このプーチン大統領のコメントに対するACER(欧州エネルギー規制庁) Dennis Hesseling氏(Head of Infrastructure, Gas & Retail Department)のコメント
linkedin.com/posts/dennishe…
「私はEUのガス市場政策を"近視眼的"とは呼ばない。実際、EUのガス市場政策は、欧州全域でガス競争を可能にする
長期ビジョンに基づいており、過去10年間で欧州のガス需要家に数十億ユーロの節約を実現した。長期契約は、欧州ガス業界の勃興期には、インフラ投資をバックアップする一定の価値があったかもしれないが、同時に市場を細分化し、市場支配力を生み出し、需要家の価格を高止まりさせる効果があった。
しかし、市場では価格は上がることも下がることもある。」
市場導入意義は、市場支配力に伴う価格不透明性の排除にありますよね。
しかしながら、私が知りたいのは、今回の事態は「市場の失敗」ではないのか、そして今回の事態に市場はどのような対策が考えられるのか、である。既に需要家に
多大な影響が出ており、経済危機に直面している。市場は経済活動を支える機能を提供するものであり、市場が経済危機を誘引したとしたならば、本質的にはその存在は否定せざるを得ない。
今回の事態を経て、どのような市場の在り方を目指すべきなのか。ACERが市場の擁護をしている場合ではないだろう。

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16 Oct
※少し長くなります。
「ドイツはフランスから電気を買っているではないか。脱原発なんてとんでもない」といった返信、RTをよくいただきますが、少しそれは早計ではないかと考えます。欧州の電力市場、相互依存関係は第二次世界大戦後の、欧州協調体制の賜物であると言えるからです。私は昨年12月に
ドイツ電気事業の歴史的経緯についてツイートをしておりますが、改めて整理させていただきます。

ドイツ電気事業について考察する際に大変重要なポイントは、ドイツは1870年のドイツ帝国成立まで諸侯国連合であった点である。ドイツ帝国はプロイセン王国、バイエルン王国、
ザクセン王国、ヘッセン大公国、自由都市ハンブルクなど、4王国、6大公国、5公国、7侯国、3自由都市で成立する連邦国家であった。歴史的経緯から、ドイツでは東京やロンドンのような一極集中型の大都市が存在せず、ベルリン・ハンブルク・デュッセルドルフ・ミュンヘン・フランクフルトのように
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15 Oct
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thetimes.co.uk/article/40a92c…
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第二に、前払い料金が小売事業者の運営資金に流用されていないか、Ofgemは監視する必要がある。
第三に、再生可能エネルギー義務(RO)は年1回払いではなく、分割払いとするべきである。
最後に、銀行や保険事業の免許取得には厳格な
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Read 4 tweets
13 Oct
ロシア大統領演説ですが、大変まっとうな発言のように見えてしまう。。
kremlin.ru/events/preside…
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今年は風力発電量の減少により、欧州市場で電力不足に直面した。エネルギー価格が上昇し、スポットガス市場における価格上昇のきっかけにもなった。
重要なポイントは、季節によってガスの需要量が変化することである。例年、冬季に入る前、夏季にある程度のガス貯蔵量を確保する。ところが、今年は欧州の寒い冬が終わっても多くの国がガス調達に入らず、スポット市場に頼る、所謂「見えざる手」が働いていた。
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25 Jul
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足元の
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他の問題を増長させる恐れがある。大変に手が付けづらい。2010年代の豪州の政局もほとんどは気候変動問題に対する与党内・閣内不一致から起きている。
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25 Jul
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11 Mar
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しかし、実は日本には有望だと考えられる電源がある。非稼働原子力である。燃料装荷に時間がかかることから緊急稼働は難しいが、今後のVREによる供給力確保の不確実性増大を考えると、
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