フェミニズムとは、女性も主体になろう、例えそれが女性自身に出来なくても主体が享受する権利を女性も持てるよう社会を改善しようという運動だが、正に当の主体性そのものが男性性そのものであるために何でもかんでも批判し続けることで自己を維持するしかないという自家中毒に陥っている。
そういうフェミニズムの結末を踏まえて見ても、女が主体性を持つのは無理なんだと思う。それは女が男より動物であり、一貫したアイデンティティを自ら確立する必要が無い生き物だからである。文明の表舞台が殆ど男によって作られてきたのは当たり前なのだ。ただ、だからこそ男は生き物としては弱い。
男は、幾ら力が強かろうが理知に長けていようが、わざわざ一貫したアイデンティティを確立せねば生きられないのだから、そんなものに拘らずに生きていける女よりは当然弱いんである。ただ、そんな男が文明を作ってきたのだから、女が台頭すれば文明は崩壊していくのも至極当たり前のことだろうな。
前にこの連ツイに書いた話と同じ話である。
フェミニズムが、古くは啓蒙主義や社会主義、或いはその批判的超克であるポストモダニズムに支えられながら生い立ったのは、男の思想家達の一部が今の自分を支える一貫性を破るまでそれを批判的に検討する一貫した誠実さを示したことに由来するのだろう。ニーチェのキリスト教における誠実さの議論。
フェミニズムの批判者の多くが現在では進化心理学などの生物学的な見方に拠っており、概してポストモダニズムの批判者であることは非常に皮肉な事態だと常々思う。後者二つは何方も、(少なくとも表層的な流通の観点で見れば)明らかに主体性を否定する思想だからである。
僕は一人の男性として、主体性を手放す訳にはいかないと考えている。主体化こそが、人間を単なる動物でない人間にするものである。そしてその主体化が、歴史的な共同性の中で生い立つものであることを絶対に閑却してはならない。

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