Thread by @takehiroohya

人権の歴史的展開についてご高説を述べておられる方がいわゆるフランス人権宣言とは「人と市民の権利に関する宣言」であり人権droit humainではなく自然権droit naturelに関するものである点を無視しているのを見てにこにことしている。

簡単にだけ書きますが、まず人権が権利一般に含まれるかどうかは極めて疑わしく、その内部にもさまざまに性質の異なるものが含まれており、しかし民主政とは対立するというのが「横槍」（ノージック）「切り札」（ドゥオーキン）と表現されているように基本的理解でしょう。

でまあその人権が憲法などの制度により成立していると考えると「制度変更されたらなくなるんですね」という批判を招き（「法による支配」への典型的批判）、共感を基礎にすると反感を抱かれる少数者を守れなくなるという問題が生じます。

このあたり、共感といっても公平な観察者の観点からですねとか立場の交換に基づく普遍化可能性ですとかいろいろ対応が考えられているのですが正確に理解しようとすると大学院レベルになりますので児童の発達段階に応じてどう教えるかというプラクティカルな観点で議論してください。

なお権利自体、共感的なものを基礎として、共通の属性に基づく同一取扱いの保障を求めることで拡大していく（この男性に選挙権を認めるとき、同一の知性がある女性にも認めざるを得ないのではないか）動的なものと理解した方がいいというのが私見です（法律時報2017年1月号掲載論文参照）。