医師の言葉を待ちながら硬いシーツに横になるのは無力を感じる経験だ。このプロセスを耐えられるのは、病院スタッフが不要なリスクから患者を守り、患者の尊厳保護の為に可能な限り最善を尽くすと知っているからである。しかし不穏なことに、トランス圧力団体のおかげでこれはもはや事実ではない。
政府が男女混合病棟の廃止を約束して10年以上が過ぎた後、トランス活動家はその復活を求める働きかけに成功した。テレグラフ紙の調査によれば、イングランド中のNHS病院の女性病棟への入院はもはや生物学上の性で決められるのではなく、個人の好むジェンダーアイデンティティに依っているのだという。
腰の手術の為に入院中の80代のグラディスは、180cmを超え、以前はデレクという名だったペニスあるトリクシーベルが同じ病棟に入院する権利を完全に満たしている事に気づいていないかもしれない。トリクシーベルにとっては正当性を感じ、力づけられる事かもしれないが、一方でグラディスのような
女性たちがどう感じるのかを誰も聞こうとはしない。万が一にもグラディスが勇気を振り絞って何故、彼女には男に見える人物と同じ病棟に入れられるのかを問えば、彼女はトランス差別者とされ孤立に追い込まれるかもしれない。
ノッティンガムシャーのNHS財団ポリシーはこう言明する。「本財団は人種差別的な懸念が不快感として表明されても、それに合わせて医療行為を行わないのと同様に、トランス差別的な懸念が不快感として表現されても、それに合わせて医療行為を行う事はありません。
これには、トイレ、更衣室、男女別の宿泊施設などが含まれます」。
似たようなガイダンスは英国中で見られる。それならグラディス、愚痴は言うな。この偏狭者。トリクシーベルの感情はお前のそれより重要なんだよ。
似たようなガイダンスは英国中で見られる。それならグラディス、愚痴は言うな。この偏狭者。トリクシーベルの感情はお前のそれより重要なんだよ。
男女別病棟は貞淑ぶった上品さへの譲歩ではない。-それが存在するのは男が平均的に女より力が強く、暴力的になりがちだからである。不愉快で古風な真実だが、私たちは認めなくてはならない。犯罪統計は裏付ける。性犯罪で起訴された98%、人に対する暴力で起訴された84%が男なのだ。
今日では、性の違いを無視する事は政治的に都合が良い。権力の座にある女性を指し、出世する為に全ての女性に必要なのは「踏み出すこと（lean in）」であり、もっと男のように振舞うことだと偽る。しかしどれだけ多くの女性がリーダーとなろうと男の暴力は蔓延しており「私は女性だと自認しています」
という魔法の言葉では取消せない。だからこそ、女性が最も脆弱で、病院のベッドで臥せっている時はそこが女性専用の空間だという確約が必要なのだ。男にとっても、安全性の問題は無いにしても尊厳の問題がある。自分を男だと信じる若い女性の前で、快適に前立腺の問題を話せる男が何人いるだろうか？
私たち皆、自分の好きな方法で何にでも同一化する権利があるが他人に自分を受け入れろと強制する権利はない。英国人は一般的にかなり寛容な集団で、ヨガ教室で自分はクレオパトラの生まれ変わりだと思いこむ妙な女性を受け入れるように、自分が異性だと思っている人を喜んで受け入れる人が大半だ。
しかし、個人の嗜好や妄想が確立された権利を侵害し始めたら、私たちは腰を上げて注意しなくてはならない。クレオパトラの代理人がお布施を要求し始めたら、私たちには「ノー」と言う権利がある。
性の違いは私たちのDNAに刻み込まれており、自然にせよ、育まれたにせよ、一部の女性が男性に対して抱く恐怖は正当なものであることからは逃れられない。性は人類よりも古い。性はもはや問題ではないというふりをすることは、潮の流れに逆らって立ち塞がったカヌート王と同じくらい破滅的なものだ。
NHSが、性は今なお重要だと気づくまでにいったい何人の女性患者が危険にさらされるのだろうか。
終
終
• • •
Missing some Tweet in this thread? You can try to
force a refresh
