Thread by @WiseBabel

#日本語 の「確信犯」1/7

RTは、三省堂国語辞典編者の飯間浩明氏から。
現在の日本語の表現の意味についての表。

この中で、「確信犯」の扱いについてどう思われますか?
以下、スレッド🧵

https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1535238138146091010

#日本語 の「確信犯」2/7
参考までに、背景はきっとこちらの呟きです。
マナー講師みたいな側面はある表かも?
ただし(!)、マナーと違って、言葉が全く違う意味で使われるとコミュニケーションに大問題になるので、こういう表のまとめに意義はありましょう。正確ならば!

https://twitter.com/kenlife202010/status/1535011604319727616

#日本語 の「確信犯」3/7
飯間氏は、元ツイに対して、どちらも誤りとは言えない(そもそも「誤り」とはなんぞよ)、という本歌取りですね。

飯間氏の表について、ある方曰く:
「納得できるけれど、『確信犯』だけは左右(1と2)とが逆な気がする」

飯間氏の返答がこちら:

https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1535242529922109441

#日本語 の「確信犯」4/7
端的には、
「確信犯」について、(2)の意味の用例は現代の文書では現実的に非常に少ない、という話。

実際、文化庁による世論調査(2015年度)もそれを裏付けます。
辞書的には、(2)が原義だったようですが。
bunka.go.jp/tokei_hakusho_…

#日本語 の「確信犯」5/7
一つ問題があって、
法学では、「確信犯」が原義通りの意味(思想的確信に基づいて行われる犯罪)であり、かつ重要な概念です。

端的には、日本の刑法において内乱罪は確信犯であり、確信犯だからこそ、他の大抵の罰と(長らく)異なり、懲役ではなく禁錮刑でした。

#日本語 の「確信犯」6/7
「確信犯」(及び一部の過失罪)は非破廉恥罪であるために、道徳(哲学)的な問題として、働かせる(懲役)のは不適切であってしたがって禁錮刑、という概念だそうです。
(注: 今週6月13日に刑法改正されて拘禁刑が創設された。)

参考: 石川正興法学教授:
moj.go.jp/content/001198…

#日本語 の「確信犯」7/7
法律(や科学)の世界では、当然、用語は厳密に定義されているべきです。「確信犯」の世間的な意味が変遷してしまうと、法学において意味がズレてしまうのはあまり好ましくない気はします。

言葉の意味は時代とともに変遷するものでしょうが、考えさせられます。
(了)