Thread by @2018_apc

2021年4月15日の記事再掲。ロシアのコザック副首相「キエフの軍事行動が始まれば、ウクライナの終りの始まりだ。スレブレニツァのような虐殺の脅威がある場合、ドンバスのロシア人は保護される」。ドンバスと危機の歴史を詳説。『ロシアの中心、ドンバス』1921年のポスター。
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「ドネツク人民共和国」の欧州最年少36才のナタリア・ニコノローヴァ外相が国連安保理の公聴会（20年12月）行った情勢分析の重要性を西側諸国も同「高級紙」も無視。内容はゼレンスキーが「ミンスク合意」、つまりドナバスの「特別な地位」を一貫して妨害し、紛争解決の対話も拒んできた経緯を告発。

マイダンクーデター以降、ウクライナの政権「エリート」は、ソビエトの国有資産を簒奪したオリガルヒ、腐敗した役人、米国の代理人で構成されている。彼らは「ミンスク合意」の実施に全く関心がない。「ロシアの侵略」の犠牲者を装い、西側の資金援助と武器供与が目当ての寄生虫と彼女は分析。

ドンバスの国民投票はクリミア（14年3月）と同時期に始まったが、後者は住民の4分の3以上がロシアへの編入に賛成したが、ドンバスでは、ロシアへの編入、自治、キエフと折り合うが3分の1ずつに分かれた。ドンバスにはウクライナ中心の民族主義に反対する土壌がある。

ソ連邦の解体が現実味を帯びてきた1990年11月、ドンバスではロシア語を話す多民族の人が集まり「ドンバスの国際運動」を結成。これが人民共和国の基礎になった。2010年に大統領になったヤヌコビッチの「親露派」は看板だけで「地域党」を権力獲得に利用し、経済資源の略奪にしか関心がなかった。

キエフに従わないドンバスで2014年4月6日、数千人の官製デモ。翌日、2~30代の若者中心に「ドネツク人民共和国」を宣言。「地域党」は消滅。寡頭制は追放。「人民志願軍」が武装。キエフは「対テロ戦」開始。1万3千人以上がキエフとの戦闘で死亡。

ドンバスは文化的にソ連邦の影響を強く受けてきた。ドンバスとドネツクはスターリノ州（1924～61年）と呼ばれ、数十の民族グループが金属工場と鉱山に集まり、多国籍のロシア語を話す労働者階級を構成した。ソ連邦＝ロシア人と一体となってドイツ軍とも戦った。

こうした歴史を背景に14年5月11日、両共和国で独立を問う国民投票を実施、ドネツク州では89.7%が独立に投票した。投票が他の都市に波及するのを阻止。西側は投票を「違法」、独立運動を「分離主義」と呼んだ。クルィヴィーイ・リーフ市で新聞『ノヴォ（新しい）・ロシア』を発行した4人に懲役5年の刑。

こうしたドンバスの政治状況が、ポロシェンコ大統領（チョコレート王）の東部では「子供たちは地下室に座っている」、ニシュチュク文化相の東部には「ウクライナの遺伝子がない」というドンバスの住民に対する憎悪と軽蔑となって表出してきた。このドンバスへの憎悪が8年に亘る武装攻撃の背景にある。

8年に呼ぶキエフによる封鎖と攻撃でも「人民共和国」は倒れなかった。ロシアが食糧と医薬品を提供し続ける中で両者の絆は強まった。21年1月末に発表された『ロシアのドンバス』基本原則は、「西側帝国主義」と「寡頭制の親米軍」と同盟を結ぶキエフの民族主義者への抵抗の精神的な武器となったと説明。

この基本原則は、ドンバスとロシアの歴史家と政治学者が数か月にわたる共同作業でまとめられた。1年前の記事だけど、この基本原則に沿ってドンバスの事態が進行しつつある。ロシアとドンバスの関係を理解する上で最低限必要なファクトを大雑把ですが抜き書きしました。