さて、そろそろ面倒にもなってきたので…切り上げるために今一度まとめてから終えましょう👶「空気感染」問題ね。ツリーにします。
ばぶは、新型コロナウイルス SARS-CoV-2 の感染モードは「飛沫感染が主たるルート」であり、「空気感染は滅多に起こっていないだろう」、という立場ですと言っています👶これは変わらず。接触感染もると思うけど、とにかく飛沫感染が主体。
飛沫感染・空気感染の定義は昨日示したこの図の通りで、5μm以上の粒子が飛沫、5μm未満の粒子が飛沫核であり、飛沫核吸引による感染が空気感染と同義👶
この図の定義はばぶオリジナルでは当然無くて、結構古くからあるものを踏襲しているだけ👶
こちらのツリーでも述べていた👶
成書になってる教科書もこれを踏襲強いるものはたくさんあるのよね👶
というわけで、ここでつぶやいたような分類になる👶
 ・>100μm ダイレクトに飛沫で感染
 ・<100μm 滞留粒子の吸引で感染
 ・<5μm 空気感染…滅多に起こっていない

再度またこの図を見てほしいのですが、「飛沫感染」は5μm以上の粒子によるものと定義したので、上のツイートのようにすぐ落下するものと滞留するものがある、ということですね👶飛沫感染舐めるなよ、という感じになる。ダイレクトに飛んでくるモノだけではない。ここ大事。
さて、何度か触れていますが、エアロゾル・マイクロ飛沫についてはばぶは定義をしっかり確認できない(さまざまな使われ方をしている)ため使って説明しないようにしています👶
例示すると、WHO文書でも、飛沫核=aerosol としていたり、飛沫+飛沫核=aerosol としていたりするし、医療関係でない団体もエアロゾルの定義を出していたりするうえ、そもそも物理学的な定義によるエアロゾルはまた別👶
マイクロ飛沫にいたっては、なんのことやらばぶは把握していない👶だから聞かれても…分科会がどう言おうとしらない…もちろん定義を明確にしてくれれば多分理解できるとは思うんだけど…。
さて、定義をしたところで完結に👶
5μm未満の飛沫核による感染は、絶対無いとは言っていないよね。滅多にないだろうと言っている。これは麻疹等との比較(R0とかね)もあるし、粒子径が落ちると含有ウイルス量が大きく減ることなどから、妥当と考えているの。3密や医療現場では空気感染の危険はある。
5μm以上の飛沫感染は明らかにある、蓋然性としてある👶当然ながら飛沫を直接浴びるのもあるし、滞留粒子となった場合、吸引すれば感染する。なのでダイレクトに対しては距離をとること、滞留粒子もあるので3密は特に避けるということね。
というわけで、用語から整理すると、「空気感染はメインではないと捉えている」し、今まで普通に感染対策上は空気感染対策というと、N95マスクとか陰圧室になるわけだけど、そこがメインではないだろうから、そこまでは普通しなくてよかろう、ということよね👶
「空気感染=airborne transmission は別の定義でコンセンサスがある」とか言っている人がいるんだけど、それは嘘で、論文でも混乱しているので用語を整理しようという letter が Science誌にもでているよね👶なんなら、そのコンセンサスの定義を示してほしいなと思う。
ばぶも今仲間の研究者と letter を書き出したけど、疑問点はまずこの図の下の矢印のようなところ👶どう名付けるか。もちろん100μmで切るのが妥当かもよくわからないけどね。滞留することに注目してる。
なのでこんな提案はどうかなぁって今考えている👶
「滞留粒子感染 = retained particle transmission」あたりだと意味が通じるかな。滞留する粒子を吸うことによる感染ね。この部分を一部の人が「空気感染」と読んでいて混乱するので「ネオ空気感染」として分けたら、理解できなかった人がいたけど。
もちろんお気持ちはわかるのよ、空間にただよっている何かを吸い込んで感染する、だから、「空気感染」だ!と言いたいのはね👶でもそれは正確じゃない。用語も定義してないし、実態ともずれていると思われ、過剰な対策が必要なのかと勘違いしかねない。
従来から「空気感染」は定義があるので、混乱しないように用語・概念を整理したらいいよね、と言っている👶もしばぶが上で「滞留粒子感染」とした部分を「空気感染」と名付けたいなら、しっかり定義変更したことを明示し、周知させないとね。
あとは、そんな議論をしている暇はないとか、よくわからない人もいるけど、それは本当にただ「煽りたいから」でしょ👶正義感から来てるのかもしれないし、個人の確信・信念・お気持ちの問題もわかるんだけど、対策とも紐付いているので、そこは冷静に。
というわけで、とりあえず整理しておきました👶昨日からばらばらにツリー作らずにつぶやいてしまったからね。
うふ、宣伝しますと、来週発売のばぶの新書でも極簡単に感染経路についても触れてはいます👶ただあまりに簡単ですけどね。amzn.to/3mG1hLU
対策まで含めるとこの冊子はすごくよいです👶
5-6ページに大体の定義もあるし、感染対策とどう紐付くのかよくわかる。日本語ですしね。
square.umin.ac.jp/fittest/pdf/ft…
さて、というわけで、正しい知識をしっかり理解し、咀嚼し、行動しましょうと、ばぶは常に言っているわけで、「空気感染だ!」と定義もせずに「煽る」のではなく理解して適切に対策しましょう👶
そしてとにかく、バランス良く対策をしましょう👶

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3 Dec
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ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…
サマリー冒頭に定義あり👶
「Airborne transmission occurs only when infectious particles of <5 μm, known as aerosols, are propelled into the air.」
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