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Feb 2 11 tweets 1 min read
「武士道とは死ぬことと見つけたり」という言葉で有名な「葉隠」。印象に残ってるのは次の内容。
失言を減らしたいと思い、その日の失言を日記に記録することに。ところが一向に失言を減らせないし、同じ失言を繰り返してることがわかり、嫌になってメモするのをやめた、というもの。
失言って、なんでしちゃうんだろう?後でしまった!と気づくのに、事前にはそれが失言だと察知できない。口から出てしまった言葉はもう取り返せない。綸言汗の如し(皇帝の言葉は一度出てしまったら元に戻らないのは汗と同じ)と言うけど、別に皇帝でなくても、言葉は汗のように、出たら戻せない。
失言する時の「思枠」(思考の枠組み)を思い起こすと、「ナメてる」。これくらい言ってやってもいいだろう、アイツはこのくらいのこと言ってやってもどうってことないさ、とか、倫理道徳?へっ、つまらねえ、とか、ナメた「思枠」を抱いているとき、失言が出てる。
不思議なことに失言すると、内心「しまった」と思っているのに、なぜか失言した自分を正当化しようとしてしまう。「いや、今のはこれこれこういうつもりで言った(から正当である)」と。首尾一貫してるフリをする。そっちの方が印象悪いのに。失言は失言ではなく、深い思慮の言葉のフリをする。
謙虚で、人をバカにせず、軽んずることなく、どんな考え方にも理由や事情がある、という敬意を持てている時、失言は非常に少ない。したとしてもすぐに「今のは誤解されて仕方ない表現でした、すみませんでした」と謝れる。自分は過ちをおかしやすい人間だと考えるから、軌道修正が早い。
失言とは、傲慢な気持ち、人をナメた考え、世の中を軽く見た発想、人の考え方を軽侮するふざけた心構え、そうした「ナメた」思枠を抱いているとき、出やすいものらしい。

私は結婚するまで、実に失言の多い人間だった。結婚してしばらくも、かなりの失言オンパレード。
しかしYouMeさんの考え方、ものの見方に触れるうち、どんな物事にも、どんな人にも敬意をもって接することの大切さに気づくようになった。傲慢さが少しずつだけど薄くなり、どんなことにも驚きをもって迎え、楽しむ気持ちを持つようになっていった。
私から失言が減っていったのは、それから。YouMeさんからの感化と言ってよい。それでもたまに炎上するような失言があるのは、私の中にまだ残り火のように傲慢さが残っているからだと思う。結婚するまでの四十年の習慣は、なかなか抜けない。
それでもまあ、結婚して10年でずいぶん変わったなあ、と思う。YouMeさんが私を変えてくれたのだと思う。失言が減ったとすれば、それは傲慢さを薄めてくれたYouMeさんのおかげ。失言がなおも出てくることがあるとすれば、それはまだ私の中に傲慢さが残ってるからだと思う。
「葉隠」の著者が失言を減らせなかったのは、傲慢さがあったからかもしれない。自分が正しい、アイツが間違ってる、という気持ちがあると、どうしても失言は出やすい。失言は「ナメた気持ち」という思枠がある時、出やすいもののように思う。
まとめました。

なぜ失言してしまうのか|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…

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Feb 3
「ためしてガッテン」で面白い実験が。「出番があるまでこの部屋でお待ちください」と、数人の男性ばかり入れられた部屋、女性ばかり入れられた部屋。その中で何が起きるのかを観察。
男性ばかりの部屋では沈黙が続き「遅いですね」「そうですね」と二言がやり取りされたのみで、沈黙が続いた。
他方、女性ばかりの部屋では。「どちらからいらしたの?」とかの問いかけからはじまり、どんどん会話が膨らみ、実ににぎやかに話が盛り上がった。
この様子をモニターで観察したスタッフが、少しテコ入れしようと、ケーキとコーヒーを差し入れることに。「出番までもう少しお待ちください」。
沈黙が続いていた男性側の部屋では。「うまいですね」「そうですね」。その二言がつぶやかれた後、黙々とケーキを食べ、コーヒーを飲み。そのあと、またしても沈黙が続いた。
他方、女性の部屋ではケーキとコーヒーでさらに大盛り上がり。お気に入りのケーキ店の話題とか、さらに会話が盛り上がった。
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Feb 2
「強いリーダー」と新自由主義は相性がよい。新自由主義のもとなら、強いリーダーが岩盤規制や既得権益層を破壊し、イノベーションを起こしてくれるという期待を背に、強い権力を得ることができる。しかし実際には、既得権益層の利益はリーダーの取り巻きに分け与えられ、庶民はむしろ貧しくなる。
強いリーダーとは、「とりあえずうまい汁を吸ってるあいつらに痛い目あわせてくれたら溜飲下げられるぜ」という期待があるとき、熱望されるもののように思う。強いリーダーは、巧みにその空気をかぎ取り、期待通りに演じてみせる。しかし同時に嗅覚の鋭い彼らは、味方を作ることにも神経をめぐらす。
それが、「仲間」。既得権益のを破壊して生まれた利益が彼らに得られるようにすれば、強いリーダーを絶対的に支持してくれるようになる。実際の利益があるから、何の利益もない、移り気な庶民よりアテになる。「仲間」はマスコミなどを動かし、強いリーダーを支える。
Read 10 tweets
Feb 1
最初の本の編集者から、この問題、私ならどう考える?と質問がきた。子どもの偏食。親が頑張って作った料理に限って食べない。栄養のバランス考えて作った手料理食べずにレトルト大好き。子育てあるある。
この問題、児童栄養学として真剣に研究すべきだと思う。
togetter.com/li/1839051
うちの子どもも偏食。YouMeさんは最初、栄養バランス考えた手料理を食べさせようと頑張った。撃沈。アンパンマンカレーに勝てなかった。レトルトのドリア超大好き。息子は肉苦手、娘は肉好き野菜嫌い。
YouMeさんと話し合い、どうするか考えた。
好きでないものを無理強いするとびっくりするくらい食べない。他方、好きなものだとびっくりするくらい食べる。食べないより食べた方がいい。なので、
・三つのエレメント(赤、黄、緑)をなるべく揃えるように。
・甘い菓子パンとかはたまに、1日1食まで。
・慎重に体調を観察する。
Read 18 tweets
Feb 1
「小学一年生」三月号綴じ込みの親向け冊子、「HugKum」にインタビュー記事を掲載して頂きました。子どもが宿題しない、勉強しようとしないとお悩みの親御さんが多いと思います。そのお悩みに答える内容にしてもらいました。 ImageImageImage
私は、親が「宿題しろ!」「勉強しろ!」と言うこと、あるいは言わなくても期待すること、それが子どもを勉強嫌いにし、学習意欲を奪うと考えています。嫌いになったら身につくものも身につかなくなります。意欲がなければどれだけ勉強しても頭に入りません。
小学校に入るまでの子どもは猛烈な学習意欲を備えています。だから何でもすぐ吸収し、記憶します。ところが小学校に入学してしばらくすると学習意欲を失います。親が「宿題したの?」と毎日言うようになり、監視され、先回りされ、「宿題しようとしないダメな子」と烙印を押しかねなくなるためです。
Read 9 tweets
Feb 1
小学校算数をイチからやり直したほうがよい、ということを書いたら、「小学校からやり直せ、って言ったら、プライドが傷つき、結局やらないのでは?」「どう伝えればいいのだろう?」というご意見が複数。 確かに、伝え方大切。で、私はどう伝えていたかというと。
note.com/shinshinohara/…
「小学校、中学校、高校の学習に抜け落ちがなければ旧帝大に合格できる。逆に言えば、旧帝大に入学する学力に達しないのは、どこかで抜け落ちがあるから。」
実際、かなりの点数を取る生徒でも、小学校や中学校の学習内容で欠落があることが多い(たぶん、ほとんど)。
高校で全教科80点以上をとっていても、なかなか平均90点以上に達しないのなら、小学校と中学校の内容を一度やり直したほうがよい。どこかで欠落があるか、アヤフヤなところがある。小学校の内容って侮りがたくって、ここがアヤフヤのままだと、成績が伸び切らない。
Read 16 tweets
Jan 25
オミクロン株はデルタ株と比べれば症状がやや軽く、重症化しにくいということで「ただの風邪だ」という、新型コロナで何度も繰り返されている言説がまたもや強まっている。専門家や政治家からは「正しく恐れよう」とアナウンスされるけれど、今一つわかりにくい。そこで私なりに言語化を試みる。
オミクロン株は「ただの風邪」ではない。次の二つの条件を兼ね備えるものは他に見られないから。
①インフルエンザに匹敵する症状のきつさ
②インフルエンザとは比較にならない、感染力が強かったデルタ株よりもさらに強い感染力
2条件を兼ね備えた風邪は他にない。これが医療システムを破壊する。
医療関係者によると、基礎疾患のある人がインフルエンザにかかると重症化、死ぬことがあるので感染には十分注意しなければならないが、インフルエンザの感染を防止するのは比較的対策しやすいのだという。インフルエンザは新型コロナほど感染力がなく、適切な処置で感染を防ぐことができる。しかし。
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