2021.9.9 AERA
『空気感染』が主流だった
滞留12時間超のエアロゾルにも
やっぱり『マスク』と『換気』

「感染した人から飛び散る,ウイルスを含んだ微小な粒子,エアロゾルによる空気感染が主な感染経路だとわかってきた。マスクのつけ方や換気がより重要」

西村秀一先生
1/
dot.asahi.com/aera/202109070…
エアロゾル感染の広がり方

エアロゾルは全ての呼気活動で発生
感染者のものにはウイルスが含まれている可能性

✳️飛沫
重く気流に乗れない

✳️エアロゾル
気流や換気の影響を受け空気の流れに乗って他の部屋にもいく
≧5μm:主に鼻咽頭領域に沈着
≦5μm:鼻や口腔を通り抜け気管支や肺胞にも侵入
2/
2021年8月18日、物理学や感染症など多彩な専門の科学者約30人が、もっと空気感染を重視した新型コロナウイルス対策をとるよう求める緊急声明を出した。
web.tohoku.ac.jp/hondou/stat/
3/
『最新の知見に基づいたコロナ感染症対策を求める科学者の緊急声明』
web.tohoku.ac.jp/hondou/stat/
4/
⚡️【緊急声明:空気感染が主たる経路】
📌声明文 📌朝日 📌産経
📌モーニングショー 📌女性自身

✅ウイルス対応マスク装着,熱交換換気装置,空気清浄機,フィルター等の活用
✅有効と予想できる対策は,中立的組織による効果の検証を平行しつつ,公平性や安全性に配慮して実施
5/
twitter.com/i/events/14316…
「政府の分科会などの専門家が国民に対してきちんと新型コロナウイルスは空気感染すると説明していないために、個人も職場や学校などでも空気感染対策が不十分です。政府の対策には部分的に空気感染対策になっているものもありますが、改善の余地がまだたくさんあります。」
6/
声明への賛同者の一人、仙台医療センターの西村秀一ウイルスセンター長は指摘する。

厚生労働省は、サイト「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)8月26日版」で感染経路について、「一般的には飛沫感染、接触感染で感染します」と説明している。
mhlw.go.jp/stf/seisakunit…
7/
昨年7月、西村センター長を含め世界の感染症や環境工学などの専門家200人以上が、空気感染の可能性が高いと注意喚起する見解を米感染症学会の学術誌に発表した。
academic.oup.com/cid/article/71…
8/
⚡️【WHOへの空気感染提唱論文】
2020.7.6 Clinical Infectious Diseases
『COVID-19のエアボーン空気感染に対処する時である』
著者239名
9/
twitter.com/i/events/13833…
WHOはこれを受けて2020年7月、「人の密集した換気の悪い空間で、空気感染が起きた可能性は否定できない」と、限定的に空気感染の発生を認めた。
10/
WHOは2021年4月には、感染経路についての説明文を変更し、「ウイルスの含まれたエアロゾルや飛沫を吸い込んだり、それらが目や鼻、口に直接入ったりして感染する」と、エアロゾルを飛沫より先に言及するようになった。
who.int/news-room/q-a-…
11/
米科学誌「サイエンス」電子版に2021年8月27日公表された台湾や米国などの研究チームによる総説(解説)は、200本以上の論文を基に、新型コロナウイルスを中心に呼吸器感染症の空気感染についての最新の知見を紹介している。
12/
science.org/doi/full/10.11…
⚡️【呼吸器系ウイルスの空気感染】
2021.8.27 Science REVIEW
✅屋内と屋外の感染率の顕著な違いは空気感染でしか説明できない
✅空気感染する病気のR0値は様々であり科学的根拠はない
✅換気(再循環回避),CO2センサー,気流,空気濾過,紫外線消毒,マスクのフィットが重要
13/
twitter.com/i/events/14315…
2021.8.27 Science REVIEWの説明
「換気の悪い屋内で感染が起きやすく屋外では起きにくいという疫学データは、空気感染でしか説明できない。飛沫感染や接触感染の起こりやすさは、換気の良し悪し、屋内や屋外という違いに影響されないからだ」
14/
エアロゾルと飛沫の違い

従来は、エアロゾルは直径5μm未満、飛沫は5~100μm程度とされてきた。しかし新型コロナウイルスの粒子の大きさによる空気中の動態の違いなどを観察すると、5μmではなく、むしろ100μmを境に性質の違いが明確になるため、100μmで線引きするべきだと考える専門家が増えてきた
15/
100μm以下をエアロゾルと定義するにしても、生じるエアロゾルの多くは5μm以下だという。
以前は、小さなエアロゾルは人工呼吸器の管を抜くといった医療行為で生じるとされてきたが、せきやくしゃみでも出るし、歌う、大声を出す、話す、呼吸をするなどの最中にも発生することがわかってきた。
16/
■2mを超えて漂う
サイエンス誌の総説によると、100μm超の飛沫は重力の法則により、高さ1.5mで排出されると5秒未満で1~2mも飛ばず落下する。
17/
エアロゾルは大きさが、5μmなら33分間、1μmなら12時間以上漂い、2m以上遠くまで行く可能性がある。空調システムによっては、別の部屋に流れていくこともある。ニュージーランドでは帰国した人が隔離生活を送る建物の空調が上下の部屋でつながっていたために、上下の部屋で感染が起きた
18/
【呼吸器系ウイルスの空気感染】
2021.8.27 Science REVIEW
science.org/doi/full/10.11…
19/
ただし、西村センター長は、空気感染することと、感染しやすさは別の問題だと言う。
「空気感染について、すれ違っただけでうつる、感染がまたたく間に広がる、というイメージを持つ人がいますが、感染を媒介するのが空気というだけです」
20/
空気感染の場合でも飛沫感染同様、やはり感染者の近くにいる人が感染しやすく、離れれば感染のリスクは低くなる。感染者の周りはエアロゾルの濃度が高いからだ。人との距離をあける、3密を避けるといった対策は空気感染の場合も有効だ。
21/
空気感染を念頭に置いた対策として、冒頭の緊急声明はマスクと換気の重要性を強調する
web.tohoku.ac.jp/hondou/stat/

■マスクはぴったり装着
CDCなどによると、不織布マスクは効果が高い。ただし、鼻や頬、あごにぴったりくっつくように着用しないと、隙間からエアロゾルが出入りしてしまう。
22/
「“ポリウレタン製のマスク”は単独ではほとんど効果がありませんが、不織布マスクを顔に密着させるために、不織布マスクの上から装着するのはひとつの手段です」(西村センター長)

マウスシールドやフェイスシールドは空気感染を防ぐ効果はほとんどない。
23/
米サイエンス誌の総説(science.org/doi/full/10.11…)によると、フェイスシールドは単独の場合、エアロゾルがシールドの下部にたまり、むしろ感染リスクを高める恐れもある。
飲食店で使われる透明なパーティションも、パーティション内部のエアロゾルの濃度を高める恐れがあるという。
24/
住宅の換気は、熱中症などに注意しながらこまめに窓やドアを複数箇所開ける。それが無理なら、扇風機を使って部屋の空気が外に出やすいようにする。
24時間換気システムが設置されているなら常時、稼働させ、キッチンや洗面所などの換気扇もこまめに稼働させるといい。
25/
人の大勢集まるビルの場合、フィルター付き空気清浄機を導入したり、UV殺菌装置でウイルスを不活化したり、二酸化炭素濃度測定器をおいて換気の必要性をこまめにチェックしたりするのも対策のひとつだ。
26/

• • •

Missing some Tweet in this thread? You can try to force a refresh
 

Keep Current with エアボーン.再循環空調改修.CO2<800ppm.Airborne/空気感染

エアボーン.再循環空調改修.CO2<800ppm.Airborne/空気感染 Profile picture

Stay in touch and get notified when new unrolls are available from this author!

Read all threads

This Thread may be Removed Anytime!

PDF

Twitter may remove this content at anytime! Save it as PDF for later use!

Try unrolling a thread yourself!

how to unroll video
  1. Follow @ThreadReaderApp to mention us!

  2. From a Twitter thread mention us with a keyword "unroll"
@threadreaderapp unroll

Practice here first or read more on our help page!

More from @AirborneKanki

12 Sep
2021.9.12 毎日新聞
国や専門家が認めないコロナ
『空気感染』は不都合な真実か

「政府が感染経路をごまかしてきたことが感染を拡大させた元凶だ」

清水宣明先生
1/
mainichi.jp/articles/20210…
新型コロナウイルスの主要な感染経路として政府が否定している「空気感染」を前提とした対策を取るよう求めて、感染症などの専門家38人が緊急声明を出した。声明に名を連ねた一人で感染制御学が専門の愛知県立大の清水宣明教授に話を聞くと、国が頑なに空気感染を認めてこなかった理由が見えてきた
2/
『最新の知見に基づいたコロナ感染症対策を求める科学者の緊急声明』
web.tohoku.ac.jp/hondou/stat/
3/
Read 36 tweets
11 Aug
2021.8.10 NHK
【フェイク・バスターズ】
「新型コロナワクチンと誤情報」
見逃し配信~2021.8.17
plus.nhk.jp/watch/st/g1_20…


✅『NHK』は、『こびナビ』の先生方による過去の悲しい言葉、誤情報をチェックしたうえで放送したのだろうか?
1/
nhk.jp/p/ts/XKNJM2197…
ナレーター
「最低限これだけは言えると合意がとれたものを発信するようにしている」

【木下喬弘先生】
「つべこべ言わずに打て」
「未知のリスクが後からわかっても道義的な責任など発生しません」

【峰 宗太郎先生】
「マスクが外せるのは年内」


✅メンバーはこの言葉も合意したのか?
2/
【黑川友哉先生】
「今回のワクチンは、数日以内に体内から消えるので、長期的な副反応は考えにくいです」


✅『数日以内に体内から消えるので』?
✅コミナティ適正使用ガイドで、重要な潜在的リスクとして、疾患増強(VAED/VAERD)を設定していることを伝える必要がある
3/
Read 6 tweets
10 Aug
2021.8.4
📌 阪神百貨店 梅田本店 128人感染
📌 阪急百貨店 うめだ本店 34人感染

「阪急百貨店では消毒を徹底したうえ、通常通り営業しています」


✅過度な消毒は不要
✅空調の点検・改修をしてから、営業してほしい
ktv.jp/news/articles/…
2021.8.6
📌 阪神百貨店 梅田本店 138人感染
大阪市保健所「一部のエリアの従業員に感染者が限定されていて、従業員が大勢で集まったこともないことなどから、客経由で感染が広がった可能性があると指摘」


✅新鮮空気の給気が少ない換気の悪いエリアを特定する必要がある
mbs.jp/news/kansainew…
2021.8.3
📌ルミネエスト新宿 59人感染
「臨時休業して一斉消毒」


✅過度な消毒は不要
✅ダイヤモンド・プリンセス号と同様の再循環空調の可能性があり、CO2濃度測定やスモークなどによる調査と空調改修が必要かもしれない
www3.nhk.or.jp/shutoken-news/…
Read 5 tweets
9 Aug
2021.8.8
『手指のアルコール消毒はどこまで有効か』

【西村秀一先生】
「今や“慣習”と化してしまったアルコール消毒が続くことで“消毒警察”が現われないよう、切に祈りたい」
1/
news-postseven.com/archives/20210…
【西村秀一先生】
<肌のバリア機能を破壊>
「皮膚の表面の角質層には細菌などの病原体から体を守るバリア機能があります。ウイルスを防ぐつもりが、過剰なアルコール消毒で手荒れを起こし、他の細菌からの防御ができなくなることがあります」
2/
<”換気”しなければ本末転倒>
「コンビニのレジにあるビニールカーテン、飲食店のパーティションも感染対策としてはほとんど意味がありません。目の前の人への飛沫の直接到達は防げても、ウイルスを含むエアロゾルはカーテンやアクリル板など簡単に越えてしまう。レジのすぐ後ろが壁なら、→
3/
Read 4 tweets
24 Jun
【エアロゾル感染】
2021.6.23 クローズアップ現代
『空気中の微粒子からの感染,対策は?』

西村秀一先生、林基哉先生ら
nhk.jp/p/gendai/ts/WV…
見逃し配信(2021.6.30まで)
plus.nhk.jp/watch/st/g1_20…
1/
キャスター
「WHOが4月下旬から注意を呼びかけているのが、こちらです。新型コロナウイルスを含んだエアロゾルによる感染なんです。このエアロゾル、日本ではこれまで"マイクロ飛沫"😭とも表現してきましたが、これを介した感染の実態が、様々な調査そして研究から見えてきました」
2/
ナレーター
「エアロゾルによる感染を早くから指摘していた医師がいます。ウイルス学が専門の西村秀一さんです。WHOに対して、その対策の必要性を世界の専門家たちとともに訴え続けてきました」
3/
Read 43 tweets
23 Jun
2021.6.11 (Accepted) Cell
[In vitro and in vivo functions of SARS-CoV-2 infection-enhancing and neutralizing antibodies]

[SARS-CoV-2感染増強抗体および中和抗体のin vitro(試験管内・生体外)およびin vivo(生体内)での機能]
cell.com/cell/pdf/S0092…
1/ Image
🟢SARS-CoV-2中和抗体(NAbs)はCOVID-19から保護する
🟢SARS-CoV-2抗体に関する懸念は、抗体が病気の増強を媒介するかどうかである
2/
🟢ここでは、SARS-CoV-2の受容体結合ドメイン(RBD)およびN末端ドメイン(NTD)に対する中和抗体(NAbs)を、急性または回復期のSARS-CoV-2感染者、あるいはSARS-CoV感染歴のある人から分離した
3/
Read 6 tweets

Did Thread Reader help you today?

Support us! We are indie developers!


This site is made by just two indie developers on a laptop doing marketing, support and development! Read more about the story.

Become a Premium Member ($3/month or $30/year) and get exclusive features!

Become Premium

Too expensive? Make a small donation by buying us coffee ($5) or help with server cost ($10)

Donate via Paypal Become our Patreon

Thank you for your support!

Follow Us on Twitter!

:(