タイムラインに華やかで楽しくて怖い漫画を読みたい人いますか? はるな檸檬『ファッション!!』を読め……なんかもう、何なのこれ怖い……なんちゅうところで一巻終わるんだ、やだよう……もっとやれ……(どっちなんだ)。御恵投感謝!
続)言葉選びが難しいですが、私、30代も半ばになってから美大行ってファッションデザイン学科の年若い学生たちとESLの教室で机並べたりしていたのですよね。その前と後とでは感想が全然違っただろうと思う。拙い観測範囲で恐縮ですが、「いる」とだけ。「いる」よ。こういう人。ファッション業界に。
続)私と同じ留学生で、私と違ってファッションを志しており、実家は太そうだがいつもお金がなく、だがしかし、どこから放たれるのかよくわからない「華」および、よそであんまり見ない謎の狂気と人たらし力でもって、ぐいぐい業界に食い込んでしまう、AくんとかBちゃんとか、完全にジャンくんですよ。
続)私はファッション業界のことマジで全然知らないので「ふーん、天才なんだなぁ」と思って普通に付き合ってたのですが、気づくと搾取されていたり、なぜか無関係な私がその子の代わりに別の人に謝ったりしてて、なんで他の大人はみんなそんなにスッと彼らと距離を取れるんだろうと思っていたよ……。
続)その後「ファッション学科にはああいう厄介な子が毎年どしどし来ては大半がモノにならず消えていくし、残って輝いているほんの一握りの天才と見える若者だってアレである可能性が高い」といった話を聞いて、自分が2年間で何を垣間見たのか少しずつ理解してきたところに、スゴイ「解説」が来たわ。
続)「こんなに人を振り回してThank youの一言も言えないようじゃダメだよ」と説教してあの表情で「はぁ」と言われながら「私なんでこの子に説教コスト支払う羽目になったんだっけ、親とか先生とか共同創業者とかの仕事では……?」となった記憶などがよみがえり「逃・げ・て!!」と叫びながら読む。
続)本当に本物のファッション業界で真面目にコツコツ頑張ってる人からは「悪質な風評被害だ」と叱られるかもしれないが、いや、だって、「いる」じゃん……あなたがたも知ってるんでしょ、なんで見えてるのに見えてないフリするの……え……? とそれがまた怖くなるので「いる」って言ってよォォォ!
続)連載ページで結構な話数が読めるので読んでくれ。
bunshun.jp/category/fashi…
続)タダ働きは……タダ働きは本当にいけない……そして「タダ働きはいけない」や「周囲の信用を削りながら人に物を頼みすぎてはいけない」といったことを真面目にコツコツくどくど言っている人から順番に「輪」からはじかれていく業界というのは、きっとファッションに限らず多々あるのであろう……。
続)「あの人やその人のお洋服があんなに高価いのは、こうしてみんなが流してきた血の色した涙の値段なの……?」と思いながら読むヒューマンホラーだと思います。そういえば母校にはデザイン科の他にファッションマネジメントの学科もあったけど、若くしてそっちに身を投じる人たち本当にすごいよ。
続)シノギを削る業界モノでも、青春を謳歌する専門学校モノでもなく、「これから業界に殴り込む前段階で、ダイヤモンドの原石だけどすでに悪評も立っており、一方で協力してくれる年嵩の大人も続々集まって(きてしまって)いる」状態から始まるの、私は他に見たことがないので、めちゃ刺さりますね。
続)ジャンくんみたいなAくんとBちゃんとCくんとが学生寮でパーティーやるから来いと言われ、なんか怖いからいいやと断ったら、もちろん誰もパーティーの仕切りなんかできないので大喧嘩のち解散して流れた、という話を思い出している。行くと言ったら私が事前準備を全部やる羽目になったのだろう。
続)単なる姫キャラというのとも違うんだよなー。ちなみにもちろん学科の全員が全員そうなわけではなく、むしろマトモなファッション学科の子たちはものすごく嗅覚が鋭いので付き合う相手を厳しく選んでいて彼らとバッツリ縁を斬ったりする、結果、グラフィック科で親子ほど歳の違う私のところへ来る。
続)「あんたたち、そんなことじゃ社会に出てやっていけないよ!?」と言ったこともあるが、その彼らが郷里帰って母国の助成受けてブランド立ち上げて新進気鋭の社長兼クリエイティブディレクターとして取材受けて経営など語って私より社会に食い込んでる……ファッション、怖いようファッション……。
続)これは2巻以降を読まないとわからないが、ファッションビジネスの構造が変わらぬ吸引力で「こういう若者」を惹きつけ続けるのか、それとも「こういう若者」でも運と華があれば成功できてしまう繰り返しでファッションビジネスの闇が出来上がったのか、どっが先なのかはすごく知りたい、興味ある。
続)芸能界、音楽業界、出版業界なども大昔は似た感じだったかもしれないけど、今は少しずつ構変わって解体されてそんなことは起こらないのかもしれない。わからない。ミシュランの星を獲り合うレストラン業界とかはファッション業界に近いのかなと思わなくはないが本当に知らない。それも読みたい。
続)どっが? どっちが!
続)「ライバルからトゥシューズに画鋲入れられる」みたいな白目剥く漫画的怖さにはだいぶ耐性あるけど、こういうふうに、ひたひた来てだんだん自分も身に覚えがあるアレの話なのだとわかってくるやつも、怖い。初めて聞く怪談と思って怖がってたらどこにでもいるストーカーの話だった、みたいな怖さ。
続)中心にいるジャンくんのことばかり怖い怖いと言ってしまったが、かーくんから相談受けたさくちゃんや最新7話でパッと「貌が変わる」ダンサーのコマなど、相対的にちゃんとして見えた登場人物もみんな大なり小なり「MAD」であることが伝わる不穏さとかが本当に怖いです。

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16 Oct
アミューズ作品、別に避けてるわけではないのだが、ホリプロ関連作品を観るのに合わせて日本行くと絶妙に観られないということが結構続いているよなぁ。劇場のせいとは思えないので稽古場の都合なんだろうか。
続)日本の都市部で今どんな演目やってるかをカテゴリごとに全網羅しつつも、危険なものは混ぜずにわかりやすく観やすく一覧できる全体のカレンダーが欲しい、と思うけど、それ『ぴあ』じゃんね……。
続)劇場はたくさんあって公演本数もすごく多いのに「横並びで見比べる」が難しいような。何と比べてるかって美術展とかですが。
Read 5 tweets
16 Oct
今「眼鏡キャラが真面目に物理で強い」というアニメーション映像が流れてきて、大変興味深いなと思ってるうち見失ってしまったのですが、eスポーツトーナメントの広告か何かかな。真面目に強いというの大事ですよね。
続)おそらくこの人たちのアニメ化かな。
続)これだ! 別にメガネだけではなかったが、予備知識の無い私にも(モヤシがダークホースとかそういうドッキリではなくて)「こんなんどう見ても細身で小柄でメガネのほうが勝つわ……と思ったら細身のメガネ同士が戦っとる、熱い……」と思える作りがよかった。
Read 4 tweets
16 Oct
『ダイアナ・ザ・ミュージカル』Netflixで観た。私は結構楽しみました。ブロードウェイでどうかはわからんが、皇室があって王宮物が大人気の日本ではウケそう。まだ近すぎる時代ではあるものの、直撃世代の私と違って若いお客さんは初めて聞いて驚く知らん話も多いだろうし。
netflix.com/title/81323667
続)事前に酷評を見たりもしたんですよ。でも、そこまで悪くなくない? と思うのは『エリザベート』と比べるからだろうな。ザベはブロードウェイ進出しておらず、その理由もまぁわからなくはなく、しかしアメリカの人々がザベを横目にザベの米国版作ってみたらこうなるのかなー、と考えて楽しく観た。
続)日本の人が遠くて近いハプスブルク家の嫁姑戦争に我がことのように熱中するのと同じく、米国の人は近くて遠い英国王室に「我が国に来れば自由になれたのに〜」と叶わぬ夢を見たいのかなと。I will proveやtry my bestという本来なら明るいはずの歌詞が悲劇の伏線扱いなのが今っぽくて面白かった。
Read 15 tweets
15 Oct
大好物の金髪縦ロール猊下と聞いて飛んできました! 撮影段階ではこのヘアスタイルで行くはずが、演出家が途中で「やっぱ時代考証的におかしい」と言い始めて「今更それ言う!?」みたいなタイミングで急遽変更になったそうですね。初演がストレートおかっぱで再演がくるくる。三つとも似合うよ猊下!
続)資料性高い発言ができず申し訳ないが、記録に残るような場所(プログラムや取材記事など)では演出家について愚痴こぼしたりなどということは滅多にしない人なので、たぶんこの話を聞いたのはアフタートークか何かなんじゃないかな。いつもの口真似しながら笑いながら言ってた記憶がありますね。
続)聞いた私も「『レディ・ベス』に時代考証……!? じゃあバルコニーターザンは……そしてあのクールヘッドとショッキングピンクのふりふりドレスは、いったい何……!?」となったものですが、まぁそんな『レディ・ベス』が何もかもことごとく茶番かわいいので許します、私は大好きですよ……。
Read 5 tweets
15 Oct
そろそろ視聴期間が終わるので感想書いときます。観なくてもいい人たちは別に観なくていいけど、観ようかなと思ってる観てない人たちは観て!!!
続)FANKSには号泣モノの映像だし、少しでも知ってる人はお金出して観ればライブ行くのと同じかそれ以上の満足得られると思う。思うけど、一曲目から「Electric Prophet」だったりするので文脈知らない人が観るとひたすら謎でしかないとも思う。まぁTMのライブがそうでなかったためしなどないが!!!
続)まず襲ってくる感動ポイントは「宇都宮隆が無観客でもアホほどカッコいい」に尽きる。昭和生まれのオタクが考えた宇宙戦艦の隊服みたいな衣装から始まるんですけど、地球年齢60代の三人が着こなしてるの奇跡でしかないし、このヴィジュアルの強さは彼らが20代30代の頃より何億倍も評価されるべき。
Read 19 tweets
15 Oct
拝読しました、面白かったー! 本書の感想は「自分自身がどんなおばさんを見てきたか」に左右されるのですが、まさにそこの分かれ方が興味深い。 #我はおばさん
/【議事録】岡田育『我は、おばさん』読書会(SOCIALDIA×生活の批評誌)|ソーシャルディア:SOCIALDIA @socialdia
note.com/socialdia/n/n0…
続)筆者として、えっそんな解釈されることもあるのか、説明の順番が悪かったか、と反省する点もあったりしたのですが、我ながらぐちゃぐちゃ書いた箇所をきっかけに「このぐちゃぐちゃはわざとだろ」と議論が進むあたり、ニヤニヤしました。引き続きあちこちで感想が語られるとよいなと思っています。
続)善きおばさんになることが今の目標だが、なって以降も人生は続くし、いずれは老年期も来るのでこの道は終わりじゃない、「善さ」とは自分で心がけるべきものであると同時に自分が規定できるものでもなく(「よかれと思って」の害悪よ)、最後は下世代に結論出してもらうしかないという諦念に至る。
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