Thread by @bci_

この中国の元警官によるウイグル弾圧の告白…私も、新疆ではないが、別の地域を旅していた時に、この記事の内容に近い状況を見たことがあり、記事はデマカセじゃないのだろうな…と思った。

中国では新疆以外でも、「戦闘地域」があるのだ。

https://twitter.com/bci_/status/1445764004417212431

私がその地域に着いた時、町の「空気」が殺伐としているのに気づいた。人間の距離感とか、地元の人が睨みつけてくる感じ。少数民族が多い地域だった。漢族はマイノリティなので、反日暴動が頻発していた時期だったが、「鬼子」の私も中国語が出来るため、ここでは「名誉漢族」で扱いは悪くなかった。

夜中に食事のため町に出た。私は、暴漢に襲われて裏道に引きずり込まれるのを防ぐため、こういう時には通りのど真ん中を堂々と歩く。すると、通りの端っこをコソコソと歩く数人の男がいて、変な感じがしたので、近寄って見てみると（田舎なので街灯もまともにはないのだ）、迷彩服を着込んだ軍人だった

中国で軍人は社会的地位が高い。一般的な中国の都市だと、どこでも堂々としてるのが普通だが、ここでは人目を避け、通りの端っこの暗がりをコソコソと歩いているのだ。見ると丸腰だ。たぶん、非番で町に出てきたのか。地元民と衝突にならないよう非武装なのだ。だから借りてきた猫のようにおとなしい

私はこの町に着いてから、地元の少数民族に「おかしな習慣」があるのに気がついていた。彼らの中の一部は私に「おじぎ」をするのだが、それはみんなガタイのいい不気味な感じの男ばかりで、頭を下げるだけでなく、上半身全体をかがめるように折り曲げ、私をにらみつけ、威嚇するように笑うのである。

なぜあんな不自然な「おじぎ」をするのか不思議だったが、この少数民族は日本の「どてら」みたいな上着を着ており、おじぎをすると「どてら」の中が少し見える。何人目かで気づいたのだが、どてらの中に何かがチラっと見えた。というより、「それ」を見せびらかすためにおじぎをしているのではないか…

私が「それ」に気づいて、よーく見ようと目を凝らしていると、男はどてらを少し開いて見せてくれた。

それは、どうやら拳銃のグリップで、ショルダーホルスターのようなもので身につけ、どてらの下に隠し持っているのだった。

ようするに、「おじぎ」じゃなくて、私は拳銃で脅されていたのだ。

数日その町にいてわかったのだが、そこでは多数の民族が棲み分けており、私はそれを知らずに町の中をほっつき歩き、漢民族と勘違いされ（私は北京訛りの普通話しかできないのだから、少数民族からすれば日本人とわかるわけがない）、少数民族のテリトリーから出ていくように脅されていた…というわけだ

それから、普通話が出来る者を探して、私が漢族ではなく日本人であることを説明し、町の事情を聞き出してみたが、「ここでは数ヶ月に1回、戦争がある」とのことだった。だから、少数民族は武器を隠し持っている。兵士は治安維持のため遠方から派遣されるが、無事に帰ることばかり願い、士気は低い。

CNNの記事に出てくる新疆でウイグル人は武装してないし、「戦争」もやってないわけだが、一通り読んでみて、他の地域から報酬や特典で集めた「警官」を送り込み、赴任先を「戦争地域」と扱って弾圧する…というのは、私が見てきた場所とも似通っている…記事は作り話じゃないのだろうな…と思った。

日本みたいな平和な国にいると想像できないのだが、中国では統治が不十分な「占領地」みたいな地域があって、地元の少数民族が武装し、海外では報道されないような「小競り合い」を当局とやってたりするのだ。CNNの記事は、元警官の証言から、その「鎮圧」の仕組みを垣間見せてくれたものだろう。

ちなみに、私が旅の途中で紛れ込んだ地域は、その後10年近くは「数ヶ月に1回」の「戦争」をやってたようだが、当局側が武装を近代化させたり（ヘリとか使うようになったらしい）、道路も整備されたためか、完全に「平定」されたようだ。現在の新疆も、私が行っていた地域と同様の過程にあるのだろう。