Thread by @NIWA_KAORU

リベラルは衰退しました　～普段は「国民の声をきけ」「民意は正義！」としている癖に、自分に民意が味方しないと「国民は愚かなり」とするリベラルのみなさんたち～「ゆるふわ愚民論」｜丹羽薫ちゃん @NIWA_KAORU #note note.com/niwakaha/n/n63…

ニワカちゃんのお送りするリベラルの愚民論決定版

これは「はいはい、日本のリベラルはすぐ自分たちの正しさが理解されないと、その不快感に耐えきれなくなって、国民は愚かだといい出して、民主主義を奉りながら民主主義のショートカットばかり考えるね」という話ではない。なぜそうなるか根本的に解明しようとしています。

実は私がうんざりしているのは、「国民が愚かなり！」という叫びそのものではない。むしろ逆だ。「国民が愚かだ」と思ったり、「大衆は間違った判断をする」とか別に思っていいじゃないか。信じている価値観を都合のいいときだけ使いながら、都合の悪いときは裏切る「あまりに卑劣」すぎる態度が問題だ

たとえば前川喜平氏のこのツイート、「炎上」したわけだが、自分に都合が悪い結果がでたら、調子よく「日本の有権者はかなり愚かだ」といっている。「私達の正しさが理解されないのは国民が馬鹿だからだ」的な感じだ。しかし普段の彼は。なんと主張していたか忘れてしまったのだろうか？

そうなのだ。普段の彼は「民意が政権の暴走を止めた」「民意はもはや明らかだ。民意を踏みじにじる政権は退陣せよ」といっている。とするなら今回の自民党が安定過半数維持という選挙結果も「民意が野党の暴走を止めた」「民意を踏みにじる野党の幹部は辞職せよ」ということになるんじゃないだろうか。

私はこれを「ゆるふわ愚民論」と名付けるのだが、こういうものだ。

「民意は正義だとしておきながら、自分に民意が味方しなかったら、民意を愚とする」

「民意は愚としておきながら、民意が自分に味方するときには、民意を正義とする」

無敵すぎる夢のツールである。

この「ゆるふわ愚民論」が大量に吹き出したのは、まだ去年の安倍辞任の時だ。彼も「これ以上基地をつくらないことが沖縄の民意だ！当事者の声をふみにじるのは純然たる悪だ」みたいなこといって「民意は正義」としている癖に、いざ自分たちに都合の悪い結果がでた途端に「民意は愚」とする。とても卑劣

この時期に生まれた名言が、これですね。もはや「（国民は倫理的に間違っているので私達は支持されないので、こいつらが国民なのはおかしいから）正しい人だけで国を作るぞ」という意味で実にブラック。これは全体主義なのであるが、私の論では「ゆるふわ愚民論」がこうした全体主義に結びつくわけです

「安倍の辞任表明で泣いたユーミンは早く氏んだほうがい」発言で話題沸騰した政治学者の白井聡氏のような人は、「この判断力のない愚民どもから選挙権をとりあげろ」みたいな怨念がつまった挙げ句の「制限選挙」の主張者である。

白井聡氏のような人間は、「民意がー」みたいな甘っちょろいことも一切いわないし、堂々と愚かさを憎む人物。だから「大衆なんて愚かで間違える。正しい結論には導かれない。我々、前衛エリートが大衆を指導してやるんだ。歯向かうやつらは粛清。そして社会を急進的改革してやるぞ」という立場ですね

白石氏はガチ左翼というか今どきアルカイックな話だが、レーニン主義の人なんですよね。

左翼（急進的改革主義）＝「ガチ愚民論」
リベラル（戦後民主主義）＝「ゆるふわ愚民論」

そして一方で無邪気に「民意」を正義とする「ゆるふわ愚民論」こそが本邦のリベラルを覆う特徴なんですね

いままでみてきたように一方で無邪気に「民意」を正義としながら、都合がわるくなると「国民は愚かなり」と言い出す「ゆるふわ愚民論」（幼児性）こそが本邦のリベラルの特徴だ。なんでこうなってしまったのだろうか？　この完全解明が本論です。

現代のリベラルの価値観が「戦後民主主義」とするなら、実は戦後すぐの代表的な「戦後民主主義」のリベラル（教祖たち）は「大衆」を嫌いぬいていた。なぜそんなことが許されたのか？　そのことは意外と知られていない。この関係を理解せずして、現代リベラルの「ゆるふわ愚民論」は全く理解できない。

「戦後民主主義」というものは深い「大衆」への嫌悪からはじまった。なぜ当時、彼らがそんな「大衆嫌悪」的であっても許されたのか。すると見えてくるんですよね、「もう現代のリベラルは、民主主義や国民を愛するのは辞めるべきではないか？正しく国民を嫌え。正しく大衆を嫌え」、と。

今回の選挙ででてきたリベラルの怨嗟の件であるが、私が顕著な傾向だと思っているのは、もはや「私達の正義は国民は愚かだから理解できない」という考え方ではなく、もはや「国民が正しくないから私達は支持されない」とダイレクトに言い出すひとが増えたことである。たとえば話題の勝部元気氏

勝部氏は「弱い者を切り捨てて生き延びたい国民心理」といっているし、「日本人は弱者に厳しい」など。要するに「日本人は倫理的におかしい人達である」ってのを選挙のリベラル敗因にもとめてる人たちがふえた。それらを豊富な例とともに、なぜそうなるか、「ゆるふわ愚民論」キータームに解説してます

選挙に負けたごときで、ここまで日本人に「弱者に厳しい」とかレッテルを貼り、憎悪はじめるのがすごい。これ、いわゆる「いい人だけで国つくりたいなー」仕草なんですが、なぜそんな一般感覚とのズレが生じるのか。執拗に憎まれているのは、「数字上の不愉快な結果を出力する観念上の国民」なのだ。

要するにリベラルとは、実際にこの社会の「ほんとうの弱者」を救うというよりも（たとえばロスジェネ世代、結婚できない人々）、「『かわいそうなもの』として扱わなくてはならないもの」を助けることで「正しさ」を消費したいだけ」なのが見抜かれているわけですが、なぜそんな「国民」が見えないのか

「いい人だけで国をつくりたいなー」といっても、現実には作れないわけだから、「民主主義」をやめない限り、全体主義的傾向を帯びる。日常生活に至るまで個人の存在のあり方が強制される。まさに現代ポリコレリベラルの欲望そのものなんですよね、その危険性についても書いてみました。

いつもは「民意は正義」としている癖に、いざ自分たちに都合の悪い結果がでた途端に、「民意は愚」とする。とても「卑劣」なリベラル仕草がどうして生まれるのか――戦後すぐのリベラルが抱いていた深い大衆嫌悪から解き明かすリベラールな愚民論の決定版です
note.com/niwakaha/n/n63…

川勝知事が「田舎からでてきて、単位がほしいだけで学問してないから教養の無さが露見したこの田舎もんめ」みたいなことを菅元総理に言い放ってしまった彼の内的必然とはなにか、とても残酷な話も書いていますので、リベラルはなぜ汚言症になるのか、というあたり興味ある方は読んでみてくださいね

「インテリ」が「インテリ」を批判するとき、自分は「インテリ」の範囲外にいると暗黙のうちに考えて「インテリ」を攻撃してしまう。そういう重要なパラドックスについても書いてみました。もちろんいつもどおり、無料部分でも楽しめます、それではスキやシェアでご協力いただけたら幸いです。