Thread by @buvery

愛を法律で差別しないためには、共助と育児の契約関係にして、婚姻を廃止すべきという、どうしてここまで頭が悪くなれるのか、不思議な文章。これは、３つの根本的な間違いがある。まず、結婚と愛は無関係であるという歴史的事実。

gendai.ismedia.jp/articles/-/923…

男女仲良い方が良いとは思いますが、結婚は男女の恋愛など関係なく、そもそも、恋愛結婚自体が少数派だった。日本でもちょっと前まで見合いが普通、中東など結婚するまで会ったことない人もいる。欧米でも恋愛を婚姻の主要素とするのは最近の話です。これが最初の間違い。

次に、法律行為ができる無色の人間しかいない、という極めて法学者らしい仮定がなされていますが、残念！幼児、小児には法律行為ができません！もともと、ある時点をとると人間は不平等にできており、その圧倒的例としては新生児。完全な弱者です。

従って、新生児ができる前に保護者を予め決めておく必要があり、それを予定していない『事後の契約関係』は、全て児童虐待思想です。新生児を作るのは男女なのだから、男女に長期間子供を擁護させ、権利を代行させなければいけない。あれ、不思議だな、これ、婚姻じゃないですか。

３つ目。婚姻関係は子孫を作るので、親族構造を作ります。つまり、子供がいない二人だけのセフレ関係と違って、もっと関係者の多い親族姻族のいる関係です。この構造が社会によって違うところで、絶対核家族の米英、外婚制共同体の中国ロシア、内婚制の中東イスラムが代表例です。

この親族構造が社会にとっての規範意識の土台となるから、それぞれ考え方は違う。絶対核家族の英米では、結婚した子供は出ていくのが当然だし、親は子供に介護させず、家を売り払って介護施設に行く。内婚制だと、多重の親戚である部族が女を守る。

婚姻には相手が必要だから、ある程度社会的規範が共有されていないと、現実には事故だらけになる。だから、例えば、モーゼの十戒にも、隣の家の嫁には手を出すな、とある。数千年前でも、ややこしいからやめておけ、と言っていたわけだ。

社会の規範は、車の右側通行と左側通行で、究極的にどっちが正しいというわけではない。だが左側通行社会で、右側通行が差別だから、交通ルールをなくしましょうが暴論なことは誰でも分かる。それでは牛と人力車とオートリクショーと徒歩とバイクと自動車が気合いで進むカルカッタの交差点だ。

結局は『馴染んでいるので、それが楽』というのがど直球の本音で、馴染んでいるものが変われば別に変わっても問題がない。そういう変化は、世代を越えた親族構造ができて初めて意味のあるものになるだろう。