Thread by @hottaqu

メメント・モリが注目ワードに上がっていますが、自分の「生」ときちんと向き合って、そして自らの血を常に沸き立たたせながら、自由に大きく生きられるようにと、特に若い物理学徒の皆さんに向けて祈っています。

今は若者であろうと、年寄りであろうと、誰であろうと、有形無形の様々な「銃口」を向けられる激動の時代の始まりです。これからは明日自分はこの世界にいないかもという感覚も生まれる時代でしょう。そういう環境の中で「撃つなら撃て。十分に生きた！」と言い切れる人生は、一つの理想だと思います。

長い人生でも短い人生でも、その中には春夏秋冬がきちんと納まっていると言った昔の人もいました。人生は長短ではなく、その内容です。老人であろうと若者であろうと、悔いの無い自由な生き方を模索することこそが大切な時代なのだろうとおもっています。

昔で言うところの勤皇か佐幕かのような二者択一を様々な問題で各人が迫られる時代になってきます。「医療を守るのか経済を守るのか」も、どちらにも理があり非がある問題では縁によって目の前に現れた困窮してる隣人から順に手を差し伸べて下さい。そこに主義は要りません。人間の尊厳こそが根本です。

縁によって、二者択一の立場は各人でほぼ決まってしまいます。そういう大きくは変え難い自分の宿命というものは受容して腹を括ることが、後悔なく生きていくコツなのだろうと思います。そして個人個人それぞれのその立場で、精一杯人間の尊厳を表現しながら、命を活かしていくことこそが一番大切です。

これからの激動の時代を生きる若い人達は、頭の固い『真面目人間』とも怠惰な『不真面目人間』ともオサラバして、自由な精神をもった『非真面目人間』に成長して下さい。自由無碍な大きな器で悠々とした楽天家であり、どんな困難の中でも、誰とでも力を合わせられる。そういう個の自立をした自由人に。

究極の二者選択をさせられた後の各人のそれぞれの立場でも、それぞれが自由な非真面目人間であれば、他の協力できるところで誰とでも協力できます。そのような立場を超えた様々な共同こそが、激動後の広やかな世界を作ってくれます。

答えの無い問題では、対立する相手の意見を無理に変えさせようとせず、相手が置かれている立場を理解し、相手の立場がまずくならないように気を遣いながら、しかし他のテーマではしっかりと協力し合える。そういう自由な非真面目人間が増えれば、世界の未来は明るくなります。

また「撃つなら撃て！十分に生きた！」と言い切れるような腹の括り方のできる日々の姿勢さえあれば、どんな時でも、自分の精神は自由でいられます。そしていざという時に、そういう人は九死に一生を得ることもできるだろうと思います。

一方で「自分は漢だ！」とか普段威張っている人も世の中にはいます。威張る人間は「本物」でないことが大抵多く、突発的な事態に出くわすと腰を抜かして、ただただ慌てふためきます。浅瀬でも溺れてしまうような人物です。

偉そうに自分は漢だと威張ってた人間が、東日本大震災と原発事故では腰砕けになってました。また柔和な普通のおばあちゃんが淡々とやるべきことをされてました。よく見る虚勢の度胸は、いざという時に無力です。大切なのは、虚勢も無駄な力も入らない本物の勇気。感情から離れた静かな勇気です。

これからの激動の時代を生きる若い人は、まず自分の感情との付き合い方を学び練習し、そして個の自立をして、自由な非真面目人間へと成長をしてください。そういう人達こそが、これからの世界を明るい方向へ導いていきます。

まもなく東日本大震災と原発事故から10年です。激動の中で今後の世界を切り拓く多くの若い方々に伝えておきたいことは沢山あるのです。