Thread by @hichachu

完全にワクチンを接種した人がデルタ変異株のブレイクスルー感染をした場合、他の人にウイルスを拡散することができる。しかし、ワクチンを接種した人は、より短い時間でウイルスを拡散するようである。COVID-19については、ワクチンを接種していない人よりも、完全にワクチン cdc.gov/coronavirus/20…

を接種してブレイクスルー感染した人から採取したサンプルの方が、ウイルスの遺伝物質の量が少なくなっていた。今回のデルタ株では、ワクチン未接種者とワクチン接種者の両方から同程度の量のウイルス遺伝物質が検出された。しかし、これまでの変異株と同様に、完全にワクチンを接種した人は、

ワクチンを接種していない人に比べて、より短い時間でウイルスを拡散する可能性がある。
cdc.gov/mmwr/volumes/7…
Weekly / August 6, 2021 / 70(31);1059-1062
Massachusetts residents who had traveled to the town during July 3–17; 346 (74%) occurred in fully vaccinated persons.

Testing identified the Delta variant in 90% of specimens from 133 patients. Cycle threshold values were similar among specimens from patients who were fully vaccinated and those who were not.

medrxiv.org/content/10.110…
Virological and serological kinetics of SARS-CoV-2 Delta variant vaccine-breakthrough infections: a multi-center cohort study
SARS-CoV-2デルタ株のワクチンによるブレークスルー感染のウイルス学的および血清学的動態：多施設コホート研究
marugametorao.wordpress.com/2021/08/02/sar…

Fisman DN, Tuite AR. Progressive Increase in Virulence of Novel SARS-CoV-2 Variants in Ontario, Canada. medRxiv. 2021 Jul 12; doi.org/10.1101/2021.0…
背景 2021年2月から6月にかけて、カナダのオンタリオ州では、最初の野生型SARS-CoV-2株が、N501Y変異を持つ懸念される変異株（VOC）

（Alpha/B1.1.17、Beta/B.1.351、Gamma/P.1変異体）、次いでDelta/B.1.617変異株に取って代わられた時期があった。これらのVOCの伝播性性が高まったことは記録されているが、病原性が高まったことを示すデータは限られている。我々は、オンタリオ州の COVID-19 症例データを用いて、VOC ではない

SARS-CoV-2 感染症と比較して、これらの VOC の病原性を入院、ICU入室、死亡のリスクで評価した。
方法 オンタリオ州でSARS-CoV-2の検査で陽性となり、VOCのスクリーニングを受けた、検査報告日が2021年2月7日から6月27日までの人々（n=212,332）のレトロスペクティブコホートを作成した。

入院、ICU入室、死亡をアウトカム変数とする混合効果ロジスティック回帰モデルを構築した。モデルは、年齢、性別、時間、ワクチン接種の有無、併存疾患、妊娠の有無で調整した。また、健康保険組合は無作為の阻止として含めた。

結果 非VOC型SARS-CoV-2株と比較して、N501Y陽性変異株に関連する調整後のリスク上昇は、入院で52％（43～62％）、ICU入室で89％（67～116％）、死亡で51％（30～74％）。Delta株の増加はより顕著で、入院で108％（80～138％）、ICU入室で234％（164～331％）、死亡で132％（47～230％）であった。

解釈
SARS-CoV-2 の VOC の伝播性と病原性が徐々に高まっていることから、VOC が出現しなかった場合に比べて、パンデミックの規模が著しく大きくなり、致死率も高くなると考えられる。
→デルタ株は伝播性だけでなく、病原性も高くなっている！日本の現状を見れば、その通りである！

marugametorao.wordpress.com/2021/07/17/%e3…

Li B, Deng A, Li K, et al. Viral Infection and Transmission in a Large Well-Traced Outbreak Caused by the Delta SARS-CoV-2 Variant. medRxiv. 2021 Jul 12; doi.org/10.1101/2021.0…

Mlcochova P, et al. SARS-CoV-2 B.1.617.2 Delta Variant Emergence and Vaccine Breakthrough. Research Square Platform LLC. 2021 Jun 22;
researchsquare.com/article/rs-637…
SARS-CoV-2のB.1.617.2デルタ変異株は、2020年末にマハラシュトラ州で初めて確認され、B.1.1.7アルファ変異株やその他の既存の

系統を追いやってインド全土に広がった。数学的モデリングによると、この増殖の優位性は感染性の増加と免疫回避の組み合わせによって説明される可能性が高いと考えられる。実際、試験管内ではデルタ株はアルファ株と比較して、回復した人の血清中の中和抗体に対する感受性が低く、複製効率が高い。

インドの3つのセンターで100人以上の医療従事者を対象にしたワクチンブレークスルーの分析ではデルタ株はデルタ株でない感染に比べて呼吸器系のウイルス負荷が高いワクチンブレークスルー感染を支配するだけでなく（Ct値16.5対19）、B.1.1.7やB.1.617.1に比べてHCW間の感染も大きくなった（p=0.02）。

In vitroにおいて、デルタ変異株は、D614Gを持つ野生型のWuhan-1と比較して、ワクチン誘発抗体に対する感度が約8倍低下していた。SARS-CoV-2 デルタ変異株に対する血清中和力は、BNT162b2と比較してChadOx-1を接種した参加者で有意に低かった（GMT 3372対654、p<0001）。

これらの疫学的データとin vitroデータを総合するとインドにおけるデルタ型の優位性は過去に感染した人の中和抗体の回避とウイルスの感染力の増加の組み合わせによってもたらされた可能性が高いことがわかる。完全にワクチンを接種したHCWにおける重篤な疾患は稀であったが、デルタ株に関連する

病院でのブレイクスルー感染クラスターは問題であり、ワクチン接種後の時代にも感染対策を継続する必要があることを示している。
→日本でも、各地で病院でのブレイクスルー感染クラスターが多発するので発生ないかと危惧している！10月~11月に医療従事者のブースター接種は遅すぎるのではないか！

訂正

ブレイクスルー感染クラスターが多発するので発生ないかと
→ ブレイクスルー感染クラスターが多発するのではないかと

Ong SWX, et al. Clinical and Virological Features of SARS-CoV-2 Variants of Concern: A Retrospective Cohort Study Comparing B.1.1.7 (Alpha), B.1.315 (Beta), and B.1.617.2 (Delta). SSRN Journal. 2021 Jun 7;
dx.doi.org/10.2139/ssrn.3…
背景 SARS-CoV-2のVOC（variant of concern）が病気の

重症度に与える影響は不明である。今回のレトロスペクティブコホート研究では、2020年初頭にB.1.1.7、B.1.351、B.1.617.2に感染した患者と野生型株に感染した患者の転帰を比較した。
方法
2021年1月1日から5月22日までの全国サーベイランスデータを厚生省から入手し、VOCとの関連で転帰を検討した。

2020年12月20日から2021年5月12日の間に当センターに入院したVOC感染のSARS-CoV-2患者全員の詳細な患者レベルのデータを分析した。2020年1月～4月に入院した患者846名のコホートと比較した。
知見
調査期間中、シンガポールでは838人のVOC感染者がいた。年齢と性別を調整した後、B.1.617.2感染は、

酸素必要量、ICU入院、または死亡の高い確率と関連していた（調整オッズ比（aOR）4.90、[95%CI 1.43-
30.78]。157 名の VOC 患者が当センターに入院した。年齢，性別，併存疾患，ワクチン接種を調整した結果，B.1.617.2による肺炎のaORは，野生型と比較して1.88［95％CI 0.95-3.76］）であった。

B.1.617.2 は，PCR の Ct 値が有意に低く，Ct 値≦30 の期間が有意に長かった（推定期間中央値は B.1.617.2 が 18 日，野生型が 13 日）。ワクチンブレイクスルー症例は重症度が低かった。

解釈
B.1.617.2では重症度が上昇するシグナルが見られた。また、B.1.617.2はCt値が低く、ウイルスの排出期間が長いことから、感染性が高まるメカニズムの可能性がある。これらの知見は、ワクチン接種プログラムの迅速な実施を強く促すものである。
#デルタ株
#ウイルス排出期間

Riemersma KA, et al. Vaccinated and Unvaccinated Individuals Have Similar Viral Loads in Communities with a High Prevalence of the SARS-CoV-2 Delta Variant. medRxiv. 2021 Jul 31;
doi.org/10.1101/2021.0…