子どもたちの特殊能力というか、特に2号は言語でのコミュニケーションが苦手な子と仲良かったんよね…しかも、非言語でそこそこ高度なコミュニケーション取ってて、いつも「どうやってんの?」って思ってみてた。
ある日の下校のとき、Aくんがお迎えの車(Aくんは長距離歩行ができないため保護者送迎)の窓を開けた。2号が「Aくん、バイバイ!また明日遊ぼうな」というと、Aくんは体を揺すって変な顔してる。ゴリラ?と思ったら、2号が「先生おる前で、あかんて!」と言ってゲハゲハ大笑い。「どしたん?」と聞くと
「◯◯先生のモノマネしてんねん、似てるよな」って…ああ、だから窓を開ける時◯◯先生をチラッと見てたのね💦
2号が大笑いしたことを確認して満足そうにAくんは去って行った…

そして、これまた別のある日…
2号は凄く疲れて、でも怒って帰ってきた。支援級で何かあったらしい…事情をきくと…
2号が支援級にいると、Aくんが混乱してやって来て、2号の後ろに隠れた。するとすぐにAくんの支援担任がやってきて、2号の後ろにいるAくんの手を引っ張った。Aくんは半ベソで必死に2号にしがみついたらしい。2号は先生に「ちょっと待って!」と言った。先生は「Aがやることやってないや!」と言った。
Aくんは体操服を着てた。体育の授業で何かあったのね…と思った2号は「ちょっと待って!Aくんに触らんといて!」と先生に言ったらしい、すると先生は「どけ!Aはスポーツテストがまだ全部終わってないんやから、せなあかんのや!」と言った。
当時は休み時間…あ、分かった!と思った2号は先生に…
「体育に行く前に、今日やることを説明した?そのときに全部終わってから休み時間だよって言った?」と言ったそうな、先生は「言ってない!言ってないけど、スポーツテストはそういうもんだ!まだ終わってないんだから来い!」とAくんの手を引く…2号は先生に「放して!どいて!」を繰り返して…
後ろにいるAくんを守るように叫んでいたらしい。騒ぎに気づいた2号の担任が走ってきて、その場をおさめてAくんと2号を静かな場所に連れて行ってくれたと、そこでAくんは怒って地団駄踏んでいたらしい。2号はA君に…
「スポーツテスト、まだ終わってないねんて…うん、分かるよ、体育終わったから着替えたいんやろ?でもな、やらなあかんこと終わってないねんて…うん、分かるよ、そんな話聞いてないんやろ?」

Aくんは地団駄踏んで怒る、言葉はない。2号は普通にAくんを説得する。Aくんの怒りが少し静まったところで
2号が「なぁ、今日やることを説明しなかったのは先生が悪いわ。それは分かる。でもさ、スポーツテストもしなあかんらしいねん。後でノンタン読んであげるからさ、ちょいちょいっとやっといでよ」と提案すると、しばし考えてAくんは小指を立ててニヤッと笑ったらしい。2号は「ok!頑張って」と…
送り出したそうな。2号の担任が2号に何があったのか聞いたら、2号が

たぶんやけど、Aくんの先生が

・今日の体育はスポーツテストであること。
・どんなことをするのかについての説明をすること。
・全部終わらないと体操服をお着替えできないこと

を伝えてなかったんだと思う。だからAくんは…
チャイムが鳴ったらいつものように、急いで着替えに戻ってきてしまった。なのに先生は戻れと怒る…何が起きてるか分からなくて、驚いて混乱したんだと思う。
ちゃんと説明したら分かってくれるのに、何で先生は説明をしないの?今日はAくんがなんとかノンタン読むことで気持ちを切り替えてくれた…
からなんとかなっただけ。先生にスポーツテスト終わったらAくんに「ありがとう、助かったよ」って言って欲しい!

と言ってたそうな。
しばらくして、Aくんが意気揚々と帰ってきて、ノンタンの絵本を2号に渡したから、2号は「先にお着替えしといでよ」と言ったらAくんは急いでお着替えに行ったと…
戻ってきて、2号の横に座ったから、2号が「さっきはありがとう!じゃ約束のノンタン読むね」と小指を立てて『約束』のジェスチャーしたら、Aくんはとっても得意そうな顔してたらしい。
その日はAくんとノンタンを楽しんで終了…その間、Aくんから言葉はない。話せないから…でも、2号は分かると言う…
Aくんは話せばわかるし、約束は守るとてもいい子なんだと。なのに、なんで先生はきちんと説明したり、合意を取ったりしないのか?彼は話せないだけで、分からない訳じゃない。「いや」には「いや」の理由があるんだよ。誰だって無理矢理やらせるのはいやでしょ?

と言っていた。
ある日の休み時間、2号が交流級にいたら、他のクラスのAくんが2号のクラスにやってきたらしい。目が合うと人差し指で下を指す。
2号はすぐにAくんのところに行き「いいよ、行こうか」と声をかけたらしい。階段に着くと、Aくんはいつものように左手で手すりを持ち、右手を2号の肩にかけた。階段は…
片側にしか手すりがない。下る場合、それは左側にくる。
2号が「1段目いくよ」と言うとAくんがそろそろと階段を降り始めた。2号は階段を上がってくる子たちに「ちょっとごめんね」と声かけながら降りていたらしい。
ルール上は「右側通行」の校内。それは分かっていた。だから声をかけながら降りてたと
すると、そこへ通りかかった某先生がいきなり「階段は右側通行だろ!」と大きな声で怒鳴ったらしい。
階段はとっても音が響く。2号にとっては苦手な場所。そのときも先生の怒鳴り声が耳に刺さって痛かったらしい。ビクッとして止まってしまった。するとAくんが心配したのか2号の肩をちょんと押したと…
2号はなんとか階段の下まで無事にAくんを連れて行った。Aくんはありがとう!と言わんばかりに手を振って去って行ったらしい。すると某先生が「階段は右側通行だ!左側通るのはルール違反!危ないだろ!」と2号に言ったらしい。
2号は「ルール違反は知ってる!危ないのも知ってる!でも、Aくんには階段の段が見えないの!Aくんには手すりが必要なの!階段上って来る子がAくんをよければいいだけの話でしょ?それでもルール違反って言うなら反対側にも手すりを付けて!それから怒鳴らなくても聞こえてる!怒鳴らないで」と…
泣きながら言ってきたらしい。

帰宅後、手すり付けてって校長先生に提案するんだと言っていた。

そんなことより、Aくんは階段が見えないってなんで知ってんだ?Aくんも先生も言うはずないんだけど…経験で知ってたのか?まぁいいけど…

2号を支援級に入れて欲しいと言ったとき、
障害の重い子が多いし、言葉が通じない子もいる。そんな支援級で過ごすことで、2号さんの自己肯定感がさらに下がる

と何度も言われた。しかし当時の2号の自己肯定感は既にどん底だったし、適応障害だったのでなんとか入れてもらった。毎日、支援級で落ちついて過ごせるようになったのだがこれ程とは…
小学校の支援級で過ごした日々は2号にとって本当にとても貴重な時間だったと今思う。

2号が交流級でトラブってパニックになって泣いてるとき、Aくんはそっと横に座ってヨシヨシしてくれたり…2号の気分を変えようとAくんが大好きノンタンの絵本を持ってきてくれたり…とても優しいと言っていた。
自分の思いを言葉で伝えられない不安やもどかしさは想像を超えるのに、お話しできないお友だちはとても優しい子ばっかりだと。それなのに先生は「ありがとう」と「ごめんなさい」ばっかりを言わせようとする…それは本当にあの子たちが言いたい言葉なの?とよく言ってた。

1号も2号も人に対する感覚が
とてもフラット。
だからなのか、今でも何もしなくても、何も言わなくても周りに人が集まる。

補いあって、助けあうことを教えてくれた小学校の支援級のお友だちと先生には感謝しかない。

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23 Nov
私は本人の生活の質(QOL)を上げるって視点でサポートしてきたかなぁ…
だから、思春期までに困ったら周りの大人に「頼る」「相談する」ってスキルをつけて欲しくて、支援担任やクラス担任と協力して声かけとかしてたかなぁ…
小6まではうまくいってて、親とも適度な距離を保ってたのよ。
一番「よしっ!」って思ったのは、支援担任に2号が「私、ママのこと嫌いじゃないの。なのに、ママの言うことだけは聞きたくないの…ママの言うことが正しいんだけど、ママには素直になれないの」って相談したこと。
ところが、中学に入学して状況は一変したんだよね。
Read 6 tweets
23 Nov
ひょっこり1号が中1のときに語ったメモがでてきたよ。

1号が語る「読み」について

読めない辛さと、読めないことの損失に気づく先生はあまりいない。
先生たちはいとも簡単に読める人たちだから、読めないことを想像するのは難しい。

それは分かる…
でも、すぐそこに自分が欲しい情報があるのに、それを得ることができない。または、それを得るためにものすごいエネルギーを費やさなきゃならない悔しさったらない。

「周りの人に聞けばいいじゃない」って?簡単に言わないでほしい。
人の都合を気にしたり、申し訳ないな…って思ったりしながら、
「僕は読めないので、すみません、読んでください」って言うの?
授業中?
教科書読んでくださいって?
テストの問題読んでくださいって?

この人は読めない人なんだ…当たり前のことができない人なんだ…って思われるくらいなら、「やる気がない人」とか「勉強きらいな人」って思われる方がまし!
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