Thread by @shodamiwa

わたしはのんびりしてるので、生活のことはゆっくりです。「訓練すれば早くなる」と言う方もいますが、あんまりそうは思えなくて。修行を積めば誰でもスポーツ選手や芸術家になれるわけではないように。家事や育児も、才能あふれる達人と、そうではない人と、あるものだと考えています。

家事は得意ではありませんが、「自分のペースでやる」というのを掲げてるので、わたし自身は楽しくできてます。これが「誰かと比べられて、点数をつけられるもの」となると、途端にしんどいですよね。「そんなみすぼらしいご飯食べさせられてる家族が可哀想」とか、「これくらい作れて当然」とか。

「これぐらい普通」「できて当然」と、わざわざ言いにくるタイプは。自己評価が高いようで、低いのですよね。家事に才能があるのに、それを「普通だ」とか、「できて当然」とか言ってしまうわけですから。自分を低く見ているのです。他人のことは、さらに低く見ているのでしょうけれど。

お料理上手なことや、お片付けの段取りが良いことは、自慢できる特殊スキルです。そうした実用的なスキルは、ダイレクトに暮らしを支え、日々を豊かにしてくれます。それでも、そうした人たちが、「こんなの普通」と言うのですから。家事という日々の働きに対し、感謝や敬意が十分ではないのでしょう。

「家事」というものを、「誰もがお世話になる、重要な仕事である」と認めることです。家事を侮れば、その人の生活はじわじわと狂っていきます。メシなんて、口に入ればなんでもいい。外食でいい。買えばいい。掃除なんて、まとめてすればいい。たまにでいい。そうして、日々はすさんでいきます。

ダメな人間がよく言う台詞に、「こんなの簡単」があります。こういうことを言ってしまうタイプは、他人の仕事を異様に低く、自分の能力を異様に高く評価しています。家事への台詞にしてみると、わかりやすいです。「家事なんて、（外で働いてる自分の仕事に比べたら）たいしたことない」

こういう家事を低く見積もりたがるタイプと暮らしてる、家事担当者がほんと、しんどいのですよね。どんなに美味しい料理を手際よく作っても。家の状態を居心地良く保っても。「自分が外で働くことに比べたら、そんな家事なんてたいしたことない」と、認めてもらえないわけですから。

「家事は、ちゃんとした仕事ではない」と、言葉で、態度でやられてきて…ふと「自分よりへたくそな家事を、楽しそうにしてる人」を見かけて。ひとこと言わずにはいられなくなって。「あなたも自分と同じ、たいしたことない人間なのよ」「あなたのしてることなんて、くだらないのよ」と。

なので、「よくこんなつまらない料理アップできるわねえ」「これ食べさせられるなんて虐待よ」くらい言われても。それと同じ強さか、それ以上の強さの酷い言葉や態度で、この人は殴られてきたんだな…と、わたしはですけれど、思います。（わたしはそういう人とは離れるので大丈夫です）

「家事担当者の仕事」＜＜＜「外で働く自分の仕事」という悪しき公式は、それを唱えるお家だけではなく。外へ外へと広がっていきますので。心当たりがある方は、やめてくださればと思います。どこのおうちの、誰が担当してる家事であっても、感謝こそすれ、採点しない／させない、です。

家事は、命ある限り延々と続く、超長期戦のお仕事です。人と競って勝てばいいとか、瞬間瞬間の最高値を叩き出せば大丈夫とかでなく。これができればあがりというゴールが一切ない、「ずっと走っててください」という、持久戦なのです。なので、家事担当者のできるペースでやってもらうのがだいじです。

半年ほど家事全般を担当していただければ、自分のペースで走るのがわがままやサボりではなく、「それ以外にないのだ」と理解できると思います。あとは「家事担当者の楽さ」と、「周りの楽しい」が重なるところを探したいですよね。攻撃したりされたりがなくなって、みんなが楽しく家事できますように。