Thread by @tarafuku10

動画『赤い州と青い州: どちらに住みたいか?』を訳してみた。共和党が強い州と民主党が強い州。どちらの方が住みやすい州でしょうか? 税金、治安、雇用、健康などの面から、エコノミストのスティーヴン・ムーアが考察します。(赤は共和党の、青は民主党のシンボルカラーです)

私たちはユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ、すなわちアメリカの名のもと、数々の州が1つにまとまった国のはずだった。しかし、いろんな意味で、私たちはとても異なる2つの国民に分かれてしまった。

アメリカには赤い州がある。

そして、アメリカには青い州がある。

赤い州は、政策として保守主義、小さい政府、自由市場を志向する。低い税率、規制緩和、厳格な犯罪取り締まり、労働者の自由などが特徴だ。フロリダ、テキサス、テネシー、アリゾナ、ユタなどがそうである。

青い州は、リベラルまたは左派的な大きな政府を志向する。高い税率、厳しい規制、高い最低賃金、労働組合加入の義務化などが特徴だ。ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット、マサチューセッツ、イリノイ、オレゴン、そしてもちろんカリフォルニアがそうである。

進歩派は、税率を高く設定して大きな政府を目指す政策の方が経済的に優れていて、赤い州よりも青い州の方が、貧しい人々、マイノリティ、労働者階級のアメリカ人にとって良い州だと論じる。進歩派は、保守派の政策は文化的に遅れており、金持ちに利するものだと言うのである。

この議論が正しいかどうか確かめるために、3つの大きな赤い州、フロリダ、テキサス、テネシーと、3つの大きな青い州、カリフォルニア、ニューヨーク、イリノイを比べてみよう。進歩的な政策が機能しているのなら、アメリカ人はこぞって青い州に引っ越すはずだ。しかし、実際にはその逆が起きている。

アメリカ人は、引っ越し用トラックに荷物を詰め込み、赤い州に向かっている。NYタイムズ紙によれば、2020年8月、あまりにも多くの人がニューヨーク市から転居しようとしたため、引っ越し業者は依頼を断らなければならなかった。需要をさばききれなかったのである。

この集団脱出は加速しているのかもしれない。しかしこれは今に始まったことではない。過去10年間で、3つの大きな青い州から平均して100万人ずつが他の州に転出し、3つの大きな赤い州には他の州から100万人が移住してきた。筋の通った話だ。アメリカ人は自由を好む。小さな政府の方が自由の幅が広がる。

そして、自由はチャンスを意味する。

仕事を探しているとしよう。過去10年間で、フロリダ、テキサス、テネシーでは、進歩派の州に比べて2倍の雇用が創出された。

それだけではない。赤い州の方がお金の遣い出があるのである。2019年のタックス・ファンデーションの調査によれば、あなたの100ドルは、テネシーでは111ドルの購買力を持つが、ニュージャージーでは89ドルに縮んでしまう。

あなたが大企業や中小企業を経営していて、ビジネスしやすい環境や、手の届く価格の住居や、よりよいクオリティ・オブ・ライフを求めているなら、どこに移転したいと思うだろうか? 青い州と赤い州のどちらを選ぶかは難しい問題ではない。難しいのは、どの赤い州に引っ越すかである。

進歩派は、経済が理由ではなく、天気が良いためだといいたがる。確かに赤い州は温暖な南部や南西部にある。しかし、ではなぜ、アメリカでもっとも天気のいいカリフォルニアを去る人がこれほど多いのか、説明がつかない。

では、青い州からの転出者が多いのはどう説明すればよいのか?

税金の話から始めよう。最も人口の多い2つの青い州、カリフォルニアとニューヨークは、アメリカで最も税率が高い。最も人口の多い2つの青い州、テキサスとフロリダには所得税がない。

税金が高ければ、人々は税金の低い州に引っ越す。税金が高い州の問題は、こうした人々がお金、大志、社員も持って行ってしまうことだ。

それから、犯罪だ。青い都市は赤い都市よりも犯罪率が低いだろうか?

答えはもちろん「ノー」である。殺人率の高い都市を上から20並べれば、そのうち18は左派の民主党が市政を担当する都市である。多くの場合、過去何十年にもわたって民主党が支配している都市だ。そして、これらの都市は安全になるどころか、ますます危険になっているのである。

ジョージ・フロイドの死に端を発した暴動により、ミネアポリスのかなりの部分が焼かれて灰になった。ポートランドでは、90日以上、夜ごとに暴動が発生した。平和的なプロテストではない。暴動である。

シアトルでは、市の一区画全体を自治地域と宣言することが許された。これはアメリカ史上初のことである。こうした市や州を治めているのは、すべて進歩派の州知事、進歩派の市長、進歩派の警察本部長である。

ホームレスの人々がどれだけ増えているか、ロサンゼルスやサンフランシスコの住人に聞いてみればよい。恐ろしい話がいくつも聞こえてくる。もちろん、どちらも進歩派が長い間、市長を務めている都市である。

住民の健康と安全を守るという点ではどうか? 厳しいロックダウンを実施した進歩派の州の方が、多くの命をコロナウイルスから救ったはずだ。

ところが、そうではないのである。

単位人口あたりで考えれば、ニューヨーク、ニュージャージー、イリノイの住民は、フロリダ、テキサス、ジョージア、ユタ、アリゾナなどの赤い州の住民に比べて、このウイルスで死ぬ可能性が、3倍、4倍、5倍高い。

進歩派やリベラルの民主党員は善かれと思ってやっているのだろう。確かに彼らは、貧しい人々、マイノリティ、労働者階級のことをとても真剣に考えていると言い募る。

しかし、どうしたわけか、悪い政策によってワリを食うのは、常に貧しい人々、マイノリティ、そして労働者階級である。だから、引っ越せる人は引っ越す。引っ越せない人が貧乏くじを引く羽目になる。

赤い州は繁栄している。青い州はメルトダウンを起こしている。あなたはどちらに住みたいだろうか?

フリーダムワークスのエコノミスト、スティーヴン・ムーアでした。(了)

英文スクリプト: ↓
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