Thread by @TakumiFukagawa

ワシントン・ポスト紙の東京支局長 @simondenyer さんと 同紙記者 @RickMaese さんの記事。

開会式まで3か月を切った医療従事者、主催者、アスリート等の複雑に交錯する思惑を描かれています。

「日本に増大する疑念にも関わらず、五輪関係者は東京大会開催を強く望む。」

wapo.st/3eOvJAM

国際オリンピック委員会（IOC）は今週、日本での夏季大会開催に関する最新の計画を発表した。これは、参加する選手だけでなく、世界的な大流行の際に日本国民の安全を確保することを約束する、綿密な「プレーブック」（第2版）である。

www3.nhk.or.jp/news/html/2021…

IOCのデュビ氏は五輪を安全かつ成功裏に開催するための「大変な努力」と「決意」を示し、最新の科学的知見と、パンデミックの中での世界的スポーツイベントの開催経験に基づいていると語った。またバッハ会長は日本の人々の「偉大な回復力と精神力」を称賛し、五輪の開催を確信していると述べた。

「日本人は歴史の中で忍耐力を発揮してきました。逆境を克服する日本人の能力があるからこそ、このような非常に困難な状況下でのオリンピック開催が可能になったのです」とバッハ会長は語った。

daily.co.jp/general/2021/0…

しかし、バッハ氏の発言は日本のソーシャルメディア上で反発の声を引き起こした。

氏の暴言は、日本の多くの人々が単に大会の開催を望んでいないという事実を無視したものであり、IOCの命令で逆境に立たされる必要があるとは思えない、と。

huffingtonpost.jp/entry/ioc-bach…

過重な負担を強いられている日本の医療システムでは、多くの命を危険にさらすことなく、五輪がもたらす追加的な需要に対応はできない、という医師や看護師の意見が相次いだ。五輪には、1万人以上のアスリートに加えて、何万人もの役員、コーチ、メディア、サポートスタッフが、東京に集結する。

「殆どの医療従事者は、五輪について考えるだけでも馬鹿げていると言っている」と、感染症の専門家であり、神戸大学医学部附属病院の医師でもある岩田健太郎氏 @georgebest1969 は言う。岩田氏の病院は西日本の都市にあり、1700人のCOVID-19患者が入院を必要としているが、ベッドを確保できていない。

「私たちは正に生死をかけた戦いをしているのだ 」と岩田氏は言う。「これだけ多くの観客、スタッフ、ボランティア、看護師、医師が集まるスポーツイベントを、一体どう語ればいいのか？こんな状況で誰が大会を楽しめるのか？」

@georgebest1969

#医療現場はもう限界
#オリンピックより命を守れ

すでに海外からの観戦客は入国禁止となっているため、主催者側は大会そのものを無観客とし、「テレビのためのオリンピック」と呼ばれるような演出をせざるを得ないのではないかと考えている。

www3.nhk.or.jp/news/html/2021…

開会式を3ヶ月後に控えた4月23日、勢いが衰えることを知らない、コロナウイルス変異株の急速な拡大に伴う感染者の急増に対処するため、日本政府は東京をはじめとするいくつかの地域に第三次緊急事態を宣言した。

kantei.go.jp/jp/99_suga/sta…

日本の患者数は、多くの蔓延国に比べれば少ないと言えるが、死者数は3ヶ月で倍増し、今週累計1万人を超えた。1日あたりの新規感染者数は6,000人に迫り、この3カ月で最も高い水準となっている

昨年、五輪が延期された2020年3月24日の日本の新規感染者数はわずか65人だった

sports.nhk.or.jp/olympic/articl…

記者団から、緊急事態にも関わらず何故五輪を強行するのかと訊かれた菅首相は「IOCに決定権があり、IOCはすでに東京オリンピックの開催を決定しているから」と答えた。

この答えからは、菅総理は、今回の決定から距離を置こうとしているように伺える。

mainichi.jp/articles/20210…

水曜日、田村厚労相は、組織委に対して、大会中の感染者の為に「自分たちで」病床を確保しなければならないと警告し、政府は日本の患者のために確保した病床を解放しないと説明した。

”「コロナの病床はしっかり確保いただきたい」などと人ごとのような答弁”（赤旗）
jcp.or.jp/akahata/aik21/…

国会では、政府の分科会会長であり、公式見解から外れる意見を述べることの少ない尾身茂氏が、「オリンピックが感染症のレベルや日本の医療システムに与える潜在的な負担を議論し、検討する時期に来ている」と述べた。

www3.nhk.or.jp/news/html/2021…

IOCの最古参メンバーのディック・パウンド氏は、2020年2月のウイルス感染に警鐘を鳴らした最初の五輪関係者だったが、今週のインタビューでは、今年の大会が開催されることに自信を示した。

「今、7月に五輪を開催するかしないかと訊かれたら、答えは"Yes"だ。多少の見解の相違はあるかもしれないが」

日本では一般的に懸念されているが、パウンド氏によると、主催者は最悪のシナリオを想定して数ヶ月間準備をしてきた。「政府や公衆衛生当局は、広く一般的な世論調査とは異なり、入手可能な最善の科学とデータに基づいて自らの立場を確立しています」と彼は語る。

日本とIOCは、1年以上前に延期を発表した際に掲げていた「コロナウイルスに対する人類の勝利の証」という考えを捨て、「健康を最優先」した「安全・安心」な大会を目指すことを強調している

news.yahoo.co.jp/articles/5ae3b…

主催者は6月まで待って、日本の観客を受け入れるかどうかを決定する。

しかし、オリンピックが密室で行われる（つまり「無観客」で行う　という事でしょうね）というアイデアは、公然と持ち上がっている。

huffingtonpost.jp/entry/story_jp…

組織委員会会長の橋本聖子氏は「そのような状況になった場合、安全・安心を最優先した大会はできなくなります。"そうなると、可能な限り観客を入れない非公開での大会開催を決断しなければならない時が来るかもしれません」と言う。

afpbb.com/articles/-/334…

今回更新されたプレイブックでは、選手や選手と接触する人に毎日コロナウイルス検査を行うこと、公共交通機関の利用を禁止すること、指定された場所でのみ食事をすることなど、感染のリスクを最小限に抑えるために制限を強化している。ルールを破った場合の罰則は未定。

jiji.com/jc/article?k=2…

ワクチンの接種は義務ではないが、おそらくほとんどの選手や関係者が接種してくるだろう。

しかし、日本では320万人分＝人口の1.3％が2回接種する分にとどまる。これは、日本が自前のワクチン開発、他国からの調達に時間がかかっていること、多くの国民が外国の薬に懐疑的であることを反映している。

組織委は、17日間の五輪期間中、日本看護協会に500人の看護師の派遣を要請した。これを受けて、看護師たちはSNS上で「五輪派遣に反対する看護師たち」というハッシュタグをつけて、既存の患者を優先すべきだとツイートした。これは、数日のうちに約20万回もRTされた

#看護師の五輪派遣は困ります

「私たちは使い捨ての駒ではありません」と書いたプラカードを掲げてツイートした看護師もいた。

また、多くの医療従事者がいまだに検査を受けられない中、なぜIOC関係者は定期的にPCR検査を受けられるのか、と街頭で訴えた人もいた。

#看護師に定期PCR検査もせず五輪かよ

https://twitter.com/doirouren/status/1387284518193664001?s=20

看護師の柴田このかさんは、多くの病院が人手不足でコロナへの対応に苦慮している時に、看護師のボランティア参加を期待し、更に危険な目に遭うことは「理不尽」だと語った。

岩田医師 @georgebest1969 は、ブラジルやインドからの代表団が、より危険な変異株を日本に持ち込むのではと懸念している。

IOC関係者は、医療スタッフの負担を軽減するために、複雑な（鼻腔スワブの　って事でしょうか）PCR検査ではなく、簡便な唾液検査に切り替えることで、定期的に検査を行うことで、クラスターのリスクを減らすことができると主張している。

大会は1年で最も暑い時期に開催される予定で、医療機関や何万人ものボランティアにさらなる負担を強いることになる。彼等はマスクを着用しなければならないが、ほとんどのボランティアはコロナウイルスの検査さえ受けられない。

nocoaljapan.org/ja/heat-waves-…

東京では、オリンピックに向けていくつかのテストイベントが行われているが、パンデミックの影響で、いくつかのスポーツや国でオリンピックの予選が複雑化しており、カナダでは水曜日に水泳の予選が2回目の延期となりました。

swimswam.com/swimming-canad…

豪州の飛び込み選手は、東京で土曜日から木曜日まで開催されていたワールドカップを辞退。この大会は五輪予選を兼ねており、アナベル・スミスとマディソン・キーニーの2人は、飛び板飛び込みで五輪出場のチャンスを失ったことになる。

「スミス選手はInstagramの投稿で、「オリンピズムの原則のひとつである『フェアプレー』に反する決定によって、我々のチームが残りの競技で予選を通過する機会が失われたことは、本当に残念なことです」と書いている。

昨年、オリンピックの開催が延期された多くのアスリートたちは、ワクチンや検査、安全対策によって、今年の夏のイベントが救済されることを期待している。

news.yahoo.co.jp/articles/74f15…

「今回の大会は、確かに見た目も感じ方も違うでしょうが、この運動の心と魂と本質はまだ純粋であり、たとえファンがそこにいなくても、世界を一つにすることができるのです」と、6回目の五輪に挑戦する米国ビーチバレーボールの金メダリスト、ケリー・ウォルシュ・ジェニングスは語る。

東京のスポーツマーケティング専門家で、複数の国のオリンピック委員会やスポンサーとのつながりがあるロバート・メース氏は、今年の大会開催は、海外の顧客を楽しませることができないスポンサーにとっても、日本の観光産業や経済にとっても、経済的な損失となると主張している。

メース氏は再度の延期を希望しており、不動産開発業者がアパートに改築するためにオリンピック村を明け渡さなければならないという主張を一蹴し、選手たちは来年も一緒に住む必要はなく、競技会場近くのホテルやトレーニングキャンプに宿泊することができると主張している。

主催者側は、延期は選手にとって不公平であり、世界のスポーツカレンダーが複雑になるため不可能だと主張している。

ディック・パウンド氏は語る。「延期は不可能だ。2021年7月に開催されるか、あるいは全く開催されないかのどちらかだ。」と。

@simondenyer さんは、早くから日本の遅々としたコロナ対策と五輪について懸念を表明されていましたが、この記事でも、まだ状況は混沌としていると　と受け取られている感じですかね。

ともあれ
Thanks to
@simondenyer
@RickMaese
@juliaminuma