IPO銘柄はライフサイクルパターンでIn/Outを検討しよう。

「IPOトレード入門 超成長株発見法」
amazon.co.jp/dp/4775972790/…

The Lifecycle Trade: How to Win at Trading IPOs and Super Growth Stocks
amazon.co.jp/Lifecycle-Trad…

1)私はKathy Donnelly氏のYouTubeビデオの内容から重要な点を記載します。

日本語版書籍の概略は梅木さんが以下Noteにて詳述されておりますので、こちらも参照ください。

「IPOトレード入門」から導き出す、IPOベストトレード(無料記事)|梅木 雄平 @umekida #note note.com/umeki/n/n2d80c…
2)極めて高い株価上昇を実現するIPO銘柄は、例外なく大きな成長ドライバーを有し、ライバル企業の何年も先を行くDisruptive & Transformativeな会社。これらの会社をライフサイクルの初期で特定することが重要。機関投資家は斯様な会社に関心を寄せ、ポジションを建て、その銘柄の流動性は増えていく。
3)株価が上がるためには、機関投資家の取引が欠かせない。機関投資家は大量に取引してポジションを構成していくため、1日では買い終わらず、長期間かけて購入していく。
4)
IPO銘柄におけるライフサイクルパターンの重要性。
IPO銘柄がライフサイクルのどこに位置付けられるのかを把握しよう。IPO後のフェーズ毎にエントリー・イグジットのタイミングは大きく異なる。
5)
IPO銘柄の株価推移の特徴。

・直近では、IPO銘柄の約6割がIPO初日安値を3週間以内に下回る。

・更に、IPO銘柄の8-9割がIPO初日安値をどこかで下回る(2年近くかかるケースもある)。

・たとえIPO初日に安値で買えたとしても、IPO銘柄の多くが10週間以内に▲10%の損切りに抵触する。
6)
IPO銘柄の株価推移の特徴(続き1)

・IPO銘柄の内、10年以内に100%超(2倍)の利益を上げたのは51%のみ、1年以内に絞れば20%と非常に少ない=約8割の銘柄は100%上昇に1年以上を要するということ。

・IPO直後に急いで投資する必要はなく、IPOベース形成後等のbreakoutを辛抱強く待つことが重要。
7)
IPO銘柄の株価推移の特徴(続き2)

・10バガー達成する超成長銘柄はIPO銘柄の10%、+2000%以上では5%。

・集中的なポートフォリオで+500%以上上昇するトレードが1-2回できれば人生を変えられる。正しい銘柄を見つけ、ライフサイクルの最適なタイミングで売買するのは難しいが、不可能ではない。
8)
IPO銘柄の株価推移の特徴(続き3)

・仮にIPO後90日以内に100%超の株価上昇を実現した銘柄は、500%以上の株価上昇を実現する可能性は通常の銘柄の2倍に高まる。

・近年のIPOは以前と比べるとリターン割合が高くなってきている。
9)
・IPO直後の初期段階にある銘柄は以下2+1のフェーズで上昇する。

①IPO-AP(IPOアドバンスフェーズ)
①’I-DDP(機関投資家デューディリジェンスフェーズ)
②I-AP(機関投資家アドバンスフェーズ)

トレード向きのフェーズは①と②。①’は観察フェーズのため、トレードには不向き。
10)
①IPO-AP(IPOアドバンスフェーズ)

IPO後の最初の上昇フェーズ。概ね短期〜20週以内。株価は+20〜100%となることもあるが、ラウンドトリップ(上昇したのと同じ速さで下落し、突然大きな含み損を抱えること)にもなりうる。短中期の売却ルールが適し、素早い利確と厳格な損切りが必要。
11)
①IPO-AP(続き)
IPOに伴い注目度が高くなるとこのフェーズでの値動きに影響するが、市場全体が下落するステージになると、いとも簡単に株価が下落しかねない。

(参考)IPO-AF(IPOアドバンスフェイリアー):上昇時のピークから40%以上下げ、IPOベースやIPO時の初値を下回るシナリオのこと。
12)
①’I-DDP(機関投資家デューディリジェンスフェーズ)

・観察フェーズ(トレードには不向き)。
・IPO-AP/IPO-AF後の長期的な横ばいから下げの揉み合い、ベース形成過程を表す。
・期間:数ヶ月〜2年以上
・横ばいから下降気味の動きが長く続き、殆どの投資家が疲弊・ふるい落としにかけられる。
13)
①’I-DDP(続き)

・このフェーズが終わりに近づくと流動性が高まり始め、最初の成熟ベースが形成されるが、上昇を始めても前の高値圏で止まることもあり、乱気流ゾーンとなる。

・株価がこのゾーンを簡単にかつ力強くブレイクアウトすると、上昇が始まりI-DDPが終わる。
14)
②I-AP(機関投資家アドバンスフェーズ)

・I-DDP終了後、1~2つの成熟ベースをブレイクアウトして乱気流ゾーンを上抜けしたフェーズ。

・高い利益を生み出し、ライフサイクルの中でも長くて低ボラティリティの段階。長期の売却ルールが効果的。
15)
IPO銘柄の出来高:

・十分な流動性を確保可能な水準:1日の出来高=$20mil超の銘柄はIPO銘柄の約3割にすぎないが、その75%が100%超のリターンを上げている。

・この出来高金額を下回る銘柄は、機関投資家の多くがトレード対象とはみなさないので、売却時の株価に大きな影響が出る可能性がある。
16)
IPO銘柄のライフサイクルの6パターン。

①遅咲き(Late Bloomer)
②パンプ&ダンプ(Pump & Dump)
③一発屋(One-Hit Wonder)
④ロケット(Rocket Ship)
⑤段階的上昇(Stair Stepper)
⑥失望(Disappointment)
17)
IPO銘柄のライフサイクル6パターン:

①遅咲き(Late Bloomer)
IPOベース後に上昇するも長期に横ばいとなり、その後大きく上昇する。
(IPO-AP→IPO-AF→I-DDP→I-AP)

②パンプ&ダンプ(Pump & Dump)
株価はIPO直後から下がり、初値を下回って数ヶ月~1年強揉み合いになり、その後上昇を始める。
17-1)
①遅咲き(Late Bloomer)
具体的な事例 - $CRWD $FSLY
17-2)
①遅咲き(Late Bloomer)
具体的な事例 - $ZM
17-3)
②パンプ&ダンプ(Pump & Dump)
具体的な事例 - $FVRR
18)
IPO銘柄のライフサイクル6パターン:

③一発屋(One-Hit Wonder)
爆発的に上昇し、その後立ち消えて行き、結局、IPO時に付けた初値も下回る。もし一発屋の銘柄でI-DD終えて1stベースをブレイクアウトした場合、再び株価が上昇してトップ銘柄になることもある(One-Hit Wonder +)。
19)
IPO銘柄のライフサイクル6パターン:

④ロケット(Rocket Ship)
IPOベースからすぐに大幅上昇し、IPOベースを下回ることなく早いスピードで上昇を継続。

⑤段階的上昇(Stair Stepper)
IPOベースから最低20%上昇し、複数のベースを形成していく。その間、それまでのベースを下抜くことはない。
20)
IPO銘柄のライフサイクル6パターン:

⑥失望(Disappointment)
IPO後ほぼすぐに下落を始めて初値を下回り、トップ銘柄になることはもうほとんどない。仮になったとしてもIPO時の初値超えには何年もかかる。
21)
IPO株の買いのルール:以下4つのイベント発生時。

①IPOベース(IPO〜7週間以内)からのブレイクアウト(BO)。
②揉み合いや最初のベース(IPO〜7週間超)からのBO。但しI-DDP前。
③Breakaway Gap発生(概ね25%以上)。
④1回目のベース(I-DDP後に形成)からのBO。
22)
IPO銘柄の選定方法。

・超成長株になる銘柄は一握りしかないため、トレードする銘柄は厳選し、トップパフォーマンスを上げる銘柄を探す必要あり。

・長期保有する場合は、忍耐強く1回目のベース形成を待つのが望ましいが、段階的上昇・ロケットのパターンで早期ポジションを建てることも選択肢。
23)
IPO銘柄の選定方法(続き1)

MarketSmith利用者は、List Manager(画面左の列にフォルダ形式になっている部分)からReports > Stocks > Technical > Bases Formingを選択し対象銘柄をリスト表示。列のWeekly Base Typeでソートし、IPO Baseを選択。
24)
IPO銘柄の選定方法(続き2)

スクリーニング基準として、①1日あたり出来高平均を$20mil超(厳しくする場合はUS$40mil超)、②直近52週安値よりも25%以上株価が上にある銘柄、で設定。

その中から、③1日の売買代金が増加、④収益が大きく成長している銘柄を抽出すると良い。
25)
IPO銘柄の選定方法(続き3)

更に、レアジュエル銘柄を探すなら、⑤IPO後90日以内で株価が100%以上上昇、の条件を追加する。この場合、500%以上の株価上昇も見込みうる。但しMarketSmithではスクリーニングできないので目検で対応するしかなさそう。

尚、IPO銘柄のRS Ratingは低い場合もある。
26)
IPO銘柄の選定方法(続き4)

・その上で、一つ一つチャート形状を確認しながら、IPO銘柄がどのライフサイクルに位置付けられるかを確認。

・更に、MarketSmith画面右のRelated Informationタブを開き、Owners & Fundsタブで機関投資家の銘柄保有割合を確認。
27)
IPO銘柄の選定方法(続き5)

機関投資家はIPO後初の決算発表で売上高・EPS・ガイダンスのアナリストコンセンサスをクリアしたかどうかを確認した上で買い出動する傾向があるので、保守的に臨むならIPO後初の決算を確認してから検討対象にすると良い。
28)
IPO銘柄の選定方法(続き6)

・週足チャート左の銘柄概要欄で機関投資家の割合が増加傾向かどうかを確認できる。Up/Down Volume Ratioが >1.0 であればなお良し。

・但し、超成長IPO銘柄に共通するファンダメンタルズ的な要素は残念ながら存在しない。
29)
IPOトレードに際してのリスク管理:

①最近のIPOトレードは1回に1銘柄とし、損失を抑えるためにポジションサイズを減らすこと(通常銘柄の1/2以下)。

例えば、通常時の1銘柄のポジションサイズがポートフォリオ総資金の10%の場合は、IPO銘柄ではポートフォリオの5%にする等。
30)
IPOトレードに際してのリスク管理(続き1):

②最初に決めたポジションにピラミッディングして平均コストを上げるのは避けること(BOSS:
Buy once and Sit Still)。特にIPO-APフェーズではボラティリティが高いためご法度。
31)
IPOトレードに際してのリスク管理(続き2):

③強気な間にポジションの一部を手仕舞うこと。大半の銘柄は株価上昇後、その分だけ下げる(ラウンドトリップ)。ドローダウンを限定させつつ揉み合い相場を耐えるにあたり必要となる。
32)
IPOトレードに際してのリスク管理(続き3):

④銘柄のライフサイクルのフェーズやパターンに合わせて最適な売却ルールを事前に決めておくこと。感情により事後的にルールを捻じ曲げないように。
33)
IPOトレードに際してのリスク管理(続き4):

⑤要 損切り設定。IPO銘柄は日中volatilityが高いので、損切り率は成長株よりも深めに設定可(成長株での損切り率の最大2-3倍。例えば前者が3-5%であれば後者は10%程度)。但しポジションサイズは損失が総資金の1%を超えないように設定すること。
34)
IPOトレードに際してのリスク管理(続き5):

⑥IPO銘柄のトレードは強いブル相場でのみに限定すること。市場のトレンドに抗ってはならない。

⑦株価高騰に乗ることができたら、株価下落時に高値からの含み益を何%残したいか(含み益をどこまで失っても良いのか)を計算しておくこと。(続く)
35)
IPOトレードに際してのリスク管理(続き6):

⑦(続き)その上で、そこから逆算して利益を確定する株価を算出し逆指値を入れよう。これにより含み益のドローダウンを限定できる。
但し、大きな動きを捉えたいなら、最高値から最大65%のドローダウン(残す含み益は35%)を覚悟する必要がある。
36)
IPO株のライフサイクル別の売却ルール:

①アセンダールール(Ascender: 攻撃的な売却ルール)
②ミッドタームルール(Midterm: 防御的な売却ルール)
③40週ルール(40-Week: 防御的な売却ルール)
④エベレストルール(Everest: 攻撃的かつ防御的な売却ルール)
37)
①アセンダールール:IPO-AP向け
(株価上昇局面で利確しつつ大きな波に乗り続けられる)
・終値が21EMAを3%下回ったらポジションの1/2を売却。
・終値が50SMAを3%下回ったら同1/4を売却。
・買値を下回る or 購入後18ヶ月経過 or 500%を超える値上がりをした時は、最後のポジションを売却。
38)
②ミッドタームルール:
I-DDP後かつIPO高値超え後のI-AP向け

週の終値が:
・10W SMAを2回下回って引けた後、日中に直近2週間の安値を6%下回ったら売却。
・1年間保有後、10W SMAを下回って引けたら売却。
・その週の高値から30%以上安く引けたら売却。
・40W SMAを下回ったら売却。
39)
③40週ルール:I-AP
・週足終値が40W SMAを1%下回ったら売却。

④エベレストルール:IPO-AP(or I-APの終わり)
・株価が放物線上の動きを見せ2日前の日中安値を下回って引けた時に売却。但し前日にGap Upとなった場合は前日安値を下回って引けるまで待つこと。新高値を付けたらリセットされる。

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