The Sato Lab (Kei Sato) Profile picture
東京大学医科学研究所システムウイルス学分野教授 The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan) Consortium主宰 一般社団法人G2P-Japan代表理事 週プレNEWSでコラム連載中→https://t.co/zLvSNcurTq

Sep 14, 2022, 9 tweets

#拡散希望 🔔速報🔔 新型コロナ研究コンソーシアムG2P-Japan🇯🇵の論文第10弾を、Cell @CellCellPress に発表しました。本研究では、現在本邦の第7波の主たる原因となっているオミクロンBA.5株のウイルス学的性状を解明しました。
cell.com/cell/fulltext/…

以下、本研究の概要です。1/8

1⃣ 最近、スパイクタンパク質に新たな変異を獲得した #オミクロン BA.2系統の亜株が、世界各地で出現し、流行拡大しています。具体的には、アメリカ🇺🇸のBA.2.12.1系統(+S:L452Q/S704L)、そして南アフリカ🇿🇦のBA.4, BA.5系統(+S:HV69-70del/L452R/F486V/R493Q)などです。2/8

2⃣ウイルス配列の数理統計解析によって、これらのBA.2亜株の伝播力(実効再生産数、図中「Re」)は、BA.2よりも約1.2倍高いことを明らかにしました。実際、日本においても、すでにBA.5株への置き換わりがほぼ完了しています。3/8

3⃣ ワクチン接種者の血清を使った中和試験の結果、BA.4/5は、BA.1あるいはBA.2に感染したワクチン接種者(つまり、BA.1/2のブレイクスルー感染者)の血清に、約2倍の抵抗性を示しました。なお、ワクチン未接種でBA.1あるいはBA.2に感染したひとの血清は、ほぼまったく中和活性を示しませんでした。4/8

4⃣ 研究開始当初、これらのBA.2亜株の臨床分離株がまだ未取得であったため、BA.2.12.1あるいはBA.4/5のスパイクタンパク質を持った新型コロナウイルス(ベースはBA.2)を人工合成し、ハムスターを用いた感染実験を実施しました。その結果、BA.4/5の病原性がBA.2よりも高いことを明らかにしました。5/8

注:スパイクタンパク質以外の領域には、BA.4とBA.2の間に6個、BA.5とBA.2の間には2個の変異しかありません。そのため、今回動物実験に用いたウイルスは、臨床分離株の性質を強く反映したものではないかと考えています。6/8

実際、僕たちのその後の研究:
G2P-Japan🇯🇵プレプリント第12弾↓

G2P-Japan🇯🇵プレプリント第13弾↓

では、BA.5とBA.2の臨床分離株を用い、BA.5の病原性がBA.2よりも高いことを確認しています。7/8

まとめ▶️ BA.2から派生したオミクロンBA.2亜株のうち、BA.5株は、伝播力、病原性、免疫抵抗性のいずれの点においても、BA.2よりリスクの高い変異株です。8/8

ご参考まで、プレプリント発表時(5月27日)のツイートはこちら↓ 8/8+1

Share this Scrolly Tale with your friends.

A Scrolly Tale is a new way to read Twitter threads with a more visually immersive experience.
Discover more beautiful Scrolly Tales like this.

Keep scrolling