★「侵害コンテンツのダウンロード違法化」について、これを与党から急に出てきた話だと思っている人も多いそうですので、これまでの経緯を簡単にまとめてみました。(※長文注意)
ご存じの通り、映画や音楽を(違法配信と知りつつ)ダウンロードするのは「違法」です。しかし何と今、漫画は海賊版サイトからDLしても「合法」なのです。またリーチサイトも合法。
・・これに対し、出版社は漫画など静止画のDL行為も(映画や音楽と同様に)違法とするよう国に要望。
あまりにも広く厳しい規制内容に対して、慎重(反対)派が議員会館で「院内集会」を開き、竹宮惠子先生や赤松など漫画家も懸念を表明。
日本漫画家協会も正式に(事実上の反対)声明を発表。
nihonmangakakyokai.or.jp/?tbl=informati…
守ってあげようとしていた漫画家側からさえ反対声明が出たことを、与党議員が重要視。極めて異例だが、自民党総務会が了承を先送りして、文部科学部会に差し戻し。
DL違法化の法案は、正式に見送りに。
結局、著作権法改正案が丸ごと全部潰れてしまい、「映画や音楽の海賊版DLは違法なのに、マンガなら合法」で「リーチサイトも合法」という無法状態を作ってしまう。
文化庁が態度を改め、漫画家協会と(出版社も交えて)きちんと打ち合わせをし始める。
この夏、参議院選挙で山田太郎議員が当選。以後、自民党の知財方面で重要な役職に就任していく。
日本漫画家協会と出版広報センター(出版9団体)が、共同声明1を発表。
shuppankoho.jp/doc/20190925.p…
「海賊版を退治しつつ、ユーザーの萎縮を招かない」という絶妙なバランスを目指し、一枚岩となって協力する方向性に転換。
著作権法案検討に係る有識者検討会1(赤松も委員として参加)がスタート。
「著作権侵害物が写り込むスクショはOK」「二次創作やパロディ等も対象から除外」など現実的な路線で議論が進む。
有識者検討会3で、「著作者の利益を不当に害することとなる場合」という要件については結論が出ず、両論併記にして提出。議論は政治の場へ。
有識者検討会の結論を受けて、自民党のデジタル小委員会(小林史明委員長・山田太郎事務局長)が提言をとりまとめ。
internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1232…
結局「要件てんこ盛り」でかつ「脱法行為も許さない」し「アップロード対策もする」というなかなかの好バランスとなる。
昨年に続き、日本漫画家協会と出版広報センター(出版9団体)で共同声明2を発表。
shuppankoho.jp/doc/20200204.p…
知財戦略調査会がまとめた(文科大臣への)申し入れ案を、バランスの良さから評価し支持する内容。
■2020年2月12日
自民党の文科部会での概要審査を通過。
自民党文部科学部会などの合同会議で、インターネット上に無断掲載された著作物と知りつつダウンロードする行為を違法化する著作権法改正案を了承。
■今後の国会では…
山田太郎議員が著作権法案の国会質疑に立ち、議事録に細かい運用や今後の課題などを残す予定。
突然出てきた話ではない、ということがおわかり頂けたでしょうか。😁
自民党の政調審議会で了承。
■2020年2月28日
自民党総務会で了承。
■2020年3月3日
公明党の部会・部会長会議で了承。
■2020年3月4日
MANGA議連で再確認。
■2020年3月10日
閣議決定。
施行日は2021年1月1日とし今国会での成立を目指す。