インターネットテレビ放送によるニュース番組「アベマプライム」にて、夏野剛氏による「メディアコンテンツのあるべき表現コード」のコメントが大きな波紋を呼び、波紋というかちょっとした炎上状態になってしまっている件についての所感
abema.tv/video/episode/…
abema.tv/video/episode/…
同番組の中で（直截的に言っているわけではないものの）「日本のコンテンツ表現はGoogleやAppleのプラットフォームを通るようにレギュレーションを再設定するべきではないか」と取れるコメントがあり、KADOKAWAの代表者としての見解であるとしたら、たしかに大きな批判が生じるのは無理もないだろう。
夏野氏が番組の流れで軽く、個人的感想として言ったのか、あるいは今後のKADOKAWAの方針としてそう述べたのか、それはわからない。わからないからこそ、表現物を納品するクリエイター側は「本当にGAFA基準のレギュレーションをやっていくの？」と訊きたくなってしまうのは当然だろう。
出版業やメディア事業者は、この国が「表現の自由」を憲法で保障していることの恩恵を一番に享受している特権的な立場にある。憲法から直接的な利益を得ている立場の者が、これを守るでもなく「海外市場に通るように表現を調整していきましょうね」などというのは、さすがに矜持がなさすぎるだろう。
ただし今回の騒動は「夏野氏のやらかし」で片づけるべき話ではなくて、かなり重要な知見を得ることができる。いま「表現の自由」を守るための闘いは、まったく別のフェーズに急速に進んでいることをはっきりと示しているからだ。
2020年代の「表現規制問題」は「憲法で保障された『表現の自由』を守れ！」というスローガン一本槍ではまるで通用しなくなる。「表現規制」は、そもそも「表現の自由」の問題ですらなくなっていく。表現の自由戦士たちにとって、2020年代はこれまでの戦略を大きく改革しないといけない時代になる。
「表現の自由」が侵害されることなく、しかし市民社会の表現の自由はどんどん失われていく――という、一見すると意味不明で矛盾しているような状況が、まぎれもない現実となっている。そのことについて問題を整理したダーク・テキストです。
スキ&シェアで、健康にいいという話を信じてコーヒー最近めっちゃ飲んでたら「コーヒー飲み過ぎたら脳卒中のリスクが増える」とかいうニュースを見てガッカリしている饅頭先生を応援しよう
• • •
Missing some Tweet in this thread? You can try to
force a refresh
