Thread by @okadaic

全部繋がってるね。
＜『片袖の魚』という30分くらいの短編映画です（略）ジェイミーのことをもっと深く知る手がかりとして観に行ったんだけど（略）当事者だからこそ伝えられるものがそこにあって。自分の今までの価値観ががらりと変わるような衝撃に打ちのめされました。＞
lp.p.pia.jp/shared/cnt-s/c…

続）日本版『ジェイミー』は主人公以外のドラァグクイーンたちもドラァグ経験の無い男性俳優たちが監修付きで「演じて」いるのだが、その表現がどうなるかは注目している。ちなみにジェイミーの自認は「ときどき女の子になりたくなる男の子」で、プロム会場は「ときどき」に相当するのか、が話のキモ。

続）こういう話、一昔前なら学校側は無理解な悪者と描かれがちなんだけど、女装だからダメというのではなく「プロムには男女で厳格な服装規定がありジェイミーは本校の男子生徒である」（放課後なら何着てショーに出ても不問）という理屈で、彼に「女の子になりたい」とは何なのか？ を問うてくる。

続）それまでは「男の僕は息子失格のアグリー、もし見違えるような女の子になれたら無敵のビューティフル」という認識だった16歳の少年が、「あなたはそのままで美しい」と声をかけられる物語で、容姿に悩む女の子、教室内のポジション取りに必死の男の子、あるいはその保護者たちにも響く内容だろう。

続）だからみんな悩みは同じ、なんて雑な括り方は当然できないんだけれども、一昔前までよくあった「社会的弱者が世の中をギャフンと言わせる様子を見てマジョリティの観客が溜飲下げる」というショーに性的少数者の表象が都合よくかりだされる作りとは明確に異なるし、そこが伝わるといいな、と思う。

続）とはいえ演じる側は大変ですよね。ドラァグクイーンとしての人格が「生まれる」瞬間が描かれたりするのだが、産んでみるまで本人にも「彼女」がどんな姿かはわからないものなんだ、ということさえ私は知らずにいたので、非当事者の俳優が劇中劇中劇のようにしてその瞬間を描く苦労は計り知れない。

続）ジェイミーのこと考えると別の作品の「だって俺はまだ子供なんだよ」って台詞を思い出す。私たちは今まで、マジョリティに都合よくアリものとして完成された性的少数者の表象を山ほど観てきた。ロコシャネルなんかは覚悟をもってそれを引き受けてる中年だ。でもジェイミーは、まだ子供なんだよな。

続）みんな大好き愉快で楽しいドラァグショー、みたいなシーンはない代わりに「自分が本当は何をしたいのか、それをすることで何者になりたいのか、すらもわからずにいた」子供時代のことを思い出したりする。私の場合は、男の子になりたいというより女の子になりたくない女の子だった自分のこととか。

続）それで今思えば大変なやらかしも多くしたし、当時の自分の言動をもし同じ教室でトランスジェンダーの子が聞いたらどう感じただろう、と思ったりするんだけど、そういうぐちゃぐちゃを描いた話だ。ラストシーン後のジェイミーがどんな大人になるかは、演者次第で180度違って見えたりもするだろう。

続）なので……本当は全キャスト観たいわけですが……全世界規模の感染拡大防止、および長生きして推しを観続けるため命を守る行動をと考えると、今この状況、少なくとも８月の東京にはさすがに渡航が叶わないので……足を運んで行ける人たち、観てきて感想聞かせてほしい……。 #トーキングジェイミー

続）あとイジメとそれを「受け流す」描写についても、演出はもちろん観客の受け止め方次第で印象だいぶ変わるはずなので（ある国では笑いが起こる場面がある国ではドン引きされるとか、その逆とか）、悪いコンフリクト起きないといいですね。私は一箇所どうにもウッとなるとこあって心配しておる……。