Thread by @okadaic

興味深い。言われてみればたしかに。

https://twitter.com/kanose/status/1448052550150672385

続）私も、直接の知り合いなどは皆無であるものの、昭和末期『花とゆめ』や『ウィングス』みたいな媒体に男性読者がついてることには何の違和感もなかったのだけど、何が境目なんだろう、90年代後半あたりから「男には理解されないもの」という諦念に達した。『エヴァ』かやおい論争なのかもしれない。

続）これについて、自分はあくまで（周囲のほぼ全員が夢能およびやおい能を有する女子校を出て、進学を機に男女混合社会に躍り出ていった）（そのタイミングがIT革命的なるものと重なっていた）「個人史」の範疇なのだと思っていたけれど、もしかしたらもう少し広い時代性を孕むものなのかもしれない。

続）私がやおいフォビア的言説を認知したのは、やおい論争後、シンジくん＆カヲルくんについて、熱狂する女子と同じくらい忌避感を示す人々の存在を、インターネットを介して、知って以降じゃないか。その手前では小沢＆小山田への（今で言う）萌えさえも数少ない知人男子と共有できてたと思うのだが。

続）大島弓子が好きな自称少女漫画オタク男子に『メッシュ』のことを「パリのホモの話」と言われて大変ショックを受けたのが、2000年前後なんですよね。あの頃はそれを個人史と思っていた。けどもう少し根深い話で、彼にとってはその「うそぶき」が時代性だったのかもしれぬ。

https://twitter.com/okadaic/status/1185892977241145345?s=20

続）女オタクが女同士でインターネットを介して「私たちは一人じゃない」と互いの存在を頼もしく思い、蔑称だった腐女子を自称に転じさせたのと同時期に、男子のうちそれまではインテリ仕草として発露を控えていた「うっすら女とホモが嫌い」な心情を、匿名のまま連帯に使った人々がいても驚かないな。

続）うーんでもやっぱり個人史に過ぎない気もする、私は「男女混合社会に出る」と「インターネットに触れる」が同じ1998年で、その手前にあった男女が机を並べて互いの同人誌を即売会で頒布し合う文化圏を知らんのよな。大学で初めて「同い年の男のオタク」を見た。あまりに時代性と合致しすぎている。

続）女子校在籍時から鳥坂先輩みたいな大人の男オタクとは交流があったが、みんな世代が上で常識的な振る舞いしかしなかったし、全然参考にならない。ずっと言ってるが私は00年代初頭まで「男のFANKS」も「男のFSS読者」も生で知り合ったことなかった。女の園には同世代同性のオタクしかいないからだ。

続）それで急に「女でFSSなんか読む奴は見たことがない」「TMNで腐女子妄想するのなんてごくごく一握りに過ぎず、買い支えていたのは男だ」とか言われて本当にびっくりしたんですよ。同じ年のコミケ行ってたはずなのになんでそんなに見えてる世界が違うんだろうと。自分の視野の狭さも反省したけどさ。

続）ずっと同じ時代の話をし続けてるのどうなの、と思わなくなはないが、たとえば私はBTSについてこれからどんなに熱中しようともこんなふうに個人史と絡めては語ることができないので、惑星直列みたいだったタイミングについては他の人よりうるさめに書き残しておくのがいいのかなと考えております。

続）やおいが好きで、エロが好きで、そのことを親をはじめ大半の大人の前ではコソコソ隠していて、なぜかって「世間は同性愛妄想を好む私のような女オタクをうっすら嫌い」だとは知ってたからなんだけど、「世間とは『男』のことである」とは、まだ知らなかったのが、90年代末に10代後半だった私です。

続）逆に、私がそうした衝突を経て「は？ この趣味は別に何も恥じることじゃねえし、やおい論争だって真剣10代あれこれ考えたし、大人の男だけがオタクだと思うなよ！」と半ば狂犬じみた開き直りを始めたのも、ほんの00年前後からなのだ。その手前はモジモジコソコソしてたの自分でも忘れそうになる。