Thread by @satetu4401

現代社会の発展最大の代償は環境汚染などではなく、コントロールの喪失である

近代以前は社会のほぼ全てがコントロールされていた。為政者は大抵のものごとが何故そうなっているのか理解していたし、大抵の物事は理屈通りに進んでいた。であるからこそ多くの迷信や法則が作られ口伝されていった

近代以降、為政者は社会のコントロールどころか理解さえ失っている。日本全土で270万ほどの企業が存在していて、それぞれが勝手に生まれ、社会に影響を与え、成長あるいは衰退して行く

社会全体の成り行きを理解している人間など誰もいないし、本当は何処に問題があるか把握している人間もいない

繁栄や成長とコントロールは相反するものだ

人間が書いた最強の囲碁プログラムより、人工知能同士で数千万回試合をさせて勝ち残ったものを採用した方が圧倒的に強い

しかし、人間はそれが何故強いのか全く理解していない。置いた手にどんな意味があるのかさえ分からん

企業経済もこれと似たようなものだ。お互い競争させて生き残った組織（企業）は、人工的に作った組織（国家）よりも遥かに効率的だが、なぜ効率的なのか全く理解できず、再現性がない

再現できるならとっくに第100第200のトヨタやホンダが出てきて、日本は大企業まみれだ

お役所仕事とバカにされはするが、お役所の長所は企業と違って再現性がある点で、第100第200の市役所や郵便局と言ったものを安定して作っていける上に、少しずつ改良できる点は大きな長所である

人間が書いた囲碁のプログラムと同じだ。弱いが、何故そう動くのか理解しているし、改良もできる

一方で企業は人工知能と同じだ「生き残ったから強い」以上の理解が及ばない。再現性もない。だから大企業どころか中小企業さえコピーできない

オリジナルが失われてしまったら、その機能は永久に消えてしまう

現代社会は、人智を超えた発展の代償に、社会の殆どを「なぜ機能しているか理解できない組織」に依存することになった

いつ壊れるか分からないし、壊れても修理できない、人間はコントロール不能な世界の中で、全てが上手く行くように祈るしか無い状態だ

なぜ現代社会人は不安を抱えているのだろうか？

それは、多大な発展とテクノロジーの代償に、大自然に翻弄されていた原始時代と同じくらい、企業社会によって翻弄されるしか無い存在になってしまったからだ

社会を人間がコントロールしていた近代化以前と比べて、不安が増大するのは当然と言える