Thread by @Yuki_Mats

＜大長文スレッド PART ２＞
今ハリウッドで今起こっている、「アジア系アメリカ人」の業界人による、「アジア人」の「表象(ひょうしょう、representation)機会の盗用」とは？

このスレッドに続きます

＜大長文スレッド PART１＞は↓

https://twitter.com/Yuki_Mats/status/1497113703333855238?s=20&t=aPnqGrK87s4bCUKTKZEW8w

…それにもし「当事者による表象」を「厳格に」適用した場合、「表象対象」が「アジア人」だと、多くの「アジア系アメリカ人の業界人/俳優」が「非当事者」になり、働けなくなります。だから彼らは「米国内のAsian Hate」解消のため共に戦っている「仲間」を守るため、ここで「表象の妥協」をします(続

つまり「非当事者」の「アジア系アメリカ人」による「アジア人」への「表象機会の盗用」と、それが生み出す「誤った表象」を 『これは許容範囲内だ』と「アジア系アメリカ人」同士で庇い合うのです。この「表象の妥協」による「差別」の影響を一番受けるのは「ハリウッドにいるアジア人俳優」です (続

米国(カナダ)に住む「アジア人」の多くは、現在のハリウッドが生み出している「自分の属するアジア人の表象」が「誤った表象」である、つまり「差別的」である、と認識しています。そしてその「誤った表象」を、「当事者による表象」で正して欲しい、と願っています。（続
cbc.ca/news/canada/br…

そして「その願い」を共有する「ハリウッドのアジア人俳優」の多くは、ハリウッドがその強大な影響力でもって「全世界」にばら撒く「アジア人」の「誤った表象」を、「アジア人俳優」である自分こそが「当事者による表象」で正そう、という強い信念を持って活動しています。（続

…そしてここで、「表象の妥協」を受け入れている「アジア系アメリカ人の業界人」と、「当事者による表象」で「誤った表象」を正そうとする「アジア人俳優」との利害関係が正面からぶつかります。結果、「アジア系アメリカ人」の業界人が「アジア人俳優」を冷遇したり、クビにする事態が起こります (続

たとえば「日本人(※以下、在日を含む)を描く作品」の「制作者」が「非当事者のアジア系アメリカ人」の場合、「アジア系アメリカ人の表象」で「日本人の表象」を上書きする事態(表象機会の盗用)と、「偏見」に基づく「ステレオタイプ」で「日本人」を描く事態(誤った表象)、の両方が起こり得ます。 (続

前者の「アジア系アメリカ人の表象」で「日本人の表象」を上書きする場合、「制作者」はオーディションの時点から「アジア系アメリカ人」をキャストするつもりで募集し、「どの俳優が『アジア系アメリカ人の表象』にベストか」、という基準で選考します。結果「日本人(在日)俳優」は不利になります (続

そして後者の「非当事者の制作者」の持つ「日本人(在日)への偏見」に基づく「ステレオタイプ」で「日本人(在日)役」を描いている場合、オーディションではその「ステレオタイプの日本人像」に「誰が一番ハマるか」という、「差別的な日本人像」を「目標」にした「地獄の茶番レース」が開催されます (続

もし「日本人(在日)俳優」が、この「ステレオタイプな日本人役（例：テックオタク役）」の「表象」を「軌道修正」したければ、この「ステレオタイプな日本人像」を「目標」にした「地獄のレース」にあえて「参戦」し、「キャスト」され、「その役を表象する権利」を勝ち取らなければいけません。（続

もちろん「当事者」である自分が、「非当事者」が作り上げた「ステレオタイプの日本人像」に迎合するわけですから、これは屈辱を伴います。しかし、この「地獄のレース」に勝たなければ、「非当事者」がキャストされ、「誤った表象」が全世界にばら撒かれて「日本人像」が悪化する可能性があります（続

だから「日本からハリウッドに来た俳優(以下『日本からの俳優』」は、たとえ屈辱的だったとしても、「当事者による表象」を勝ち取るため、この「レース」に挑みます。…しかし一方で、この「レース」の「参加権」すら与えられない「日本からの俳優」がいます。「ミックスルーツの日本人俳優」です。(続

ハリウッドが特定のキャラクターを「日本人」にする場合、「日本人」であるがゆえに「特定の何か」をさせることで物語を進行させる、という狙いがあります。だからその役は「アメリカ人の観客から見て『日本人』」に見えなければいけないのです。当然求められるのは「ステレオタイプな日本人」です（続

だから、どんな作品のオーディションでも、ハリウッドが、わざわざ「日本人」を募集する際の「第一条件」は、
>Can he/she/they pass as "Japanese"?
(『日本人』に見えるか？)
です。そしてこの第一関門で「ミックスルーツの日本人俳優」達は、ほぼ全員「日本人に見えない」と排除されるのです。（続

このハリウッドによる「ミックスルーツの日本人」に対する明らかな人種差別も、ハリウッドでは半ば「作業的」に「無自覚の差別」として行われています。これまで何十年にも渡って続いた「誤った表象」のせいで、「ミックスの日本人は存在しない」という「偏見」が、完全に、定着してしまったのです (続

もちろん「実際の日本社会」では「ミックスの日本人」は全く珍しい存在ではありません。「フツー」にいます。つまり「現代の日本社会」を反映した「多様な日本人像」と、ハリウッドの考える「ステレオタイプな日本人像」が、まるでパラレルワールドのように完全に乖離してしまっているわけです。（続

しかし、この「ミックスの日本人俳優」に対する「存在否定」という「何よりも非道な差別」を「解消」するための「救済措置」が、理論上は、あります。「現代の多様な日本社会」を反映した「実情の日本の表象」が「映画/TV作品」を通じ、日本から世界に向けて大々的に発信されていれば良いのです。(続

そうすれば「マイノリティキャラ」が「フツー」に登場する作品を「見慣れた人」の中でその「存在」が「フツー」になったように、「ミックスの日本人キャラ」が「フツー」に登場する日本作品を「見慣れたアメリカ人」の中でも、その「存在」が「フツー」になっていきます。（続

https://twitter.com/Yuki_Mats/status/1497215203859066888?s=20&t=1RlZBl9HI2ptRCmCzeuhgA

しかし残念ながらここで、その「ミックスの日本人への差別」を解消する「救済措置への希望」は、一度完全に潰えます。実は「日本」は、「映画/TV」などで「マイノリティ当事者による表象」が、ほぼ全く、行われていない、「マイノリティ当事者による表象」という「概念」すら無い特殊な国なのです （続

例えば「ゲイの主人公」を描いた「日本の映画/TV作品」は、ヒット作も含め過去何百本も存在します。しかし実際に「ゲイのキャラクター(マイノリティ)」を、「ゲイの俳優(当事者)」が、「演じた作品(表象)」は、殆どの方が１本も挙げる事ができません。「表象」の観点から、これは異常な状態なのです(続

しかし逆、つまり「ゲイのキャラ(マイノリティ)を」、「ストレートの俳優(非当事者による 表象機会の盗用)」が、「ステレオタイプに演じている作品(誤った表象)」は、殆どの方が複数目にした事があります。つまり現在の日本の「ゲイの役像」は、ほぼ全て「非当事者による表象」という事になります。(続

では同じように「日本の映画/TV」に登場した、レズビアン、ノンバイナリー、クィア、トランスジェンダー、アロマンティック、アセクシャル、こびと、ろう者、障がい者(身体/精神)、ミックスルーツ、人種マイノリティ、の役をそれぞれ考えてみて下さい。「当事者による表象」は行われていましたか？（続

「その役」は、「非当事者の制作者/監督/脚本」が生み出した「偏見」に基づいた「誤った表象」になっていませんでしたか？マイノリティが「実生活」で「無自覚の差別」を受ける原因になる、「珍しい存在」「劣った存在」「可哀想な存在」という「『フツー』ではない役」になっていませんでしたか？(続

おそらくかなりの方が「誤った表象」に基づかない「当事者による表象」の実例を、１作品も挙げる事が出来ないで驚いてらっしゃるかと思います。残念ながら、これが2022年の日本の現実です。「日本のマイノリティ俳優」はこれまで何十年間も、「当事者による表象」の機会を奪われ続けて来たのです。（続

まとめます。

現在「ハリウッド」では「アジア系アメリカ人の表象」が「日本人(在日) の表象」よりも優先され、「日本人役」は「ステレオタイプ」を求められ、「ミックスルーツの日本人」は、日本にも、ハリウッドにも、「役」が存在しない。

この状況を改善するには、どうすれば良いのでしょう？(続

ここで思い出して下さい。この「ハリウッドの間違った日本人像」を改善するための「救済措置」が、一つ、あったハズです。

「マイノリティ」が「フツー」に存在する「多様な現代日本」を反映した「実情の日本の表象」を、「映画/TV作品」を通じ、日本から世界に向けて大々的に発信する、です。(続

しかしそのためには、そもそも「現在の日本の映画/TV界」における「当事者による表象」の状況を改善する必要があります。

何十年間も変わらなかった日本の「マイノリティの表象」を改善しつつ、同時に「ハリウッドの日本人像」も改善する…。そんな事が果たして可能なのでしょうか？

可能です。（続

それが可能である事を示す「証拠」が 「モザイク・ストリート」です。

「モザイク・ストリート」は、日本でも「マイノリティのキャラクター」が「フツー」に登場するドラマを作れる事を証明する目的で制作した、約10分間の「短編映像」です。

まずは、一度ご覧ください。(続

「モザイク・ストリート」は「多様性が既に受け入れられた後の日本」を舞台にしています。そしてこの世界では、キャラの人種、民族、障がいの有無、性的指向、性表現、性同一性が「ストーリー展開の要素」として特別視されません。

つまり、「マイノリティのキャラ」が「フツー」に登場します。

（続

そして映像自体も、日本から世界に向けて大々的に発信しても決して恥ずかしく無いクオリティだったかと思います。

「こういうの」を ガンガン作れば良いのです。

しかもこの作品には「日本のマイノリティ」が「フツー」に登場しますので、「日本における当事者による表象」の状況も改善されます。(続

※業務連絡
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https://twitter.com/Yuki_Mats/status/1497370526238449668?s=20&t=fmxyOkvOMAUmEhp4XwzKaQ