バイデンとハリスが揃って、アジア系への差別暴力を批判している。ホワイトハウスは殺された8名を悼み、昨日は半旗にしてました。
「アジア系と言っても、日本人は他のアジアの国と違ってみられてる(だからそこまで心配しなくてよい)」みたいなことを言う日本人(!)がいると聞き、呆れるとともに心底軽蔑する。

そして、こういう人達がいい例で、「差別意識」というのは単純に肌の色やエスニシティだけで説明はできないのだ。
前まえから言ってることだけど、わたしは「差別意識」というのは誰もが多かれ少なかれ、内側に持っているものだと思ってる。わたし自身も、自分でははっきりと意識してなくても、そう受け止められても仕方ない言動をとっていること、あると思う。他者から指摘されてハッと気づき反省したこともある。
誰もが多かれ少なかれ持っている。

人間はInsecureな動物だから。

自分のInsecurityを隠すために、自分をほかのだれかよりも優位にしようとあがき、あがいた結果が、腐った差別意識の発露になったりする。
誰もが持っている。

とはいえ、だからいいんだ、しかたないんだ、差別される側にも理由があるんだ、といった話には絶対ならない。

ぜったいにならない/してはいけない、それを各自が自分の中で個々にConfirmするべきときだと思うね。自分を含めて。
アトランタのアジア系マッサージパーラーの話を聞いて、もうずいぶん前のことだけど、かつて通い詰めていた東京のマッサージ屋さんのこと、思い出していました。駐在員時代、わたしは六本木に近い西麻布に住んでいて、麻布十番にあったアジア系の女の子ばかりがやってるマッサージ屋さんに通ってた。
いまもあのマッサージ屋さんがあるのかは知りません。現役で働いてたころはストレスで肩こりや腰痛が慢性化してて時間をみつけては、そこに通っていたのでした。すごく上手な女の子がいて、いつもその子にやってもらってました。日本語があまり上手じゃなく、わたしが行くと嬉しそうにして黙って仕事。
そのマッサージ屋さんは私の寝台のある場所と、隣の寝台との間にカーテンが吊ってあるだけで、たいてい静かにマッサージを受けることができたんだけど、たまに、ヘンなオヤジが明らかに「女の子めあて」で来てて、その会話がカーテン越しに聞こえてきて、ぶちのめしたくなったこと数度。
詳しくは書けないけどさ、「ぶちのめしたくなった」という表現で察してほしい。アジア系の女の子に対して、リスペクトとか、そういうの、カケラも示さず、ぞんざいな口ぶりのみならず、あからさまに性的興味示して彼女たちをオブジェクトとして扱うことに抵抗ない男は、日本にもやっぱりいるんだよね。
ああいう、あからさまな女性蔑視、アジアの女性に対する傲慢で暴力的とも感じられる態度、おまえ何したくて来たんだよクソジジイ!と内心腹立って、ときどき大きな咳払いしてみたり、テメエの話はカーテン越しに俺が聞いてるぞと示すために、自分を担当してる女の子に明るく話かけたりしたことある。
その💩がいなくなってから、「ああいう嫌なひと、ときどき、くるの?」と聞いたら、苦笑いして、カタコトの日本語で「はい、たまに・・・」と答えた。その麻布十番にあったマッサージ屋さんは性的サービスを看板に出してるわけではなかったけど、なんていうかさ、勘違いしてるクソは来てたわけだ。
人間て、自分の内側に抱えてるフラストレーションをうまく自分で処理できないと、自分より弱いと予めわかってる相手を標的にして自分の欲求不満をぶつけるひとって、少なからずいるよな。アジア系に対する暴力も、7割方が女性を狙い、わざと老人を選んで暴力ふるったりしている。
今回のアトランタの8人殺害は異常事件とは思うけど、そういう「暴力的ななにか」を抱えてるひとは、自分のすぐそばに、いつも、いるんだと思う。わたしに牙を向けてないから気が付いてないだけど、そういうのを内側に秘めてるひとは、どこにでもいるんだ、と思うとゾッとするな。
Abuse という言葉がふさわしい、そういう言動を、カーテンで仕切られた密室の、言葉もまだあまり上手ではない若い女性に垣間見せる。自分の直接の知り合いや、見られて都合悪い相手にはぜったいにみせないんだろうけど、そういう部分を持ってるヤツはいるんだよな。
差別行為って、いつも始まりは、相手に対するリスペクトの欠如だとおもう。そこから始まって、だんだんとエスカレートして、そのうち誰の目にも差別に見える言動をとるのに抵抗がなくなって、議事堂襲撃して黒人警官相手に酷い言葉で集団で絶叫したり、そこからさらに進むと今回の襲撃犯みたいになる。
議事堂襲撃の日、議事堂警備にあたっていたポリスたちのうち、黒人ポリスに対して、暴徒たちは酷い差別用語を繰り返し繰り返し、集団で絶叫し、すべてが鎮静したとき、黒人警官たちの中には呆然として、中には涙を流した者もいた、とポッドキャストのインタビューで聞いた。
タガが外れる、ということなんだろうけど、あの日の暴徒らは、集団だから怖くない心理と、自分たちは「ただしいことをしている(だって大統領がそれが正しいと言ってるから)」という奇妙な正当化と高揚感が混ざって、冷静なときには控えてるようなことも、平気でやるようになる。
黒人警官らだって、黒人に対する差別が「ない」なんて思ってないよな。思ってないけど、そうやって眼前で、目が据わった白人の集団がNワードを繰り返して自分を攻撃しようとする、何度も何度も、何度も何度も・・・その状況に、黒人ポリスらは強いショックを受けた。
自分に置きかえて考えてみたよ。わたしだって、アメリカにアジア系への差別が「ない」なんて考えたことないけど、いまこうして、あからさまに、そういう差別が表面化して、自分をアジア系とひとくくりにして、そのくくりごと攻撃しようとする者がいる、それをくりかえし見せられるショックは大きい。
とりとめもなく、おもいつくまま書き連ねてしまったけど、この件は、わたしにとっても、大きな大きな事件です。ちょっと散歩しながら、もうすこし、考えてみる。

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23 Mar
不正選挙陰謀論のタコシドニーさん、投票マシーンのドミニオン社から1300億円超の損害賠償裁判を起こされているが、裁判所に

「わたしの言ってたことを真に受けるようなひとはアタマおかしい」

という話にして、訴訟を逃れようとしてるぜw

それはその通りだが、いまさら「ウソです」とかナニwww
タコのシドニーさんが「ドミニオンとチャベスの繋がりとか、選挙に不正あったとか、そんなの出鱈目、ウソに決まってるでしょ、普通の頭してたら誰も事実だなんて思わないわよねぇ、んもー、訴訟止めましょ!」とか言い出してるが(爆笑)、さーて、彼女の相棒だったジュリアーニさんは、どう出るかなw
これはね、FOXのデマ野郎、タッカー・カールソンが、デマ流したと訴訟されたときに、「タッカー・カールソンのバカ番組なんて、マトモなアタマしてる視聴者なら『これは事実じゃないな』とすぐわかるはずでしょーが!訴訟すること自体が無意味よ~」という理屈で無罪を勝ち取った前例があるんだよ。
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22 Mar
アメリカでは前代の阿呆💩がチャイナウィルスチャイナウィルスと連日連呼してくれたおかげで、いま、アジア系への攻撃が具現化している。

日本人でも、武漢ウィルスなんて言葉を未だに連呼する人は、見かけ次第、わたしはブロックします。悪しからず。
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22 Mar
先日ウォルマートで買った冷凍中華があまりにも不味く、かといって、うちの近くにはトレジョはなく、いつも近所の中華料理屋からテイクアウトするのもしゃくなので、生まれて初めて、シュウマイを、見様見真似で最初から作ってみた。皮も、小麦粉から作ったよ。 Image
自分でも驚くほど上手にできた!初めてということもあって、上手に包めないし、玉ねぎきざみ足らずにデカすぎだしで、皮は厚いし、シュウマイ造るだけで2時間半もかかってしまった🤣 シュウマイだけで精魂尽き果て、他にはチャーハンしか作れなかったよ🤣 でも、これだけなんだけど幸せな気持ち😃 Image
自分で今回の反省点がわかったので、次回は、玉ねぎをもっと細かく刻むのと、皮をもう少し薄く伸ばしてやるともっと美味しくなるはず。場数を踏めば、きっと、もっと手際よくなれる!🤨🤨🤨
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21 Mar
パンデミックで、地域によって住居用不動産市場がものすごく盛り上がっている米国。狭くて高い都市部を離れ、郊外に移住先をもとめるひとたちが後を絶たない。
10年以上前の金融危機直後は問題の中心がサブプライムで、アメリカのResidential不動産市場は構造変化を起こしたと専ら言われていた。若い人は今後も都市部中心に住みたがり、持ち家比率は低下するだろうから、郊外の一軒家不動産に未来はない、みたいなこと言われてたけど、みごとに外れたね(笑)
10年前に居住用不動産市場が暴落した時20代だった若者は当時明らかな都会志向で、仕事帰りに友達とビール飲んだり外食したり車も要らないといったライフスタイルだったけど、彼らも30代になって家族持ちになった。人生で別のステージに入り、優先順位も変わって、彼らが買い手となり市場を支えている。
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21 Mar
今日3月20日は、実はフランキーのお誕生日なんです。2009年3月20日生まれ、今日で満12歳です。

シェルターから我が家に来たとき、フランキーは、まだ小さな子犬だったんです。お姉ちゃんのプリシラちゃんと。うちに来た日のこと、思い出すなあ。 Image
フランキーは生れてすぐに捨てられて、マンマと一緒にいる時間があまりなかったようだから、プリシラちゃんをマンマのように慕って、どこにいくにもくっついて、プリシラちゃんのやること、なんでもかんでもマネをしていました。(プラスチック容器に一緒に顔突っ込んでますw) Image
うちに来て間もないころ。骨を舐めてたプリシラちゃんの邪魔をして遊びたがる子犬のフランキー。いつもプリシラちゃんのあとを、こうして追いかけていました。プリちゃんは、とても良いお姉さん。(画質悪くてすまない)当時メイン州の外れに持ってたセカンドハウスで。
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12 Mar
1977年。英語ぜんぜん喋れないけど、憧れのサンフランシスコ旅行にドイツから一人で来たおじさん。乗り継ぎ空港のメイン州バンガー市が目的地サンフランシスコだと思い込み、数日るんるん観光w メイン州でもSFでも話題になり、一時期セレブになった。めちゃ面白い話。 sfgate.com/local/article/…
2/ フランクフルトからアメリカに飛行機に乗ってきたそのドイツ人のおじさんは、乗り継ぎ中継地だったメイン州の小さな空港に着いた際、搭乗員が「サンフランシスコ、楽しんでね!」と声をかけてくれたのを聞いて、サンフランに到着したのだと思い込んだ。
3/ おじさんはビールも飲みたかったし、スーツケースをひっつかんで小さなバンガー空港に降り立ち、入国審査を受けてタクシーに乗り、「ダウンタウンまで行ってください」と言った。運転手はバンガーのちっさな繁華街に連れていった。おじさんは、3日間、そこがサンフランだと信じて楽しく観光w
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