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Aug 9 11 tweets 1 min read
私はこうして大量に文章をアップするせいか、寄稿を頼まれることがある。以前は喜んで受けていたのだけど、無料で引き受けていたら、文筆で生きておられる人たちの生活を脅かすのでは?と思うようになり、「おいくらですか?」と聞くようにしている。すると、音沙汰なくなる出版社も。
今はツイッターやFacebookなどのSNSで文章を書く人をいくらでも見つけられる。だから出版社も、無料で文章書いてもらえそうな人を簡単に見つけられるのだろう。そのために、文筆でメシを食べている人たちの生活を脅かしているように思う。
もっとひどい事例もある。「ノーベル賞級の研究者が寄稿する雑誌にあなたの文章も載ります。栄誉でしょ?ついては10万円支払ってちょ」私は最初、勘違いして「え?執筆料10万円ももらえるんですか?」とビックリしたら、「いえ、あなたが出版社に支払うんです」という。アホらしくて断った。
陶芸の世界でもあるらしく、有名作家の写真と並んで、あなたの作品も掲載されますよ、と言って、かなりのお金をせしめる雑誌もあるという。つまり出版社は、相手に金を支払うどころか、相手からお金を取って収益にしようとしているというわけ。これでは質が担保できないだろうに。
私は、出版社はやはり記事や作品を掲載する場合、作家にお金を支払う文化をきちんと取り戻した方がよいように思う。古くから存在する出版社は、流石にこうしたことがきちんとしているところが多い。しかし新興のところは、執筆料をケチるところが多い。これでは粗製濫造。
執筆料を支払うことには、大きく二つの意味があるように思う。一つは、文筆で生きる人たちの生活が成り立つようにすること。もう一つは、お金を支払うという緊張感から、文章の質を保ち、雑誌の売上で収益を上げるのだという強い覚悟を示すことで、雑誌の質を担保すること。
タダで人を働かせようというムシのよい話にならないよう、文筆の世界でも考え直した方がよいと思う。
私は今度、5冊目の本を出させて頂くが、「とても文筆だけでは生きていけないな」と実感する。文筆業はデフレが進み、お金になるのはベストセラーのごく一部のみ。
私は比較的、本も売れている類になるらしいのだけど、「いやいや、これじゃ食べていけないよ、文筆の人、どうやって生活していけるの?」と思う。事実、文筆では生きていけなくなってるらしい。
タダで書くのはツイッターやFacebook、noteでいくらでもできるんだから、雑誌社はきちんと目利きを効かせて、執筆料を支払う文化を取り戻してほしい。私もこの問題は、しばらく考えてみたいと思う。
まとめました。

文筆業の価格破壊|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
8月19日に新刊が出ます。
食料安全保障について、多面的に考えてみました。
amazon.co.jp/%E3%81%9D%E3%8…

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Aug 10
東京は地方からたくさんの若者を吸収する割に出生率が低く、人口減少のブラックホールになっていると言われるけど。これは現代に限らず、江戸時代も都会というのはそうであったらしい。地方が人口供給、都会は人口消耗。
江戸時代でも、江戸は地方から人口を吸収しては、それを消耗する都市であったらしい。これは日本だけに限らず、世界の大都市は、地方から人口を吸収しては消耗する性質があるという。地方での人口増分を超える都市への人口移動があると、国全体の人口も減ってしまう。
これはなぜなのだろう?都市の方が便利だし、生活に必要なものも手に入れやすいし、仕事もあるし、遊ぶ場所もたくさんあるのに。
原因ははっきりしないが、都市は外部からの流入で人口は増えるのだけど、都市内での人口再生産の力は弱く、人口を消耗する性質があるらしい。
Read 14 tweets
Aug 10
日本の食料安全保障は、アメリカによる一極支配の世界で保たれてきた。しかしアメリカだけが強国でいられる世界構造が崩れ始めているように思う。
アメリカが世界最強だった理由の一つに、世界中から超優秀な人材をかき集めるシステムがある。これがひび割れ始めている。
アメリカの有名大学、ハーバード大学やスタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学などには、世界中の俊秀が集まった。そのうちの少なからずがそのままアメリカに定住し、ビジネスを起こした。世界を席巻しているIT企業は、そうした移民の力が大変大きい。
アメリカは第二次世界大戦後から、フルブライト奨学金などを支給し、優れた学生をアメリカに招く仕組みを持っていた。こうした留学生たちは当然ながらアメリカ贔屓になり、アメリカに定住し、アメリカの科学・技術の発展に寄与してきた。
Read 11 tweets
Aug 9
ツイッターのトレンドでも「論破」という言葉が出てくるけど、私は論破にこだわること自体、あまり意味がないと思っている。論破した側も、論破された側も、自分の勝利にこだわって相手の話を聞いてないことを意味しているから。
論破は、相手の論を討つ「討論」での出来事。相手の意見に耳を傾け、そこから新たな発見をし、互いに高め合い、より高次の考察に進む「議論」とはどうも違う。
討論は、どうも、キリスト教の異端審問で磨かれた技術のように思える。
キリスト教は、カソリックが正統派として確立されるまで、どちらが正統かを決めるのに討論がよく行われていた。そして討論で負けた流派は異端とされ、排除された。こうした歴史を踏まえると、相手の話に耳を傾ける気が毛頭ないのが討論だというのがよくわかる。
Read 5 tweets
Aug 9
YouMeさんとは結婚して11年、幸い仲良くさせてもらっている。なぜYouMeさんとこんなに長く仲良くしてもらえるのか考えてみると、もちろんYouMeさんができた人だというのが大きいのだけど、それでは皆さんのお役に立たない。私達はどうしてるのか、改めて考えると。
「本来自分がやらなきゃいけないことを相手が肩代わりしてくれている」と、お互いに考えているからかも、と思う。
本来自分がやらなくちゃいけないことを相手がやってくれている、と考えると、自然に次の言葉が出てくる。

「ありがとう」
もし、相手の方が、本来自分が頑張らなきゃいけない分まで余分に頑張ってくれていると感じる場合は、「済まないね」という言葉が自然に出てくる。YouMeさんも、そして私も、互いにそうした意識で接することができているから、自然に感謝し合う関係を続けられているのかも。
Read 7 tweets
Aug 9
漫画家になりたかったら、漫画を描き、出版社にどんどん持ち込め、と言われる。物書きになりたければ、どんどん文章を書いて人に読んでもらえ、と言われる。そういう意味では、ツイッターはなかなかいい場所のように思う。
私は経済の専門家じゃないけど、平気でつぶやく。すると当然、いろんなご指摘を頂く。あ、その視点欠けてたな、とか、知らなかったことを教えてもらえたり。それによって、知識が一つ増え、誤解が一つ減る。恥をかけばかくほど学びは深まる。
もっと勉強してから発言しろ、という人がいるけれど、それでは、絵がうまくなってから絵を描け、文章がうまくなってから文章書け、と言ってるようなもの。それじゃいつまで経っても成長できない。いいじゃん、恥をかけば。恥は学ぶための大切な一里塚。
Read 6 tweets
Aug 5
日本は火山国なので、地熱発電への期待が強い。しかし調べてみると、地熱発電は伸びるどころか縮小している。2020年度でわずか0.3%。太陽光発電などが伸びる中、どうして地熱が伸びないのだろう?
これはあくまで私の仮説だが、「溶岩の粘り気が強い」ことが大きな原因ではないか、と考えている。
地熱発電で有名なのはアイスランド。電力の約3割を供給している。これに7割の水力も含めて、ほぼ100%が再生可能エネルギー。日本もアイスランドの地熱発電を見習いたいところだが、何が違うのだろう?
アイスランドは、流れる溶岩が観光資源になっていることからわかるように、溶岩の粘り気が少ない。
溶岩の粘り気が少ないと、爆発的な噴火が起きにくい。だから、比較的安心して地熱発電の立地を探しやすいのではないか。しかも水力発電が盛んなことからわかるように、水も豊富。地熱発電を行う条件が整っている。
Read 10 tweets

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