さて、今日のオミクロン。

昨日僕は「上部気道に移ってるは確定か?Vitroの一報だけだし、劇的ではないよね…」と疑念を呈しました。

僕が年末年始サボっている間に動物実験結果論文を読み逃していた様です。てへ。
natureにも上部気道になったのでは?記事がありました。
なんだ、動物実験で証明されたのか。よし、今の感染力も説明できるぞ。と安心して、見ていきましょう。

ひっくり返りますので(笑)
さて、一報目。
マウスとシリアンハムスターの実験です。

researchsquare.com/article/rs-121…
まず、マウス。
何というか色が着いている点がοの色んな濃度チャレンジです。

え、鼻も肺もウイルス量少ないんだが…
ヒトACE2導入マウスで肺はそれほど変わらず鼻は少ないなど。
え、逆やんこれ。「より肺選択的になった」とさえ解釈できるデータ…

うーん…
次は同じ文献のシリアンハムスター

こっちは鼻がほぼ変わらず(微減か?)肺が減る。
これだと既報のvitro文献と合い、もともとあった肺への指向性が減ったと言えそう。というマウスと逆の結果。
ヒトACE2導入ハムちゃんも同じ。
1つだけコミュニケーションを。

一般人:動物違えばそりゃ違うっしょ。

生物学者:種差とか基本的にはレアだよね。

例えば遺伝子配列、ぶっちゃけ哺乳類間の相同性は極めて高いです。殆ど同じ設計図でヒト含めた動物は記述される。

でも見た目は全然違うじゃん?
いえいえ。
例えば左腹側部からヒトを解剖していくとして、出てくる筋肉、出会う順番は、哺乳類で全く同じです。
その筋肉のくっついている骨の突起つまりは腱にいたるまで。

哺乳類の見た目の違いや運動性能の違いはざっくり極論すれば骨の長さと筋肉の大きさのみ。

基本設計は、見た目に関わる部分
さえ同じ。

なので今回、マウスとハムスターで結果が変わると、ん?なんか表現レセプター数とかに種差のあるもの、侵入経路に選んでたりしない?とか思う次第。
さて、次へ。

次はハムちゃん。
いや、俺動物実験の論文見逃し過ぎだろ…

οで鼻のウイルス量はちょっと増え、肺はちょっと減る。
さっきの論文では鼻ウイルス量変わらなかったけど、こっちでは増えたね。

これだと「上部気道よりになったかも」意見は可能で、ま劇的ではないが感染力の説明一助には
なるよね。
ごめんリンク忘れかけた。

これね。
ほら、確かに肺への炎症細胞浸潤は低倍で分かるほど弱い
(そっちのPCRもしなさいよせっかくハムちゃん犠牲にするんだから…)

biorxiv.org/content/10.110…
さて、次ね。
biorxiv.org/content/10.110…
マウス
Aが口
Bが鼻
Cが肺

赤がοね。
いや、劇的に減るよね。全部。
肺が相変わらずウイルス量多くて肺に偏る感染症であることは変わらないまま、鼻肺両方とも同じだけ減ってないか??

これ、感染力の強さと矛盾するデータ。
以上、三報みて分かったことはVivoでは「より上部気道に」データはない。
まだ「分からない」と言うしかない状態

ところで、🇿🇦はついにピーク終わったぜ!が主旨のグラフの中にウイルス量について参考になるものがある。

赤が症例数で左が目盛り
青が平均Ct値で右が目盛り

ο波中のCt値は、ガッツリとδより下がっている。つまり感染者平均ウイルス量はかなり上がっている。
とすると、
感染力の強さはシンプルにウイルス量増加
ただしヒトでしか再現されない(ヒト特異的ななんか上部気道の易感染経路獲得してない?)

という感想。
こうなると、マウスACE2への親和性高さから一時期オミクロンはマウスとの感染環か?とも言われたけど、そんな訳なくて
ヒトへの持続感染から生まれてきたヒトへの感染効率化変異株ということにもなるかなと。

まだまだοについては、ウイルス量増えてないとする文献もあり、そこも続報待ちという状態ですね。

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Jan 17,
このTweetにまぁまぁ反響があり、反論されてくる方の多くが『ワクチン打ったじゃん!』と言うのに、正直

「は…?ちょっと何言ってんのか分かんない…」

と思った僕です。

僕、ずっと、オミクロンがオミクロンという名前付く前から散々Tweetしてきたのは、ワクチンが効かないしADEの可能性もある
オミクロンがそういう変異の位置だったからです。やべぇぞと。
そして少なくとも効かないことは確定しました。

だから緊急事態宣言が必要だと思ってます。

前提というか、前提知識が違ったのね。と。

なので、簡単にまとめます。
1、一番初めのラボ報告。
オミクロンにはワクチン効果40倍減ります。

2、さて、nature論文よりここから簡易的にワクチン効果推定を計算できます。
自分が打ったワクチンの横軸見て。例えばファイザーなら2(感染経験者の2倍の中和能ってこと)。
で、οには41倍減弱だから、ファイザーなら0.05のとこ見て ImageImage
Read 13 tweets
Jan 17,
これはHopiumになりかねないので少し避けていたのですが2
英国もピーク形成。
米国はまだだが、NYのピーク形成か?を見ると感染者数はピークが近いか。

つまり、生物学的には説明できないが、経験論としてはおそらくピークまで1ヶ月。日本なら1月末か。

一番簡単な説明は集団免疫なのだが、もちろんそこまで行くには全然感染者数が足らない。 ImageImage
ここを繋ぐものとして、もちろん無症状感染者割合はδより多いだろうとする🇿🇦の報告は少しは役立つ(英国からは別に変わらない報告あるが)

それでも繋ぐには足らない。
ここにオミクロンのウイルス量は別にδより減っている〜少し増えただけ報告までを足そう。
そうすると、感染力の説明が更に困難になる ImageImageImageImage
Read 7 tweets
Jan 16,
【ツイデモ】
え?まだ緊急事態宣言出してないんかい…
必要でしょう。

死亡者数は遅行指標。1ヶ月遅れて出てきます。
@kishida230
#緊急事態宣言を出してください
#空港検疫をPCRに戻して下さい

をご賛同頂ける方は
今日、21時から行きましょう。
死亡者数は1ヶ月経たないと分かりません。英国、米国データもまだ使えません。οについてはまだ分かりません。

その中で唯一言えることは、「仮に1/10重症化リスク下がっても、指数増幅の前には誤差」という単純な話だけです。
米国の新規入院者数は、過去最高ですのでご査収ください。
covid.cdc.gov/covid-data-tra…

10万人あたり6人の新規入院/Dayを超えた様ですので、日本での新規入院7500人/日に該当します。

でも、日本既に病床足りなくないですか?
これから感染する方は全員自宅でしょうか?
Read 20 tweets
Jan 16,
これはインフルエンザのCFR(症例致命率)と新型コロナのCFR(症例致命率)を比べたがる日本のTVコメンテーターに読んで欲しいツイ。
(もちろん比較したところでインフル0.02%、新コロ1.7%の方が10倍以上高いけど)

そもそも季節性インフルを僕らはきちんと理解してるか?No
実はあいつら無症状感染するし
無症状者の検査なんて誰もやってないから、季節性インフルのCFRは実際はもっと低いよ。という話ね。

ならば新コロと同じ土俵で比較するなら、ざっくり言うと新コロ発生初期の有症状中等症以上しか検査してなかった時の新コロCFR5%くらいと季節性インフルCFR0.02%あたりが比較対象になる。
ざっと250倍違うね。
オミクロンが250倍弱まってて、かつ感染力も落ちないと5類とは言えんよ。と。

参考、2018-2019インフル、CFR0.01% cdcより
cdc.gov/flu/about/burd…
Read 4 tweets
Jan 15,
さて、遊び過ぎたのでそろそろまじめにTweetしよう。

まずリスクコミュニケーションが1つ必要かなと思っている。

ねぇ、君たち気管支ってどこだと思ってる?
①一般人のイメージの気管支の位置
(青線)
②生物学者の気管支の位置(赤線)
気管支ってのは解剖学的には気管が枝分かれしていくところ全部。
どんどん枝分かれしていって最終的に肺胞に至るのだが、その名が終末細気管支。

なので、「οはδと比較して気管支で70倍増え、肺胞細胞で10倍増えにくい」と言われて、イメージする内容が、もしかすると一般人と生物学者で違わないか?
Read 27 tweets
Jan 15,
完全に間違えてるからだよ。
そもそもS変異1N変異30って何言ってるか分かんねぇwし、根拠も示してねぇじゃん。
もしお前の言葉足らずの文章を「オミクロンはS蛋白変異が一個だ!」に読み替えるなら完全なデマ。
シークエンスデータベースも見れないのおまえ?
シークエンスデータベースさえ見れない奴が免疫学の論文なんて読めるわけないじゃんw
別にそんな頑張って背伸びしなくても、お前のレベルは話してれば分かるよ。もう粘着辞めて勉強しなさいよ。
ここらへん読んどけ
togetter.com/li/1807793
Read 5 tweets

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