Thread by @minesoh

【プレプリント】日本でも検出された #新型コロナウイルス の変異体「ミュー」の変異をいれたスパイクタンパク質に対し、回復患者血清やファイザーワクチン血清での中和力価は大きく下がるという検討です👶ツリーで簡単に紹介します。
#変異体 #ワクチン効果 #プレプリント

biorxiv.org/content/10.110…

https://twitter.com/SystemsVirology/status/1435369160968577024

報告はプレプリントにレターの形で東大医科学研究所の佐藤先生たちが主導されている The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan) Consortium の成果としてアップされています👶

ごく簡単に何をしているかというと、様々な変異ウイルスでみられる「変異したスパイクタンパク質」を表面にもつあるウイルスのようなものを、細胞に「感染」させる実験で、それをどのぐらい患者血清やワクチン接種者血清、つまり中和抗体で邪魔できるかをみています👶

ですからいつも説明しているように、これは試験管の中で HOS-ACE2/TMPRSS2 という細胞への感染をみている in vitro の結果、ということになりますね👶

ファイザーワクチンを受けた人の血清での評価が図のCにあります👶グラフの点が低ければ低いほど、ワクチンが「効かない」ことを示します。ベータとミューが効かないですね。ミューが一番「効いていない」。

この結果から言えることは、従来株（D614G）に感染した人や、ファイザーワクチンを受けた人にできる中和抗体は、ミューには大きく「効きにく」ことが in vitro でわかった、ということです👶ただし！実際のヒトでどのぐらい予防効果が下がるかはまだわかりません。

また、ミューについてはコロンビアなどで流行っていますが、まだ伝播性や病毒性上昇などについてもよくわかっていません👶ラムダも同様。なので、デルタより一概に「厄介である」とは結論はできません。

従来株（D614G）に感染した人や、ファイザーワクチンを受けた人にできる中和抗体ではもっとも中和しにくい変異体でありそうと言えますので、今後も注視と研究が必要ですね👶ワクチンがどの程度効くかは、繰り返しますが、まだわかりません。

科学的知見としてはっきりしたものですので紹介しました。だからといって、「最凶ミュー」などと騒ぐ必要は全くありません👶対策としてはまずは基本予防策が重要で、ワクチンも全く効かなくなるとまでは現状言えないと思いますので、しっかりすすめることが重要ですね。

尚、佐藤先生とはこの論文中の parental という用語について意見交換させていただきました👶実験上作成したものについては確かに佐藤先生のおっしゃる通りparental かなと思います。従来株なら ancestral strain かなと思いますが、D614Gにも名前が欲しいですね。

非常にスピーティー・タイムリーにデータがでてくるところは素晴らしいですし、是非日本の研究者を応援してください👶ただしなんども言いますが結果の解釈はしっかり。この段階で大騒ぎしたり変な報道をしないようにね。