nov
オシレーター系のテクニカル指標であるストキャスティクスを活用し、相場や銘柄の反転を売買ポイントとして活用しよう。

オニール流投資手法では価格と出来高を見ることが基本ですが、IBDは補助指標としてストキャスティクス活用を推奨しており、短期目線での積極的・防御的な売りには十分活用可能。
1)

・ストキャスティクスは、「買われすぎ」「売られすぎ」を測るオシレータ系テクニカル指標。

・基本的には「売られすぎ」から戻ってきた時が買いサインで、「買われすぎ」から落ちてきた時が売りサインとされる。数値の範囲は0-100%で、株価上昇で数値が上昇、株価下落で数値が下落する。
2)

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