彩葉@iloha_train さんのツイートから今昔マップで津のあたりを見ると中勢に安濃と津だけでも軽便が2社あった訳で、伊勢周辺の近代における資本蓄積の大きさをひしひしと感じる。思いつくだけでも同一県内に松阪・三重・四日市・中勢・安濃・北勢でぱっと5社も軽便鉄道があった訳だからねぇ…。
伊勢鉄道→伊勢電気鉄道も元はサブロク軽便だし。
1910年頃の軽便鉄道ブームの際、あちこちで雨後の筍の様にニブロク軽便鉄道の設立・開業が相次いだが、それにしても三重と岡山、それに静岡の開業数は他府県比でも異様に多くて。なお、北部九州の3フィート軌間のアレはほぼ全て軌道、それも馬鉄上がりが大半なので事情が異なる。
ちなみに我が兵庫県は赤穂鉄道たった1社。別府・出石・篠山・新宮と軽便鉄道法準拠の地方私鉄は幾つもあったが、それらはサブロクか準軌でニブロク軽便は赤穂1社のみなのだった。
まぁ、三重の場合は旧来の街道から外れた場所に関西鉄道や参宮鉄道が路線を敷設した結果、衰退しかかったかつての宿場町などの都邑が巻き返しを狙って路線を敷いた例が大半で、この傾向は岡山や静岡でも概ね共通する。
無論、岡山の中国鉄道稲荷山支線や静岡の浜松鉄道(→遠州鉄道奥山線)の様に街道ルートの再興とは無関係に沿線の神社仏閣への参宮・参詣を目的とした路線もそれぞれあった訳だが。
複数が林立した地域の軽便鉄道は総じて街道衰退への対策という性格が色濃く、井笠にしても下津井にしても参勤交代の経路であった街道の(物流・人流の)再興が重要なタスクになっていた。
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