●オミクロン株感染者は過去の株とは違った方法で感染者を重症化させる
→新聞記事ですが、興味深い内容なので取り上げます。
日本中のオミクロン株感染者がどうなっているのかは分かりませんが、現時点では肺炎例がほぼいない事はすでに実感として感じ始めています。
まだ経験症例が少ない上に、患者の年齢層が若くて高齢者がほとんどいないのでなんとも言えませんが・・・
下記はNY市の救急救命医のツイート等を取り上げたものです。
・典型的な肺炎症例の割合は少ない。
・しかし基礎疾患を悪化させたりするなど異なった方法で感染者を重症化させる。
・重症度はワクチン接種状況で異なる。booster接種者は全例軽症で咽頭痛が主体。
・ウイルスは鼻腔ではなく、喉に多く存在している可能性がある。
咽頭痛、声が出しにくいという主訴は、オミクロン株感染者から確かに良く聞かれるような気がしています。
Omicron Variant Symptoms: Latest COVID ‘Making People Really Sick in a Different Way'
nbcnewyork.com/news/coronavir…
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・オミクロン株によるCOVID-19の全国的な急増により、救急外来病床は再び患者で溢れかえっている。あるニューヨーク市の著明な医師は「今、我々が見ているものは、過去2年間のパンデミックで見てきたものとは全く異なっています(much different)」と述べている。
・マンハッタンの救急救命室の内科医であるCraig Spencer氏は、現在起こっている患者急増がどのように異なっているのかについて、月曜日の深夜にツイートした。
どんな人が救急外来に来院しているのか、そして、その感染力の強いウイルスによって医療がどのような影響を受けているか(how they're being affected)の2点についてである。
・「今日は来院患者全員がCOVIDのように思えました。とても多くの患者さんがです。確かにこれまでと同じような症状で、息切れを主訴とし酸素投与が必要な患者もいます。
しかし多くの患者では(But for most,)、COVID-19は基礎疾患の微妙なバランスを崩すように作用しているように見えるのです。COVID-19はこれまでとは違ったやり方で、人々を重症化させています」と彼は書いている。
・Spencer氏はいくつかの例を挙げている。ケトアシドーシスを発症した糖尿病患者や、COVID-19により衰弱してしまいベッドから起き上がれなくなった高齢者、などである。
「さらにこれまでと異なっているのは、感染するとリスクが高いためこれまで我々が感染を避けるようにしてきた免疫不全の患者の隣でCOVID患者が見つかってしまう事が多くなっている点です。化学療法を受けている癌患者さんや、免疫不全者、重症患者などです」、と彼は述べている。
・彼は世界の複数の研究が結論づけているように、オミクロン株がデルタ株よりも軽症(milder disease)であるようだという点には同意している。しかし同時に、感染者数があまりに多すぎるため、医療機関としては結局、あまり大きな違いはないのです( it ends up not really mattering)と述べた。
・「「あまりにも」多くの患者が発生しており、同時に異なった方法で患者の健康に影響を与えています。ですから、入院が必要な症例がごく一部であったたとしても、それは巨大な波となってしまうのです」と彼はツイートした。
・「私が診てきた感染者でbooster接種を受けていた人は全員軽症例だった。主に咽頭痛を訴える程度だ。多くは咽頭痛を訴え、一部は倦怠感や筋肉痛などを認めていた。呼吸困難となった患者はいなかった。体調不良ではあるけれど大丈夫なのだ」。
そこからはワクチン接種状況により、状態は悪い傾向がある( it goes downhill, depending on your vaccination status)。
・彼の咽頭痛についてのコメントは、オミクロン株が過去の株と比較して体の特定部位に多く存在するのかという議論にも関係している。
ツイッターのトレンド「#SwabYourThroat」は有症状患者が、鼻腔スワブの迅速検査で陰性であったが、喉のスワブで検査をするとすぐに陽性になったという複数の逸話的報告によって生まれている。
このトレンドは、12/27にUniversity College Londonの生物学者が、連続して陰性判定だった患者が喉のスワブでは陽性だったとツイートした事で一気に勢いを増した。
・現時点でFDAや公衆衛生担当者らは在宅COVID-19検査の使用法について指示や推奨の変更を行っていない。主に鼻腔スワブが現在でも推奨されている。一方でイギリスでは、2020年初頭より在宅での咽頭スワブの採取法についての情報を提供している。
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9 Jan
●世界の状況
重症者数の推移は、
アメリカが15日で6278人増。
→ICU/人工呼吸器重症者
米国は22445人で1日で500人増
イタリア1557人で1日で58人増
フランス3333人で12日更新なし
イギリス868人で1日で10人増
イタリア47日増→45日減→68日増
フランス29日増→52日減→79日増
イギリス27日増→45日減→15日増
worldometers.info/coronavirus/ Image
→米国:感染者増加で医療逼迫、公共交通機関の機能低下進む
1日1000人以上の死亡者と増え続ける重症者数を犠牲に、ウィズコロナを突き進むアメリカ。
政府はワクチン1本で経済活動の制限は行わないスタンスを貫いています。
まるで現代のオメラスのように私には見えます。
Read 13 tweets
9 Jan
●日本の状況​
→東京都の推移
本日の7日間移動平均は664.8人。
1週間の推移は60.1→66.0→75.7→90.7→135.6→218.0→338.6→502.1→664.8人
24日連続の増加、7日間で1日平均は11倍。
東京都 コロナ 1223人感染確認
www3.nhk.or.jp/news/html/2022…
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東京都内の9日の感染確認は1223人
都の基準で集計した9日時点の重症の患者は、8日と同じ4人
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1) 感染者報告数
7日間移動平均の推移
→342→341→303→258(宣言解除)
→253→226→206→197→182→165→154
→145→129→115→109→100→89→77
→66→63→60→58→52→47→44
→39→34→31→30→29→28→26
→25→24→25→23→22→20→19
→19→20→20→21→23→23→26
Read 15 tweets
9 Jan
(続き)

・booster接種後の抗体価と中和抗体の変化
Aはprimingワクチンとboosterワクチンの組み合わせによる抗体価の変化を見たものです。
どのprimingワクチン後でもboosterにはモデルナを用いたほうが抗体価が高い傾向は見えます。
しかし興味深いのはBのpseudovirusを用いた中和抗体価です。
左がファイザーprime後のモデルナbooster、右がアストラprime後のモデルナboosterです。
前者はbooster後もオミクロン株に対する中和能は変化していません。
一方で後者では4.3倍の上昇が見られ、絶対値でもmRNA3回接種を上回っています。
これはboostによって上昇している抗体のavidityが両者で異なっている事を示しているかと。
アストラワクチンによる誘導抗体のavidity上昇の報告は複数あります。
そしてそれがmRNAによるbooster効果によってその有用性が顕在化しているのかもしれません。 Image
Read 10 tweets
9 Jan
●オミクロン株は従来株とは異なる経路で細胞内に侵入する(プレプリント)
→従来のSARS-CoV-2は、ACE2とTMPRSS2の共存している細胞内に侵入可能でした。
ところがオミクロン株はACE2で結合後にendocytosisで取り込まれ、その後カテプシンの作用により細胞内に侵入するという感染経路がメインである可能性があるようです。
主要な感染経路が異なるわけですから、従来株とは主要感染細胞の種類やウイルス分布が大きく異なってくる可能性が出てきます。
感染にTMPRSS2を要しないので、理論的にはさらに多様な細胞に感染しうる可能性があるのでしょう。
これまでで積み上げてきた剖検例を用いた感染臓器・細胞などの知見は、オミクロン株で再度検討しなおす必要がありそうです。
Read 24 tweets
9 Jan
<米国は入院数増加で医療逼迫状態へ>
感染者の数に対する入院者の割合は、これまでより低くとどまっているものの、
感染者が多すぎるため、入院する人の数は以前と変わらず、医療機関が対応しきれなくなっている。
非常に厳しい冬になるだろう。
(ブラウン大学公衆衛生大学院 メガン・レニー准教授)
www3.nhk.or.jp/news/html/2022…
「オメラスって知っているか?
ある小説に出てくる理想郷のことだ。
オメラスは、自然に恵まれ、独裁者もいなければ、身分制度もない。
誰もが、何不自由なく暮らしている、幸せな街だ。
ところが、その街のどこかに、光の届かない、固く閉ざされた地下室があった。
Read 6 tweets
8 Jan
●世界の状況
重症者数の推移は、
イギリスは再び減少傾向?
アメリカが14日で5778人増。
→ICU/人工呼吸器重症者
米国は21945人で1日で478人増
イタリア1499人で1日で32人増
フランス3333人で11日更新なし
イギリス858人で1日で17人減
イタリア47日増→45日減→67日増
フランス29日増→52日減→78日増
イギリス27日増→45日減→14日増
worldometers.info/coronavirus/ Image
→NY州:オミクロン株感染者のICU率は明らかに低く、ワクチンは有効
これまでは感染者の25-35%がICU管理を要したのが、オミクロン株では10%程度まで低下。
ただしこれがオミクロン株が弱毒である事を意味するのか、ワクチンによる重症化阻止効果を意味するのかは記事では分かりません。
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