Thread by @ohnuki_tsuyoshi

鉄道を廃止してバス転換すると一番困るのは「地図から消える」ことなのではないかと結構本気で思っている。
その地域に慣れていない人にとって、公共交通利用のハードルがものすごく高くなってしまう。

https://twitter.com/kojiinet/status/1443503761045876746

BRTのように一定の基準を満たした固定的なバス路線は地図に載せる、というようなことをしていくと、バスと鉄道はもっとスムーズに分担できるように思うのだが。

そもそも、現在までに廃止されたり現在経営が困難な赤字鉄道路線がなぜ建設されたのかと言えば「自動車という新しい技術で代替されたから」なので、赤字ローカル線のバス転換は技術的には正しい方向なわけで。

内燃機関が普及するまでは蒸気機関を使うしかなく、蒸気機関は重いので鉄のレールと車輪が必要だった。たとえ1日1本の列車でも、それが必要だった。
内燃機関ができて軽量な自動車が作られ、ゴムタイヤとアスファルト舗装で建設も維持も格段に安上がりになった。

いま、自動車に対して鉄道が優位なのは
・100km/hを大きく超える超高速走行
・バスやトラックでは代替困難な大量輸送
の2点が主で、それらの優位性が活かせない路線では鉄道である意味はあまりない。

新幹線と大都市近郊路線以外の鉄道は、貨物の需要がなければ存在意義のグレーゾーンだと思う。20世紀に建設されたときの規格のままでは競争力を維持できず経営が成り立たない、という路線が出てくるのは当然。
幹線道路が今も改築されているように、鉄道もバージョンアップしなければ厳しい。

現在も残っている需要の中心が「高校通学」だったりして、そういう地域は少子化も進んでますます乗客減少に歯止めがかからないという…

大都市圏以外では、鉄道が「地域内輸送」で生き残るのは困難。「地域間輸送」で生き残るには、急坂や急カーブが続く山越え路線を直線のトンネルで置き換えるといった投資が必要。
道路ではこれを全国でずっとやってきたのに、鉄道でやっていなければ使わなくなるに決まっている。

山形新幹線や秋田新幹線は、ようやく県境越え区間の短絡トンネル建設に着手するところ。
四国なんかもこういうことをやっていかないと厳しいと思う。

もうひとつ、都会人が「鉄道のない地域」を敬遠してしまう理由のひとつは、ドア・ツー・ドアで公共交通が連続していない地域なんだと容易に想像できるところでもあると思う。
もっと簡単に言うと「バスがあっても車がなければどうしようもない」地域だと。

都会では、基本的に鉄道駅とハブとしてバスが走ったりタクシーが待っていたりして、目的地まで徒歩で行ける場所まで公共交通を利用できるだろうと想像できる。
鉄道のない地域では、これが全く期待できない。バス停を降りたら店もタクシーもなくて途方に暮れる可能性が低くない。

ドア・ツー・ドアの公共交通に信頼がおけない地域では、公共交通を利用するのは自動車を運転できない通学者が主になってしまう。
だったらアメリカみたいに、スクールバスと自家用車にして、地域間交通は高速道路か、空港へ車で行くってとことへ落ち着くわけで。陸上の公共交通は消滅してしまう。

↑日本語がおかしかった。正しくは「新しい技術で代替される前だったから」

スマホが普及してPCが使われなくなった場面で「PCを残そう」と言うようなもの。スマホにできないことがPCにできるように、自動車でできないことが鉄道でできるが、スマホや自動車で足りるようになったら元には戻らない。