Thread by @paji_a

1/ 今日は、「なぜNFTと永続性」について書き殴ります。NFTの作り方には無数の種類があります。どのチェーンやサーバーで作るかによって「永続性」が変わってきますよ、という話を聞いたことがあると思います。ただでさえ分かりづらいNFTで、混乱しそうになりますが、今日はこの話題を深ぼっていきます

2/ NFTと「永続性」の関係は、私たちが普段買う商品に置き換えると理解がはかどります。例えば、スーパーで販売している「牛乳」。「牛乳」は生モノなので冷蔵庫に入れておいてもせいぜい賞味期限は1週間程度、1ヶ月過ぎたら食さないほうがよいほど劣化します。これは「永続性」が保てていない状態です

3/ 時間軸で「牛乳」の価値にも目を向けてみましょう。あくまでイメージですが、こんな感じで、「牛乳」の価値は時間経過とともに減退していきます。
1日目：100
2日目：100
3日目：90
4日目：80
5日目：70
6日目：60
7日目：50

4/ 同じ乳製品の「チーズ」はどうでしょうか。未開封なら1-2ヶ月くらいは持ちます。価値は、
1日目：100
2日目：100
・
・
7日目：100
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・
30日目：100
という感じになり、もし「牛乳」と「チーズ」を同じ金額で買っていたら、価値は「チーズ」のほうがより長く維持できます（味や効用の差は除く）

5/ 30日目の「牛乳」は、食材には利用できず廃棄する必要がありそうですが、「チーズ」は、食材として美味しい料理を作れるため、価値の源泉となっている機能や効能もより長期間維持できるわけです。「チーズ」は期間を長く取れるので、海外への輸出もしやすく、ビジネス性も広がりやすいのです

6/ 10年単位の長い時間軸で考えてみましょう。例えば、紙の漫画の場合、30日目も価値は100のままですが、10年後は紙が劣化して、価値は50に下がっている可能性があります（骨董的価値は除く）。紙媒体の機能的な限界で、仮にコンテンツの価値が維持できても、記録媒体によって価値が損なわれるのです

7/ 同じ内容の電子書籍の漫画の場合はどうでしょう。データベース上に乗っているデジタルデータなので10年後も紙のようにはデータとしては劣化はせずに済んでいる可能性が高いです。読みやすさはなど除くと、「永続性」の観点からは、紙よりもデータベースという記録媒体のほうが優れていると言えます

8/ デジタル化は十分に画期的。ただ純度の高いNFTはこれをより強靭にする技術です。電子書籍が保管されているデータベースは、Web2時代に覇権をとったグローバル企業のクラウドサーバーや各企業の独自サーバーに保管されています。ただ、これもよくよく考えていくと「永続性」の担保は弱かったりします

9/ まず、数十年単位で考えれば、グローバル企業が倒産するといったリスクもゼロではありません。さらに、電子書籍を作る出版社やクリエイターの振る舞いによって、こうした企業から契約解除もありえます。実際にゲームメーカーが手数料が高すぎると主張したら、同じような憂き目にあっています

10/ どこか1社の思惑で、「永続性」を保てなくなる可能性があるデータベースにも、まだ課題があったのです。NFTだと、フルオンチェーンという方式や、ブロックチェーンの外でも分散的にファイルを管理するIPFSなどでデータを管理する方法で永続性を高めることができます。イーサリアムだとより強靭です

11/ NFTは1社管理のデータベースの弱点を補うことで、より高い「永続性」を手に入れる最高の手段になりえます。「永続性」が高いことで、より長期間に渡り価値が維持できるため、（「チーズ」が海外にも輸出できたように）ビジネス的な拡張性があり、「永続性」が高いほど、投資も加速しやすくなります

12/ よく言われるように、NFTはレゴ・ブロックのような性質を持ちます。「コンポーザビリティ」と呼ばれたりしますが、組み合わせるレゴが、10-20年程度で機能的に”劣化”してしまうリスクがあるより、さらに長い期間”劣化しない”ことで、組み合わせる土台がしっかり作れるようになるのです

13/ ちなみに、リアルでも石版や金属に刻むという行為で、数千年は劣化させないという富豪的な方式もありますが、コストが膨大に掛かります。また、物理的な存在であるため、世界中への流通のスムーズさが劣ります。さらに、NFTで発明された作者の参照・検証などの特性を利点ももたせられません

14/ NFTが魅力的なのは、作者検証にグローバル流通の効用を持ちながら、安価に「永続性」の強靭化を図れる点です。NFTの使い方次第では、”地球が壊れない限りなくならないレベル”の高い「永続性」を獲得できます。NFTによって、一般庶民が手に届く金額で、後世に”データ”を残せる技術はロマンの塊です