Thread by @ARK_kandu

【 TOKYO 2020 オリンピックは COVID-19 医療現場にどう影響するか 】
東京都などで，新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が，デルタ変異株の影響を受け，急拡大している。

開幕した東京五輪は医療現場にどのような影響があるか，できる限り客観的データに則して考察してみたい。《続

承前》東京オリパラ組織委によると，潤沢に PCR 検査を行い，また，大会関係者やプレスから感染しないよう，外部と接触を絶つとされている(バブル方式)。《続

新型コロナウイルス感染症対策 - 東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会 東京都ポータルサイト
2020games.metro.tokyo.lg.jp/special/guide/…

承前》バブル方式自体に綻びが見られる，という指摘もされている。

その場合，バブルの中と外，いずれかが CIVID-19 ハイリスク・グループで，ハイリスクからローリスクのほうに感染が拡大するのではないか，という疑問が生まれる。《続

https://twitter.com/kentarotakahash/status/1419799607761014835

承前》高橋健太郎さん @kentarotakahash と，リプライしてる人々のやりとりが勉強になる。

まず，バブル内がそもそも危険という論がある。《続

伊東乾「オリンピックで次々コロナ感染するアスリート 日本版『バブル』はウイルス充満で感染爆発の危険性」 - JBpress
jbpress.ismedia.jp/articles/-/662…

承前》一般論としては，ややミスリードな感じがする(詳細に見ると，傾聴すべき部分もある気がする，後述)。

一般論としては，いくらバブル内で感染者が出ても，感染が伝播しない限りバブル内が危険とはならないが，それは論証されていない。《続

承前》むしろ，一般論としては，(母数が違いすぎて比較が難しいが)感染率が低いこと，潤沢な検査により不顕性＝無症状感染者でも速やかに隔離されること，により，バブル内のほうが感染可能性ははるかに低い，と考えるのが自然であろう。《続

https://twitter.com/kentarotakahash/status/1419827683123372040

承前》以上は一般論なのだが「濃厚接触者でも，試合開始の６時間前をめどに実施する PCR 検査で陰性となれば，出場を認める」という特例がある。

PCR 検査陰性は必ずしも非感染を意味しない(偽陰性，検査の診断感度の問題)となると，PCR 検査陰性でも，理論的に感染させる可能性はある。《続

承前》PCR 検査偽陰性の感染者が感染させる可能性については，データがないので分からないが，１例でもクラスターが起こったら(実際に問題となったのは，男子サッカーの，南ア－日本戦だった)，「濃厚接触者とも試合をしなければならない危険性」が加味されることになる。《続

承前》データがないものの危険性は見積もれない。

結局，「バブルの内外どちらが感染危険性が高いか」という問いには，「バブル内のほうが感染可能性が低いと思われるが，濃厚接触者と試合などで接することとなる者に関しては分からない」という答えになろうか。《続

承前》この論点で結論付けたいのは「未だクラスター感染が起こっていないので，『大会関係者・プレスから感染の拡大が起こる』という事実は，現在のところない」ということである。

TOKYO 2020 オリパラに対してどういう立場を取ろうとも，この点は明確にしておきたい。《続

承前》(以上，「東京 2020 大会関係者が感染を拡大させるのではないか」論点終わり)《続

参考： 五輪選手，濃厚接触者でも検査陰性なら出場へ 特例対応： 東京オリンピック(新型コロナウイルス) - 朝日新聞デジタル
asahi.com/articles/ASP7J…

承前》《人流について》
人流について，「五輪のせいで人流が増加する」というデータは無観客によっておそらくなし，「五輪のおかげで家でテレビ観戦をする人が増えて人流が抑えられる」というデータも信頼できるほどではない，となっている模様。《続

https://twitter.com/nishiurah/status/1419873192026378241

承前》TOKYO 2020 オリパラに対してどういう立場を取ろうとも，「五輪によって人流が増加している」「五輪によって人流が抑えられている」いずれの立論も非科学的なのでやめましょう，という話。《続

https://twitter.com/nishiurah/status/1419979552843997188

承前》今後の人流に関しては，東京都医学総合研究所のサイトで。五輪効果による人流抑制があるか，注目される。(「五輪によって人流は増えた？ 減った？」論点終わり)《続

都内主要繁華街における滞留人口モニタリング(７月25日までのデータ) - 東京都医学総合研究所
igakuken.or.jp/r-info/monitor…

承前》《大会そのものの影響》
TOKYO 2020 オリパラの７月23日からの開催に賛成・反対いずれの立場をとるにせよ，６万３千人から10万人ともいわれる，大会関係者・報道関係者が東京を中心にいる(逆に東京オリパラが延期されれば居なかった)，ことの影響は否定できないと思われる。《続

承前》この大会関係者のうち，どの程度が COVID-19 に感染したり，その他の疾患・怪我などで医療リソースを使うか，ということの多寡に大きく依存する。「ほとんど影響はなかった」となるかもしれないし，「医療逼迫の一因となった」となるかもしれない。《続

承前・了》東京オリパラ全体が医療機関に与えた悪影響の程度，これは現時点で軽々に判断できないが，いずれにせよ，この感染急拡大の時期になぜ東京オリパラを開催したのか，という疑問は残らざるをえない。

声を挙げ続けるゆえんである。(「大会そのものの影響」論点終わり）。

《補足》上述の伊東乾氏の記事中に誤りがあるようです。

アンバー・ヒル選手(クレー射撃，イギリス)が「来日したものの」とありますが，ヒル選手はイギリス出国前の新型コロナウイルス検査(PCR 検査または抗原検査)で陽性となり，出国できずに欠場となった模様です。《続

承前》ご指摘いただいた，Hary @hary_en さんに感謝申し上げます。《続

「アンバー・ヒル選手が…来日したものの」
伊東乾「オリンピックで次々コロナ感染するアスリート 日本版『バブル』はウイルス充満で感染爆発の危険性」(p.3) - JBpress：
jbpress.ismedia.jp/articles/-/662…

承前・了》
参照： 世界１位のイギリス射撃女子選手，陽性判明で欠場 - BBC ニュース
bbc.com/japanese/57924…