こういう話ねぇ、昔は結構多かったんですよ。
ただのおばちゃんだと舐めてかかって、適当にあしらって、粗品の皿渡して帰らそうとして激怒され、実は大手企業の重役婦人だった、とかねw

news.yahoo.co.jp/articles/e49db…
なんで「昔は」ってつけるかって言うと、さすがに昨今銀行さんの教育ちゃんとしているんで、そういう失礼な事件も減ったってのもありますが、もう一個大きなのが、「団地」なんですね。 Image
団地ってんのはねぇ、都市部の労働者たちの住宅問題解消のために造られ、比較的低家賃で、保証人や仲介手数料その他無く借りられる、「低所得者用物件」のイメージがあるんですよ。まぁ実際、そういう方たちのためのものでもあるんです。日本はホラ、「住所がないと仕事が得られない」ですから。 Image
だから、「団地住人」=「貧乏人」と考える人、けっこう多かったんです。昔は、金持ちと言えば土地持ちです。団地住人ってのは土地もなければ地元のコネもない。そういう「他所から来た連中」で、「団地の子は家あげちゃいけない(なんか盗まれるから)」なんて言う人もいました。
クソですな。
んでまぁ、団地の住所ってのはひと目見りゃ、地元の人間はわかるんですよ、「Aー708」みたいな、特殊な数字と記号が並びますしね。なので、それだけ見て「ああ、団地のヤツか」と、「舐めていい貧乏人」と思っちゃう、あかん銀行員が、まぁ昔はいたわけです。
ただ、この「昔」ってのも、中途半端な昔です。年代だと70年代くらいじゃないですかね。それ以前を知っている人なら、そんな態度取りません。なぜなら、昔は「団地」って、憧れの対象だった時代があったんです。 Image
団地の始まりは、遡れば関東大震災後の住居不足に端があるとも言われ、ともかく、「大規模都市開発において、大規模集合住宅の建設は不可避」と、戦中から研究、試験、運用が進められていました。 Image
知る人ぞ知る、大阪の「軍艦アパート」こと市営下寺住宅なども、晩年はすごいものでしたが、本来は当時最新の鉄筋コンクリ多層住宅、水道ガス電気完備の、スマートシティの象徴だったのです。
amazon.co.jp/%E8%BB%8D%E8%8…
1955年「公団住宅」というものが誕生します。戦後十年で、どれだけ日本の復興が進んだかという話ですね。当時としては最新の作りで、なにせ「水洗便所がある」というだけで、当時の長屋ぐらしの人達からすれば憧れの場所でした。 Image
と、いう時代から住んでいる人たちは、けっこう、出世したんです。その後の日本の高度経済成長の勢いにも乗って、最初は田舎から上がってきた苦学生とその妻も、中小な企業が大企業になり、部長だの重役だの取締役だのになっていった。 Image
それなりの金持ちになった後、団地を出る者も多かったのですが、その時にはもう子供も自立し、夫婦で暮らすならここで十分、なにより周りに、貧乏だった頃からの友人たちが住んでいて居心地もいいと、残留する人たちも少なくなかったんですね。
なので、地元の銀行や、地元で古くから働いている人は、そこんとこ解ってたんで、「団地の普通のおばちゃんでも軽んじて扱ったらアカン」と、夏祭りに協賛したり、子供会にお菓子を差し入れしたり、行内の提示版に催し物のポスターを快く貼らせてあげたりと、友好を保ってたんです。
ただ、時代が中途半端に進み、行員の新陳代謝が進むと、半端に「団地への偏見」だけを持って育った若い行員が配属され、「なんだ、団地のおばはんか」と舐めてかかったせいで、十年来の大口顧客を激怒させ、何千万単位の口座が解約されるという事態もチラホラw
でまぁ、主夫のネットワークってのがありますからね、横に広がるんですよ、そいういうの。「あそこ信用できへん」と広まる。私の地元でもありましてね、とある団地住まいの大手企業の重役さんの奥さん、普段朗らかなおばちゃんでしたが、無礼を働き激怒させ、大騒ぎ。
口座解約だけでなく、えらいさんなので、自社他社含め、大口の株主でもあったので、そこらへんの管理も契約して任せていたが、全部解約。旦那さんも「お前がそういうんやったら好きにせぇ」となって、そっちの部署の担当者が「どこのアホや!」と怒鳴りつけに来たと。
最終的に、支店長と上司に引きずられ、真っ青な顔で、その行員当人が土下座しに来たものの、玄関先から一歩も入れずという醜態をさらすハメになったと。
そういう時代もあったからか「人を身なりや見た目で差別せず、どれだけ少額でも誠実に対応する」銀行員が理想とされ、フィクションなどでも主人公の属性になりましたね。「半沢直樹」でも、わずかな口座の誤差を客に指摘され、調査し謝罪に伺い、その誠実さに感心されるシーンがあったような・・・ Image
そういう歴史があるからか、なんでも、親入社員には地元の大口顧客のところを挨拶回りに行かせ、「大口は見た目だけではわからないから油断するな」を教える、みたいな話を聞いたことがありますな。
ホントかはわかりませんが、これからの時期、確かに地元の金持ちの玄関先で、そういう光景は見ます。
まぁ私なんかには関係のない話ですが、知り合いの大ヒットかました売れっ子作家さんのとこには、毎年来るそうです。
「そん時どんな格好してました?」
「え、いや、いきなり来られたから、しまむらのスエット上下だよ」と、見た目ではわからない金持ち。
研修素材としては最適なのでしょうw Image

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10 Mar
そういえば、「うっせぇわ」のあの歌が、自分の子どもがハマっているのを憂慮する親御さん続出で、それに対し、「まぁまぁ俺たちもあの子達くらいの年は、尾崎の『15の夜』とかに傾倒してたんだから」的な話題が出てくるんですが・・・違うくね?
その年代だと、「おどるポンポコリン」じゃね? ImageImage
今現在、11~3歳くらいのお子さんお持ちの親御さんって、平均出産年齢から計算して、四十代前半、だいたい1980年以降生まれで、尾崎世代ってもうちょい上で、もう五十代くらいじゃね? 多分ナイナイくらいが直撃世代よ。 Image
盗んだバイクで走ったりしなかったじゃないか。
お鍋の中からボワッ(ぼわっと)としてたじゃないか。
校舎の窓ガラスなんて割らなくて、インチキおじさんが登場してたじゃないか。
もう忘れちゃったのか、エジソンは偉い人だと。 Image
Read 5 tweets
9 Mar
小泉家のボンボンの「いいこと考えた!」案件なんだが、鳩山家もそうだったが、ボンボンのアカンところが炸裂しているなぁと・・・ってか、先のレジ袋に続いて、今回のスプーンもそうなんだが、こういう人、町内会とかPTAに、絶対一人はいるよね。
ウチの地元の近所にもそういう人いてさぁ。
町内で、共同のゴミ捨て場があるの。
鍵かけられるようになってて、地域の住人なら、二十四時間、曜日に関係なく燃えるゴミも燃えないゴミも粗大ゴミも捨てに行けるの。
便利になったって、みんな喜んでたんだ。
ところがそこに、バカな「無能な働き者」が現れてな、「いいこと考えた!」とばかりに、
「古雑誌や古新聞は資源交換にまとめて出せば代金がもらえる」
「そのお金を、地域の子ども会の費用にしよう!」
って言い出したの。
Read 16 tweets
9 Mar
そういやもうすぐ東日本大震災の日だしね、震災の時に多くの援助をしてくれた台湾産のパイナップルが、今年はたくさん入っていると聞いたので、一つ求めてみんべぇかと思ったんだが・・・想像以上にどこでも売り切れてんな。結局買えなくてねぇ、ポップだけ見て帰ったよw
パイナップルのアジアへの伝来は1600年頃で、台湾ではその時期から作られている。よく言われる「酢豚のパイナップル」も、100年以上の歴史を持ち、清朝の頃に生まれた。実はちゃんとした中華料理なんだよな。
台湾が日本統治下にあったこともあって、日本でも戦前から「パイナップル缶」などの形で入ってきていたのだが、やはり戦中のアレコレでそれらは断絶、日本のパイナップル文化は一旦ここで閉じる。
Read 12 tweets
9 Mar
「夜の巷を徘徊する」終了かぁ・・・でもしょうがねぇか、ロケできねぇもんな。見通しも立たずだしなぁ。
「夜の巷を徘徊する」地味に好きだったんだよ。ともすれば地味な絵柄な回とかが、すごく好きでね。
マツコの対人スキルの高さを改めて感じさせる番組でもあったのよ。
いろんな街の人達を絶妙な感覚と距離でいじって、時に謙虚に、時に豪胆に、それでいて愛嬌と優しさを加えて不愉快にさせない巧みさはすごいすごい。
「ありがとうございますお母さん」
「あ~いいのいいの、ありがとね」
「お前・・・がんばれよ! ありがとな!」
的な。
Read 4 tweets
9 Mar
まぁあんまり知られていないんですが、ライトノベル作家は、基本的に熊を殺しています。
とはいえ、この数年・・・いや、もうこの十年くらいですかね、廃れた感があるのは否めません。
私がデビューした頃にはもうやらない人も増えていましたから。 >RT
「なんでラノベ書くのに熊殺さなきゃいけないんだ!」
「熊を殺すことになんの意味があるんだ!」
的に言われるんですがね、じゃあ、二冊ラノベがありましてね、片方熊殺したやつが書いた、もう片方は熊も殺したことのないやつが書いた、どっち読みたいかと言われれば・・・まぁ聞くまでもありません。
昔はですね、新人賞受賞し、デビューまで、一年・・・場合によっては二年くらい掛かる人もいたんですが、そういう人は大抵理由は熊です。殺せなかったんじゃないですよ? いい熊が居らず、山に籠もってたんですね。
ザスニが紙だったころは、読者ページの前に記事載ってたもんですがね。
Read 8 tweets
7 Mar
今日はネタでも、エバーの話はしないほうが良さそうなので、代わりに「未来少年コナン」のネタバレをしよう。
実は、のこされ島は大陸だったんですよ。 Image
ラナ「ここは・・・どこ?」
コナン「エロマンガ島だよ!」
ラナ「エロ・・・? あ、あの、他に人は・・・」
コナン「このエロマンガ島には、僕とおじいしかいないんだ」
ラナ「あ、あそう・・・」
コナン「案内するよ、このエロマンガ島を!」
ラナ「うん、いちいち島名言わなくていいわよ!」 Image
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