私もShiozawaさんが指摘しているように「そのようなグラフの悪質な使い方がすでに広く普及していること」をこの議論の基本的前提にすることは重要だと思います。

ビジネス数学はそれを「グラフを示す目的は自分の見解を伝えることである」という一見無害に見える考え方で正当化してしまった。
データの内容を誤解なく分かり易く(可能ならば一目で分かるように)グラフの描き方を工夫することであれば誰も否定していない。

そのとき重要なのは「自分の見解を伝えること」と「データの内容を誤解なく分かり易く伝えること」は違うということです。

自分の見解は有害で間違っているかもしれない。
以下のリンク先資料(添付画像)の③④で、ビジネス数学教育家の肩書きで深沢真太郎さんは、

【会議では、できるだけ上司にいいところを見せたい】

という設定で、自分にとって都合の悪いデータを出すのはNGで、都合の良いグラフを見せるのはOKだとしている。

これは論外!

president.jp/articles/amp/2…
自分自身が会社や顧客にとって有益だと思っていた強調点が実際には有害だったのであれば、「誰でも間違うことがある」「自分自身の見解が有害な可能性にも配慮しようね」で済む。

しかし、自分にとって都合の悪いデータを隠して、都合の良いグラフを工夫して作ることを堂々と勧めるのは論外だろう。
#ビジネス数学 のグラフの描き方の指導への批判について「悪質な印象操作と分かり易いグラフの描き方の境界線はどこか」のような問題を気にする向きもあるようだが、ひどくミスリーディング。

現実のビジネス数学教育家は、「上司にいいところを示すため」という設定で論外な地点まで踏み込んでいる。
実際には論外なことをしているのに、まるでそういう事実は無かったかのようにみなして、厳密さを要求されると困る微妙な問題であるかのように説明する。

そういうのも結果的に悪質な印象操作になっていると思います。

きちんと資料を引用してから自分の解釈を述べた方がよいです。
この動画が面白い↓(他にも面白い動画があるかも)

テレビで出るグラフが印象操作しすぎでツッコミ待ちすぎるww @YouTube より
#ビジネス数学 ビジネス数学教育家の深沢真太郎さんがグラフの描き方の指導で道を踏み外した原因は

 正しい情報を伝えること



 伝えたいことを伝えること

を混同したことだと思います。例えば

news.ameba.jp/entry/20160408…

を見ると、実際にそれらの区別が曖昧になっています。
深沢真太郎氏は、3次元の円グラフのみをNGとしていますが、情報が正しく一目で伝わるようにするためには、円グラフの使用は多くの場合に好ましくないです。

例えば以下のリンク先を参照。

cresco.co.jp/blog/entry/950/

ビジネス数学をうたうならこういう話をするべきです↓
動画 の終わりの方を見ると、深沢真太郎さんは「ドーナツ型の円グラフの中心に伝えたいことを書き込むこと」を多用しています(添付画像①②③)。

しかし cresco.co.jp/blog/entry/950/ でも指摘されているように、ドーナツ型円グラフは通常の円グラフより分かり難いです(④)。
もう一度強調しておきますが、円グラフは「一目で正確な情報を見易く伝える」という目的には多くの場合に向いていません。

多分こういうことはまだ常識になっていないので、うまいことビジネス現場での教育に組み入れられるとよいと思います。
何度か述べていますが、今までの誤りが明瞭に誤りだと誰でも分かるような読み易い解説がビジネス数学側から出て来ることを少なくとも私は歓迎するし、そういう方向での図々しさなら笑って歓迎する人も多いと思います。
ビジネス数学においても3次元円グラフがNGであることについてはすでに明瞭に述べているのだから、「ここまでダメなものはビジネスにおいても当然ダメ!」という態度を拡張すればよいだけ。

* 定義でも何でもないものを定義だと言っちゃダメ

* 会社や顧客に損害を与えるようなプレゼンをしちゃダメ
検索してみた。「ビジネス数学は数学を名乗るのをやめた方が良い」という方向で攻めている場合がかなり多いのですが、「上司にいいところを見せたい」という理由で不都合なデータを隠して都合の良いグラフをでっち上げることを勧めているので、

 ビジネスを名乗るのもやめた方が良い

とも言うべき。

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7 Mar
高等教育を受けた後に、数学的厳密さへの反感をあらわにする人達は結構いて、多くの場合にルサンチマンが原因のように見えます。

数学にくだらないルサンチマンを持ち込まないで欲しい。

繰り返し述べているような意味で、高等教育が「数学的厳密さ」について教えることに失敗している点が問題。
具体的に、ルサンチマンを持ち込んでいるように見えるのは、以下のリンク先のリンク先(添付画像)における長大な余談の部分です。

その余談の部分に共感してビジネス数学を擁護したいと思った人達は有害なルサンチマンを共有している困った人達という扱いになってしまうと思っています。
Read 5 tweets
7 Mar
グラフを描くことの目的を「自分の見解を分かりやすく伝えること」に特化させてしまうと大変なことになってしまうことを、この件で学ぶことができました。

伝えたいと思っている自分自身の見解がビジネス的に有害で会社や顧客に損害を与える可能性にも配慮することが常識にならないとまずいです。
あと、ビジネス数学への真っ当な批判を見て、自分にとって都合が悪いと感じている集団が存在していているようにも見えた。

そして、普通の常識に基いて「これはひどい」と言っているだけなのに、「ビジネスに無用な過度な厳密さを要求している」という印象を広めたい人達がいるように感じられた。
すでに何度か述べたことがあると思うのですが、高等教育で「数学的厳密さ」の御利益について適切に教えることに失敗していると私は考えています。

論理的に厳密な議論を空気を吸うごとく遂行できるスキルがあると、数学的な事柄について安心して直観を大胆に駆使できるようになります。
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6 Mar
#Julia言語 Plots.jlで棒グラフを作ってみました。

全体の様子が添付画像①のようなときに、各月の合計を素直にプロットすれば添付画像②のグラフが得られます。

受注数の増加を印象付けるために、棒グラフの上側を切り取って添付画像③のようにするのはまずいです。

gist.github.com/genkuroki/cc0b… ImageImageImage
#統計 9月と同じ調子で10月も受注を取っていただけという想定のもとで、総受注数がデータ以上に増える確率(所謂P値)を計算してみました。

モデルの仮定:各人が9月の受注数通りのポアソン分布で10月も受注する。

計算法:モンテカルロ法。

結果:データ以上に総受注数が増える確率は18%弱。 ImageImage
#統計 これは9月と10月で各人の受注の調子が全く同じであっても、たんなる偶然でデータ通り以上に受注数が増えてしまう確率が18%程度もあるということです。

これはデータの数値だけからは特別なことを何も言えそうもないことを意味しています。
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5 Mar
❌「できる」「できない」の2通りしかないから、「できる」の確率は1/2

から難しい測度の話に飛ぶ必要はなくて、標準的な数学的定式化では

⭕️「できる」「できない」の2通りしかないから、「できる」の確率(0以上)と「できない」の確率(0以上)の和は1

という制限しか付かないと説明すればよいだけ。
別に難しい話をする必要はなくて、標準的な数学的定式化では、

確率は常に0以上1以下になり、
すべての場合に関する確率の和は1になる

という制限しか付かず、

現実への応用時に確率の値をどのように設定するべきであるか

は純粋に数学的には決まらないだけの話です。
確率概念の標準的な数学的定式化である確率測度は、専門用語的には「確率」という語を含みますが、「ランダム性」の概念を一切含まず、単に「全体の大きさを1としたときの部分の大きさ」=「割合」の概念を抽象化したに過ぎません。

「割合」と捉えられるものなら、何でも確率測度で扱える。
Read 12 tweets
5 Mar
#数楽 #Julia言語

平面ℝ²の無限遠に地平線を360度付け加えて、地平線上の180度反対側の点を同一視して得られる平面の拡張を実射影平面といいます。

無限に広い平面を単位円盤内にテキトーに写してプロットしてみました。

添付画像2:直線

gist.github.com/genkuroki/dfc8… ImageImage
#数楽 射影平面上の直線は、180度反対側の点を同一視した地平線と一点で交わる。 Image
#数楽

楕円は無限遠にある地平線と共通点を持たない(当たり前)。 Image
Read 6 tweets
5 Mar
#Ruby endless method definitionについては以下の

パッチモンスター中田さん

へのインタビューが面白い!

hackerslab.aktsk.jp/2021/03/04/122…
【endlessと名のつく機能を“えんど”うさんが提案~「Rubyの文法はendを多用~縁起が悪い。だからendのない文法を~」という趣旨のエイプリルフールネタでした】
ちなみに #Ruby のように end を多用する #Julia言語 では endless method definition が

f(x) = x^2 - x - 1

のように可能です。

やはり end 多用系の言語では函数定義のシンプルな文法があった方が便利ということなのかも。
リンク先の #Ruby の例を #Julia言語 で書いてみた。

In[1] シンプルにべた書きせずにforと@ evalを使った。左右からスカラーをかけたり割ったりできるようにもしてある。

Out[3] 3vと書ける。Vec{Int64}型を3で割るとVec{Float64}型になる。

In[4:5] v•w、v×wと書ける。

gist.github.com/genkuroki/9fae… Image
Read 9 tweets

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